【第381回】「近づく戦争の足音とメディアの役割」を聴く 2024/11/19
国際写真:熱演(撮影許可済み)
ジャーナリスト望月衣塑子氏(東京新聞記者)の熱演を聴いた、「近づく戦争の足音とメディアの役割」:(11月16日、主催:大田たまがわ九条の会)
「熱演」とはしかし「演技」ではない。
身振り手振りを交えての説得力に満ちた「憲法九条の価値」論である。
子細は同会での「講演録」発表を待つとして、以下私論を交えて筆者(浜地)の感じたこと:
新聞記者らしく、100余枚の新聞記事の実例を画像で示し、論議を進める。
まずは「トランプ氏返り咲き(11月7日、東京新聞)」から始まり、石破内閣発足と国内問題の提示。
そして、10月12日の「被団協・ノーベル平和賞」へと続く。「被爆国日本の石破首相はノーベル平和賞・被団協受賞を賛美しながら、しかし、TPNW核兵器廃絶条約の批准に消極的」「まずは、オブザーバ参加すべき」と力説。
*氏には、事後、拙稿「ヒロシマ犠牲者への鎮魂オラトリオ」を伝え、理解・応援を依頼した。
【第380回】♫ナーズム・オラトリオ♫ ~ノーベル平和賞2024・被団協に想う 2024/10/31 | ISF独立言論フォーラム
続いて「在日米軍【統合軍司令部】に自衛隊218人処分」、「ガザ撲滅作戦か ネタニアフ首相、国防相解任、死者4万1千人超、1.6万人超子ども死亡」と、国際論。
そこから日本の外交論へ。「2023年8月 日米韓3か国首脳会談」、「日本の防衛予算の問題」「案保三文書の閣議決定」―と現下の日本を取り巻く諸情勢を多々提示。
口八丁手八丁(誉め言葉である)の解説に聴衆は惹きこまれる。
惹かれる聴衆 (撮影許可済み)
締めの言葉として「メディアの役割とは?」。そこで「記者として私(望月氏)のテーマ」として、「戦争をしたい人たちに戦争をさせないこと!」と挙げている。[/caption]
中での言及は「ジョージ・オーウエルの言葉:ジャーナリズムとは報じられたくないことを報じることだ。それ以外のものは広報にすぎない」
*(「九条の会」発起人の一人)大江健三郎氏は、1994年、ノーベル文学賞受賞演説にジョージ・オーウエルの言葉を引用している。
2023.03.14 VUCAの時代:あいまい(ambiguous)な日本の私
最後の「憲法とはなにか」においては、幣原喜重郎(当時)首相のことば「軍拡戦争の蟻地獄から抜け出す狂人。その歴史的使命を日本が果たす」が引用されている。
*拙稿中:「憲法と幣原喜重郎(第44代内閣総理大臣)」
【第71回】 Lay Down Your Arms 〜 ノーベル平和賞・憲法九条 – 浜地道雄の「異目異耳」
以上、慧眼に接し、強く思うのはFACT CHECK(事実は一体何なのだ?!)の重要さ。
種々論議はあるが、(新聞など)マス・メディアにあっては編集過程で原則FACT CHECKがかかる。他方、現下、目を見張る進展のSNSだが、Echo Chamber発生の可能性があり、そこで危惧されるのはFACT CHECKの欠如だ(例外あり)。
【第253回】講演:「情報大混乱時代」にあって重要なFact Check – 浜地道雄の「異目異耳」
本記事は、浜地道雄「異目異耳」2024/10/31【第381回】「近づく戦争の足音とメディアの役割」を聴く の記事の転載になります。
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国際ビジネスコンサルタント。1965年、慶応義塾大学経済学部卒業。同年、ニチメン(現・双日)入社。石油部員としてテヘラン、リヤド駐在。1988年、帝国データバンクに転職。同社米国社長としてNYCに赴任、2002年ビジネスコンサルタントとして独立。現在、(一財)グローバル人材開発顧問。「月刊グルーバル経営」誌にGlobal Business English Fileを長期連載中。