【連載】週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!

第14回 【日本人について考える】日本は貧困化しているのか?貧困化がもたらす政治的保守化?/一億総中流となどと自慢げに、誇らしく思ったこともあったけど

鳥越俊太郎

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00190/20221212100000103037
////////////////////////////////////////////////////////////////

週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!
https://foomii.com/00190

////////////////////////////////////////////////////////////////

日本はかつて「総中流」などと自慢し今から見れば高嶺の花だったらしい。

あの頃から何年経ったのかなあ?どうやら私たちが生きている目の前の日本では貧困化が進んでいるようなのだ。

──[ようなのだ]ってちょっと白々しいかなあ?間違いなく「貧困化」は進んでいるようだ。事件などでちょいちょい出てくるドロボーさんはいつも、どんな世にもいるらしいけど、やはり社会全体が貧乏になってくるとね、頻発するよね。

こうした小さなドロボーからドアや金庫破っての大ドロボーまで色々よね。

最近スマホで「日本の貧困率という難しい言葉」に出会ったよ。

──────────

スマホの貧困率のくだりをそのまま掲載しておきます。

「厚生労働省の『2018年国民生活基礎調査』による相対的貧困の基準は世帯年収127万円とされ、相対的貧困率は15.7%に達しています。つまり日本人口の6人に1人、約2000万人が貧困ライン以下での生活を余儀なくされている」。

これによると、2000万人の日本人が年間平均127万円以下で暮らしていることになる。月収は10万5833円だ。家賃も食費も光熱費、交通費などなど全部で月に使える額が10万5833円。

ちょっとどころかえらい少ないね。

これじゃ暮らしていけないよねえ。

でも現実にはこれで暮らしている人が全国に2000万人いるというから、みなさん、驚きませんか?

これが日本の現実、事実。

さらにこれとは別に生活保護世帯という低収入の人たちがいる。

こちらは令和3年1月の被保護者調査で被保護世帯は163万8184世帯。被保護人員数は204万9630人。やはり、多いなぁ。60人に1人だもんなぁ。金額にして3兆3000億円。総額にすると驚くが一人当たりは10万円~13万円だそうだから、これはもう間違いなく貧困層ですね。

この二つのグループの貧困層が統計上はダブっているのかもしれませんが、それを無視してプラスすると日本の貧困人員は約220万人になります。

日本の問題は貧困層が多いというだけでないですね。それなりに富める人もいる訳です。また貧困層年収127万円ラインに限りなく近い人たちも結構いるはずです。

いるはずですが、最近はそこの数が少くなくなり、富める人は思いのほか増えているようです。

ちょっとここで茶々を入れますと、この貧困率が高くなる、つまり貧しい人たちが増えてきて反自民、反政府、反権力の勢力が増えてきたか?というとその逆だねえ!日本の社会は貧困率とともに保守化が進んでるんだよ。

結局、何が起きているかというと、貧富の格差が拡大していることらしい。

昔から、世界中で「貧富の格差」は現状打破、改革の原動力になったものだけど、今の日本はそうではないらしい。

国民の保守化が進み自民党のやりたい放題。統一教会の問題も敵基地攻撃能力の問題も、あ、そうそう、安倍の国葬の時だって知らん顔してたしね。皆さん!

先日岸田首相が突然「防衛費をこの5年間で43兆円」と国民を驚かした。が、これに国民は何の反応もなし。消費税をあげることもあるとか。おいおい、消費税15%ってか????

12月11日の東京新聞が誌面一杯6段使って大社説を展開してましたね。

「格差をなくす処方箋は週のはじめに考える」

新聞には珍しい大論文なので引用は控えますが、一部肝の部分を引用しておくとこうなるのです。

「子どもの未来を育む保育士、高齢者らの世話をする介護士、病人に寄り添う看護師ら、社会貢献の大きさや激務に比べて十分な収入を得られない人が多くいます。格差是正に最も効果がある処方箋は税制の見直しです。富裕層や儲けた大企業への課税を強化する仕組みに変えればいいのです。政府は毎年末、次年度の税制のありかたを決める税制改正大綱を決定します。首相は本気で格差是正をしようとしているのか。来年度の大綱が試金石になります」。

論説(社説)子も最後の言葉でいかにも期待するかのように書いてますが、本心ではそんなことは考えてはいないでしょうね。

これは日本の財務省の発表なので間違いない話ですが、皆さん、今日本の大企業などの内部留保金(つまり、税金を払った後のお金)は2021年、いくらぐらい溜まっていると思いますか?

答え:484兆3000億円

私の一言:あるとこにゃあるじゃん。ここに税金かけりゃあ消費税上げんでもいいのになあ!!

(2022年12月12日)

 

ISF主催トーク茶話会(12月25日):望月衣塑子さんを囲んでのトーク茶話会のご案内

※ご支援のお願いのチラシ作成しました。ダウンロードはこちらまで。

https://isfweb.org/2790-2/

「独立言論フォーラム(ISF)ご支援のお願い」の動画を作成しました!

鳥越俊太郎 鳥越俊太郎

1940年3月13日生まれ。福岡県出身。京都大学卒業後、毎日新聞社に入社。大阪本社社会部、東京本社社会部、テヘラン特派員、『サンデー毎日』編集長を経て、同社を退職。1989年より活動の場をテレビに移し、「ザ・スクープ」キャスターやコメンテーターとして活躍。山あり谷ありの取材生活を経て辿りついた肩書は“ニュースの職人”。2005年、大腸がん4期発覚。その後も肺や肝臓への転移が見つかり、4度の手術を受ける。以来、がん患者やその家族を対象とした講演活動を積極的に行っている。2010年よりスポーツジムにも通うなど、新境地を開拓中。

ご支援ください。

ISFは市民による独立メディアです。広告に頼らずにすべて市民からの寄付金によって運営されています。皆さまからのご支援をよろしくお願いします!

Most Popular

Recommend

Recommend Movie

columnist

執筆者

一覧へ