第9回 えっ?滝沢秀明くん、ジャニーズ副社長 辞めたの?でも何故?だか分からない
メディア批評&事件検証次のニュースは大きく扱われている割に肝心の「何故マイナンバーカードなのか?」という疑問に刺さった記事が出てこない。政府は2024年秋までに健康保険証を廃止してマイナンバーカードに一本化する方針だという。
人間である以上年齢に関係なく健康には敏感だ。健康に問題があった時日本では国民皆保健なので大変安心だ。ちょいと脱線するが、アメリカには日本のような公的医療保険制度はない。民間医療保険に入っていればカバーされるが、入ってなくてうっかり救急で病院に運ばれたらえらいことだという話を聞いた。
そこでまた日本に戻るが、政府はその健康保険証を利用して国民の個人情報を真っ裸にしようとしている。
朝日新聞11月3日の政治面にこういう記事が掲載された。3段見出し。
マイナカード「任意」強調
政府 実質義務化 指摘相次ぐ
(記事前文)
「2024年秋に現行の健康保険証を廃止してマイナンバーカードに一本化する政府方針を巡り、野党議員から『カードの義務化ではないか』という指摘が国会で相次いでいる。政府はあくまで今まで通り「任意」だと繰り返し、議論はかみ合っていない」
分かり易く説明すると、政府の方針では、2024年秋に現在の健康保険証を廃止してマイナンバーカードと一本化してしまう。これを野党はカード制の義務化だと主張し政府は「いや任意です」という。つまり政府と野党の言い分は180度違うのだが、これは野党の言うのが正しい。健康保険証を全部マイナンバーカードで登録し、内容もカードの番号でチェックできるのだ。
これは大変なことだよ。
今は健康保険の中身は本人と医療関係本人しか分からない完全な個人情報だ。
それがこの新しい制度では個人情報はダダ漏れになってしまうのだ。
私はこんな制度には反対だ。
今の健康保険制度で私たちには何の問題でもない。
なのに「なぜ?」国はこんなことを導入しようとするのか?
また「何故?」国は「任意」と言う答弁で国民を騙すのか?
この辺りの事情について朝日新聞の記事はこう説明している。
「マイナンバー法ではカードの発行について、『申請に基づき、個人番号カード(マイナーカード)を発行する』と定めている。このため義務化しよう思うと法改正が必要になる。『任意』を強調する政府の苦しい答弁について、デジタル庁関係者は『(事実上の義務化を認めると)大炎上する』と打ち明ける」。
私はこの新しい制度には大反対だ。
そもそも今の健康保険制度で何が問題なの?このままでいいじゃん!!
何故このマイナカード制度を政府は国民の反対を押し切って導入するのか?
疑問だらけだ!!
この番号制度で国民を丸裸にしてしまう。こんな悪法導入の先頭に立つ河野太郎・デジタル省大臣には呆れるは!!
赤旗日曜版を見ていたらドンピシャのコラムがあったので引用しておきたい。
「メディアをよむ」(白神優理子=弁護士)
「マイナ強制に批判噴出」
「岸田政権が、健康保険証を2024年秋に廃止し、マイナンバーカードに統一すると発表。衝撃が広がり、各メディアも大きく報じました。
『朝日』(14日付)は『はSNS上で、【事実上の義務化ではないか】と批判する書き込みも多い。カードの取得はあくまで任意のものだからだ』と指摘、『【国民皆保険制度】を採用する我が国では全国民にマイナンバーカードの取得を強制するのに等しい』とする日弁連会長声明を紹介しました。
『国民不在の強引な普及策』と社説を出したのは『毎日』(同)『日本では、政府に個人情報を握られることへの警戒感が払拭されていない』と批判します。
地方・ブロック紙も一斉に批判。東京新聞社説(15日付)は『法的には任意のカード取得を、生命に関わる保険証を使って事実上、義務化するものだ』『国民の不安を置き去りにして理解を得る努力も怠り、【脅し】にも近い形でカードの普及を図ることは本末転倒も甚だしい』と指摘します。
さらに各紙は『道民疑問の声 高齢者や医療機関に負担』(北海道新聞15日付)、『実質義務化は筋違いだ』(東奥日報15日付)『制度生煮 情報漏洩に不安』(京都新聞15日付)と告発します。愛媛新聞(15日付)は、政府はマイナンバー制度の『利用範囲の大幅な拡大をもくろむ』として『一方的なカード取得の義務化』表明を、制度の意義を改めて考える契機としたい』と書きました。
他方、政府に追随するメディアも。
『日経』(14日付)は『日本の医療の質と効率を高める』と宣伝。『産経』主張は『普及が進まなければ、計画は全て絵に描いた餅となる』などと“圧力”をかけます。
ネット上の反対署名は数日で10万人を超えました。ウソと隠蔽を(いんぺい)を繰り返す政権に大事な情報は任せられない。メディアは国民の声にこたえるべきです(しらが・ゆりこ=弁護士)」
マイナンバーカードのことは結構根が深いんです。皆さんも他人事ではなく自分の体のことや薬のことまで政府に介入される。そんなアホな!!って思うでしょう。
今日は「何故?」と言う言葉に拘ってみました。
えっ?それって「何故??」
(2022年11月7日記)
〇ISF主催公開シンポジウム(11月25日開催)『ウクライナ危機と世界秩序の転換 ~情報操作と二重基準を越えて』の申し込み
※ご支援のお願いのチラシ作成しました。ダウンロードはこちらまで。
1940年3月13日生まれ。福岡県出身。京都大学卒業後、毎日新聞社に入社。大阪本社社会部、東京本社社会部、テヘラン特派員、『サンデー毎日』編集長を経て、同社を退職。1989年より活動の場をテレビに移し、「ザ・スクープ」キャスターやコメンテーターとして活躍。山あり谷ありの取材生活を経て辿りついた肩書は“ニュースの職人”。2005年、大腸がん4期発覚。その後も肺や肝臓への転移が見つかり、4度の手術を受ける。以来、がん患者やその家族を対象とした講演活動を積極的に行っている。2010年よりスポーツジムにも通うなど、新境地を開拓中。