【特集】沖縄PFAS問題とは何か

金武町における米軍基地周辺のPFAS汚染について

照屋正史

そこで、沖縄県が毎年実施している市町村母子保健事業の健康診断において、PFASに関する血中濃度検査を実施する事を提案したい。最も影響が懸念されている母子の健康診査結果を分析することで、PFASと町民の健康との因果関係究明や今後の対応策について検討する事ができるのではないかと考える。

EPA(米環境保護局)によるとPFASは生体蓄積性があり、長期間摂取すると人体への毒性への懸念があると公表している。

Placard on exterior of EPA Building in Washington DC

 

特に母子への健康に影響を及ぼすことが懸念されていることから、PFAS血中濃度から過去の暴露状況を把握し、子ども達の今後の暴露量をいかに抑えていくか、具体的な対策方法を検討することができるであろう。

さらに発達への影響を予測し対応していくためにも、健康診査データーを収集し、国や県、地方自治体等が連携し総力を挙げ、この問題に向き合っていかなければ、将来に禍根を残すことになると思っている。

最後に、大きな問題点は、基地からの汚染の被害者である住民が、健康への不安、子供たちへの影響を危惧する中、当事者である米軍が依然として汚染源であることを認めていないことである。それどころか立ち入り調査さえ認めず、あろうことかPFAS汚染水を薄めて基地外へ放出するなど許しがたい暴挙を続けている。米軍基地内への立ち入り調査は政治の力を必要とする。それを突き動かすことが出来るのは県民の声ではないだろうか。

県民レベルでの懇談会、学習会を通して情報を発信し、声をあげていくことが必要だろう。多くの県民が自分のこととして考え、子供たちの未来を考えていくことが大事だと思う。さらに金武町長および町議会は町民の健康、命を守るために県や国を動かし、この問題の根本的解決に努めてもらいたい。

今後、PFASを「永遠に解決できない汚染物質」にしない為、継続しての努力が行政や市民、双方に求められている。

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照屋正史 照屋正史

沖縄県内の米軍基地に起因するPFASによる環境汚染問題に関心があり、関係する行政機関に対して情報開示請求を行い、入手した情報資料を基にデーター等の時系列比較やグラフ化し、問題点を説明できるよう整理した上で、PFAS問題に関心のある方に情報提供する活動を行っている。また、議員やマスコミ各社にも情報提供し、議会やテレビ報道・新聞掲載などでPFAS問題を取り上げてもらうよう働きかけている。現在65歳、無職、沖縄市在住。

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