【連載】ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン
ノーモア沖縄戦

メールマガジン第18号:ミサイル配備展示学習会・戦跡等のフィールドワークを 「命を守る闘い」へ繋げよう 

ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会

今まさにロシア軍によるウクライナ侵略が行われウクライナ人民が虫けらのように大殺戮されていく(他国の)戦時状況と、沖縄戦当時のむごたらしい惨状・日本兵による虐殺・強制的集団死・戦場を逃げ惑う婦女子らに思いを重ねて考えています。

戦争というものは数知れない殺人、大虐殺者を正当化し、しかも「戦争の勝利者」は国の英雄となる。このことは未来永劫の国際条理なのか。戦争を起こす・戦争を推進する者・戦争当事国の権力者こそ「殺人者」として裁かれなければならないと思う。

我が国の安倍元総理や現政権の権力者らは、ウクライナの戦時中にその停戦を推し進めるどころか、真逆のことを進めているようにしか思えません。

安倍氏はロシア軍・プーチン大統領のウクライナ軍事侵略をチャンスとみて台湾有事を想定して我が国の抑止力や敵基地攻撃能力を高めるために、米国の核兵器を日本が運用する「核共有」をすべきだと叫んで軍事大国になることをはばかりません。

私たち「ミサイル配備から命を守るうるま市民の会(準備会)」は3月26日(土)、27日(日)を皮切りに4月の第一週、第二週、第三週の土日曜日と連続して与勝地区の4公民館で「ミサイル要塞化の危機・写真展」を開催しました。全参加者は400人余でした。

参観者のアンケートで「米軍基地補強だけでなく、日本軍(自衛隊)もミサイル部隊配備など戦争につながる脅威がここでも増していることを感じます。戦争は基地のある所にやってくる。沖縄戦を体験した方々が残してくれたこの教訓を心に刻み、戦争につながる動きをとめていきましょう」(60代)。「ウクライナの戦争がとても気になりニュースから目が離せません。沖縄に戦争の足音が聞こえます。私たちは子や孫のために頑張る必要があります」(70代)などと64の感想が寄せられました。

私たち主催者は世界人民と連帯し、非戦・反戦平和を掲げ「沖縄を再び戦場にさせない!『ミサイル要塞化の危機・写真展』の開催」を実現できたことは、大きな意義があったと確信しています。

私たち沖縄市平和ガイドネットワークも「写真展」を多くの人に理解してもらうために、「与勝地域戦跡等のフィールドワークと『ミサイル配備要塞化危機』のミニ学習会」を実施し、60人ほどの参加者と共に、21億円予算で2023年度中に建設・配備される地対艦・空ミサイルの現場・陸上自衛隊分屯地周辺を実地調査し、またこの地で沖縄戦で犠牲者となった状況を説明しました。

やはり住民の犠牲は、避難壕の直ぐ上に「日本軍の高射砲」基地があり、軍隊がいたために多くの犠牲者が出たことを考えてもらったこと。さらに学習は、文化財が密集している平敷屋の地に、強制的に土地を接収され、中国・ソ連邦(現ロシア)を仮想敵国とした米国のメースB核ミサイル基地が建設された現場も確認しました。

メースBの格納庫はカマボコ型の発射口が8連横並びの写真が展示され、周辺住民から複数の証言が得られ、そのことを参加者のみなさんに知ってもらいました。証言によると、勝連平敷屋にあったメースB核ミサイル格納庫の設置場所の広さは運動場の2倍ほど、格納庫の深さ、長さは50メートルほどもあったのではないかということです。

金武町中川のメースB基地と見られる。提供=国吉和夫カメラマン(元琉球新報社)

 

写真展会場には核ミサイルメースBの解体撤去の様子を詳しく伝える写真や新聞記事が貼りだされ、身近にあった核の恐ろしさを参観者は知ることができました。

沖縄に配備されたメースB核ミサイルの解体作業。米軍はメースB撤去をマスコミに公開、「核撤去」をアピールしたが、佐藤・ニクソンは「緊急時の沖縄核持ち込み」を密約していた=1969年12月29日、嘉手納基地。提供=国吉和夫カメラマン(元琉球新報社)

 

県内には平敷屋、読谷、金武、恩納の4カ所にメースB基地があり、予備を合わせ36発のメースB核ミサイルが配備されていたと説明にありました。

1959年には米軍那覇飛行場配備の米軍ナイキ・ハーキュリーズ核弾道ミサイルが米軍兵士の誤射で発射され那覇近海に落下した(2017年に新報・タイムス両紙で報道)ことや、読谷村のメースB核ミサイル基地に誤った核攻撃命令が出されたが、現場の判断で回避されたことなどの報道があり、今さらながら背筋が凍る思いがしました。場合によっては那覇、沖縄そのものが消えていたかもしれないのです。

特に私は、米軍の沖縄を含む列島線、アジアへの中距離ミサイル配備計画について認識を深めたことが今回の写真展・学習会の大きな収穫の一つです。米トランプ政権は2019年8月、米ロの中距離核戦力全廃条約(INF条約)を一方的に破棄。その直後の同年9月、琉球新報の新垣毅記者(現報道本部長)はロシア訪問と米ロ関係者の取材で、米軍の核搭載可能な中距離ミサイル配備計画をスクープし、その新聞報道も展示されました。

INF条約破棄で軍拡競争が始まり、商業外交マンと揶揄された前トランプ米大統領は軍産複合体としての米国家の繁栄に「死の商人」ぶりを発揮してしまったのではないでしょうか。

現代社会はまさに核・ミサイル軍拡競争の時代に再度突入しました。いったん戦争が始まれば双方の戦争国は壊滅的犠牲を被ります。台湾有事もそうです。世界の大国間戦争、米日、NATO軍対中(ロ)の核弾頭中距離ミサイル攻撃の戦争になりかねません。去る沖縄戦の比ではありません。日本の政権が台湾有事に参加すれば沖縄は最初の攻撃の目標とされるでしょう。

私たちはいかなるミサイル基地も受け入れてはなりません。県民国民の力で撤去させなければならないとますます頑張る力がでてきました。

沖縄を戦場にさせないためにも与勝住民や全県民が「ノーモア沖縄 命どぅ宝の会」に参加していきましょう。

森根昇 (ミサイル配備から命を守るうるま市民の会(準備会)会員、沖縄市平和ガイドネットワーク代表世話人)

沖縄・勝連に地対艦ミサイル連隊本部 陸自、南西諸島4部隊を指揮 – 琉球新報(2021年9月1日)|沖縄のニュース速報・情報サイト (ryukyushimpo.jp)

(「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン第18号」より転載)

 

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