【特集】新型コロナ&ワクチン問題の真実と背景

「超過死亡」との因果関係は? ワクチン接種の是非を問う

阪本久義

・アメリカで最大の死者数の謎

ワクチン供給国であり、早くからワクチン接種を行なってきたアメリカが、最も多くのコロナによる死者を出しているのをどう解釈すべきなのか。2022年10月25日発表のアメリカ国内の死者数は109万3153人。2位のブラジル(68万7713人)、3位のインド(52万8980人)を抑え、ダントツ世界一のコロナ被害国だ。

A senior man is getting vaccinated in a vaccination center .

 

もちろん、優秀な専門家や官僚なら、ワクチン供給国であるアメリカが、コロナの流行を抑えられない理由だって説明してくれるに違いない。

アメリカ人は、日本人のように律儀にマスクを着けたり手洗いをしない。アメリカ人には肥満が多い。アメリカには国民皆保険制度がないので、医療を受けられない人がいる……。このぐらいなら筆者でも思いつくが、その程度では納得し難いのだ。

やはりワクチン供給国である英国やEU諸国も、死者数は少なくない。逆に医療体制が十分でなかったり、ワクチンが普及していない発展途上国で死者が少ないケースもある。死者数3位のインドも、人口が日本の10倍以上の約13億8000万人だから、人口に占めるコロナ死者数の割合は日本とほとんど違いがない。

一方、アメリカの人口は約3億3000万人で、日本の約1億2500万人の約2.6倍だから、日本でなら約41万人がコロナで死んだことになる。

もっともワクチンについて懐疑的な意見を表明すれば、陰謀論者扱いされかねないのが今の社会状況でもある。ユーチューブ動画に“ワクチン”の単語が入っただけで、動画が削除されることもあるのだ。ワクチン普及を邪魔するワクチン批判はタブー視されている。

反ワクチン論に対する典型的な非難を紹介しよう。

・ワクチン批判はなぜタブー視されるのか

『日本はすでに戦時下にある すべての領域が戦場になる「全領域戦」のリアル』(ワニプラス)の著者である元・陸上自衛隊東部方面総監の渡部悦和氏は、反ワクチンは、中国やロシアの「意図的な偽情報の拡散」だと主張する。

渡部氏は、「新型コロナもワクチンも、増えすぎた人類の数を減らすためのものだ。この背後にビル・ゲイツがいる」「ビル・ゲイツが新型コロナウイルスワクチンと偽ってマイクロチップを埋めこもうとしている」という“陰謀論”を紹介し、「荒唐無稽な主張が一定の影響力をもつ時代が到来したのだ」と解説。ゲイツ氏に対するこうした“陰謀論”を、共和党支持者のアメリカ人の44%が信じ、民主党支持者では19%が信じていると指摘する。

また、欧州連合(EU)の欧州対外行動庁(EEAS)のレポートが、「ロシアと中国のメディアは、西側を分断することを目的に偽情報キャンペーンを行ない、西側の新型コロナワクチンの副作用を強調し、欧米のワクチンは安全ではないと主張している」と紹介。

「日本においても、ワクチンの有効性を否定し、副反応ばかりを強調し、不安を煽るソーシャルメディアやネット上の偽情報が拡散されている。私のSNSにも様々なワクチンに関する偽情報が送付されてくるが、送付者のほとんどは米大統領選挙の偽情報を信じて疑わないトランプ支持者(Jアノン)である。 つまり、多くのJアノンはワクチン陰謀論も信じる人たちである」と、ワクチンを批判する日本人は、Jアノン(「Qアノン」の日本人版)だと決めつけている。

Conspiracy theories, disinformation and secret theory. Newspaper print. Vintage press abstract concept. Retro 3d rendering illustration.

 

なお、ロシアや中国のメディアが、西側のコロナワクチンの副作用を強調するのは、ある意味で当然だった。もともと西側のメディアが、ロシア製や中国製のワクチンには効果がない、と喧伝してきたのだ。

・副反応死は集団免疫の犠牲か

政府がワクチン接種を推進するのは、たとえ副反応があるにしろ、ワクチン接種によって獲得する集団免疫効果の方がより重要と考えるからだ。現状は、マスコミや野党議員の多くも、こうした政府の考えに同調している。

仮にワクチンを打たないと、1000人に1人の割合で重症化するコロナ感染者が、ワクチンを打つことで1万人に1人に減り、一方、1万人に1人の割合で重度の副反応が見られるとする。この仮定なら、統計上ワクチンで重症化しない感染者が、ワクチンの副反応に苦しむ人よりも多いから、国民にワクチンを摂取させた方が社会全体では犠牲が少ないとなる。

とはいえ、ワクチンを打たなくても重症化しない人が、ワクチンを打ったために副反応に苦しむようなケースも考えられる。そうした被害者は、集団免疫獲得という政府の政策の犠牲者なのだから、国が救済しなければならないはずだが、政府は副反応と見られる症状と、ワクチンの因果関係をこれまで頑なに認めようとはしてこなかった。

一方、重症化することが少ない若年層の接種は、国会でも問題となっている。超党派議員連盟「子どもへのワクチン接種とワクチン後遺症を考える超党派議員連盟」(会長・川田龍平参院議員=立憲民主党)が設立され、政府が5~11歳の子どもに対する予防接種法上の「努力義務」規定を9月6日から適用したことに対し、その撤回と、生後6カ月以上4歳以下への接種見送りを求める提言書を、9月21日に厚労大臣に提出。しかし、10月24日に生後6カ月から4歳までの子どもを対象にしたワクチンの自治体への配送が開始された。

Coronavirus vaccination. Covid-19 vaccine. Doctor giving vaccinations to schoolchildren at School to prevent a serious epidemic among schoolchildren. Little boy getting flu shot. Virus prevention.

 

10月20日には、ワクチン接種後に亡くなった人の遺族12人が、「コロナワクチン被害者遺族会」を結成して会見を開いている。これまで沈黙を強いられてきたワクチンによる死者の遺族が、はじめて公に声をあげることになった会見だった。

この遺族会の会見では、ワクチン接種後の死亡事例が、国に報告されただけでも1868件ある一方、救済認定されたのは4人だけだったと訴え、国に対して死亡とワクチンの因果関係を認めるよう集団訴訟を起こすという。

ところで、副反応で多少の犠牲者が出ても、ワクチン接種による集団免疫効果の方が大きいという政府や専門家の考えは正しいのだろうか。

コロナワクチンの副反応は、1回目の接種では現れずに2回目、3回目以降の接種で現れたケースも少なくない。副反応は、ごく限られた人だけに見られる症状ではなく、接種を重ねるたびに、何らかの因子が揃えば、誰にでも起りうるのではないか。

Information about the third dose of corona vaccine.

 

とはいえ、2000人足らずの接種後の死亡事例では、超過死亡が増え続ける説明には不十分かもしれない。そこで注目すべきなのは、ワクチンが、人体の本来の免疫機構を阻害し、ワクチンを打てば打つほど病気に感染しやすくなると考える医療関係者の警告だ。筆者の知人の母親も、免疫が弱まるとウイルスが活動する帯状疱疹を、コロナワクチン接種後に発症している。また、2021年から梅毒やエイズも増加傾向にある。

すでに1億人以上の日本人が2回ワクチンを接種し、3回目も8000万人余、4回目も4000万人が打っている。接種後にコロナ以外の病気で死んでも、個々の死因がワクチンによる免疫力の低下が原因であるという医学的な証明は困難とさせられている。

同世代のワクチン未接種グループとの大規模な比較調査によってしか、因果関係を証明できないのではないか。いわば日本全体が巨大な治験の場になるわけだ。

ファイザーやモデルナの新型コロナワクチンは、mRNA(遺伝子ワクチン)という新技術によって作られ、治験もおざなりで供給されてきた。

とくに日本の場合、いったん巨額の予算が組まれ、それによって利益を得る業界団体と政治家や官僚が結びつくと、国民の健康や幸福など二の次になりかねない。

厚生官僚の天下り先だったミドリ十字(現在の田辺三菱製薬に継承)のために加熱血液製剤の治験を遅らせ、血友病患者をエイズに罹患させた薬害エイズ事件を思い出していただきたい。

すでに3億回分以上のワクチンが使われ、さらに3カ月間隔で追加接種を行なうことに意味があるのか、その得失を客観的に判断しなければならない。

(月刊「紙の爆弾」2022年12月号より)

 

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阪本久義 阪本久義

京都府出身。海外情報専門誌記者を経てフリーランスジャーナリスト。

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