【特集】ウクライナ危機の本質と背景

現時点での安斎のウクライナ戦争論小括─2022年5月28日

安斎育郎

・ウクライナ情報─ロシア熊はなぜ暴れたのか?

昨日、来るべき参院選についてある団体からの宣伝物が配布されてきましたが、「いま大事なのは、国際世論によるロシア包囲です」と書かれていました。本当にそうでしょうか?アメリカは放置しておいていいのでしょうか?ウクライナにNATO加盟を執拗に働きかけ、この戦争の原因をつくったアメリカのネオコン勢力はやりたい放題やらせておいてよいのでしょうか?

2014年のウクライナのユーロ・マイダン・クーデターに乗じて親米傀儡政権づくりを画策したオバマ政権下のジョー・バイデンやヴィクトリア・ヌーランドなどの新保守主義勢力が、50億 ドルもの巨費を投じて政権転覆を企ててポロシェンコ政権を誕生させ、挙句の果てには、ウクライナ憲法第116条に「ウクライナ首相はEUおよびNATO加盟の努力を実行する義務を負う」とまで書かせて、国境を接するロシアに安全保障上の重大な懸念を抱かせた─アメリカこそがこの戦争の原因を作った張本人だという事実からは目を背けていていいのでしょうか?

ロシア熊が怒って暴れ出したのには理由があります。

ウクライナのNATO加盟によって隣国に米軍基地が築かれるようなことになれば、「第2のキューバ危機」をもたらす国家安全保障上の大問題だと、ロシアが深刻に受け止めたことがこの戦争が勃発した理由の一つでした。ロシア熊が「痛いからやめてくれ、命にかかわるからやめてくれ」と叫び続けてきたにもかかわらず、眼を突き心臓を突き続けてロシア熊を怒らせ、ついに暴れさせたNATOとその盟主アメリカ。

しかも、暴れるロシア熊を取り囲んで罵倒し、さらに突っつくための槍や礫を供給しながら、自らはそれを遠目に見て「もっとやれ~!」と煽って「死の商人」を利している。この戦争は、一面、そんな戦争です。もう一つの問題はウクライナのネオナチ極右暴力集団アゾフ連隊ですが、彼らを訓練し、武器を与えているのもアメリカに外なりません。

私たちはロシア熊を取り囲んで大声で罵倒しながら石をぶつける側に身を置きますか?
それとも、アメリカのネオナチ政権を取り囲んで、「 バカ なことはやめろ‼」と 𠮟りつけますか?

・参考資料

以下の情報はメール・ベースで送った情報ですが 、紙ベースでは直接ユーチューブなど参照できないことを承知の上で、参考までにそのまま記載しておきます。

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8年ぶりにナチス ・ ウクライナ政権から解放されたことを祝う住民の喜びの声と表情
https://twitter.com/pickup_topic/status/1532230436767772672?t=bK6jaoiJ
591MTolbGkXdiw&s=09

ウクライナ兵、アメリカが供与した兵器について語る
https://youtu.be/6422CReAafo

ロシア語が話せない避難者に支援物資を渡さない(RT =ロシアテレビ:アメリカが禁止したテレビ)
https://youtu.be/d9HQe7ZI_lY

プロパガンダの作り方
https://www.youtube.com/watch?v=-tHsnVEm7mA

ウクライナのネオナチ(本当にロシア系住民と見れば躊躇なく殺す人々です)
https://youtu.be/nyWEai_wlJI

ウクライナでのネオナチ後継者養成
https://twitter.com/konohanasakuyaV/status/1510840014758121473?t=JK4E
dA6bs13BYBPoKM8xhQ&s=09

ウクライナ前線医師のロシア人去勢発言
https://youtu.be/NOQHqZsAbnA

(「2022年5月~6 月ウクライナ戦争論集」から転載)

 

※ウクライナ問題関連の注目サイトのご紹介です。

https://isfweb.org/recommended/page-4879/

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https://isfweb.org/2790-2/

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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