【連載】週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!

第16回 岸田文雄の正体/安保、原発、防衛費をめぐる??/日本の歴史が変わった。/疑◯貴方が本当に変えたのか?

鳥越俊太郎

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週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!
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先ずはこの新聞の投書から見てほしい。

朝日新聞12月23日(金)の「声」欄。

タイトルはこうだ。
「岸田政権に感じはじめた『戦前』」
無職 鈴村 明子(神奈川県 74)

「NHKのラジオアーカイブスで、生前の内原忠雄氏のインタビューを聴いた。1937(昭和12年)、雑誌などでの国策批判を理由に東京帝大の職を追われた矢内原(忠雄)事件から、強まる学術会議への介入が思い起こされた。学問に対して国家が圧力をかける危険は、太平洋戦争になだれ込んだ歴史が証明している。軍事費の捻出方法がにわかに問題になっているが、そもそも大幅増額の可否が論議されないのはどうしたことか。

『厳しさを増す安全保障環境』といいう言葉に、メディアをも含めて判断停止に陥っているのではないか。かつて『妥協は敗北であり国家衰退の源』という信念が外交の軽視にとなり、戦争終結の機会を失うことにつながった。『反撃能力』と言い換えても他国にミサイルを撃ち込むことに変わりない。結果、狭い国土に暮らす国民の命はどうなるのか。

今こそ外交に注力すべきではないか。宏池会を率いてハト派のイメージがあった岸田文雄首相の政権でこういう事態になるとは予想しなかった。支持率の低下は。期待を裏切られた国民の想いの反映でもあろう。『戦前』がひたひたと足元を洗い始めたような恐ろしさを感じている」

いやー鈴村さん、拍手、拍手!!!今の日本の危なさを僅か31行にこれほどぴたりと込められたのは素晴らしい!!

そのピタピタの一節一節を抜き出してみよう。

「軍事費の捻出方法がにわかに問題になっているが、そもそも大幅増額の可否が議論されないのはどうしたことか」

確かにこの5年間で防衛費を43兆円今の予算の1.5倍に膨張させていいのか?というのは真正面から問い正してもいいテーマだ。

防衛費の額の大きさに驚いた人もいた。

鈴村さんの疑問にドンピシャ答えた人がいたのだ。それはメディアの人間ではない。実は、これにはちょっと驚いたけどね。その道の専門家だよ。

この肩書きだけで仰天だよね。元海上自衛隊自衛艦隊司令官、香田洋二さん(72)だ。

23日の朝日新聞のオピニオンページに顔写真入り6段のインタビュー記事が載っているのを見つけた。見出しは「5年間で43兆円身の丈超えている現場のにおいなし」

もう一つ。「『2%』が先行政治からの声に悪乗りはないか」「私は防衛費が足りないとずっと言ってきた人間です」と断りながら

──では何が問題なのですか、という質問にこういう答えを返している。

「身の丈を超えていると思えてなりません。反撃能力(敵基地攻撃能力)の確保に向けた12式ミサイル(地対艦誘導弾)の改良、マッハ5以上で飛ぶ極超音速ミサイルの開発・量産、次期戦闘機の開発、サイバー部隊2万人、多数の小型人工衛星で情報を集める衛星コンステレーションなど子どもの思いつきかと疑うほどあれもこれもとなっています。全部本当にできるのか、やっていいことなのかその検討結果が見えず、国民への説明も不十分です。絵に描いた餅にならないか心配です」。

──なぜこんなことになっているのでしょうか

「自衛隊の積み上げではないからだと考えます。今回はいきなりGDP比2%という数字があり、砂糖の山が現れた訳です。当時の私だったら、いきなりそんなに増やせと言われても、新たな事業を短期間に出せなかったんじゃないかと思う規模感です」。

香田さんは正直に「5年間で53兆円の予算規模は自衛隊の身の丈を超えていて、現場のにおいもしないという。香田さんはこうも明言している。「今回、2%の掛け声が先行し、政治家からもあれもこれもやるべきだという声も強かったのではないでしょうか。防衛費増額は私もOBとしてありがたいと思いますが、それに悪乗りしている防衛省・自衛隊の姿が見えるのです」。

誰かがGDP比2%という数字を出し、自衛隊・防衛省が悪乗りしている。香田さんはこうはっきりと証言している。

元海上自衛隊自衛艦隊司令官のいうことだ。我々が知らない事実なんだろう。

すると最初に「2%」と言い出したのは誰だ?香田さんは政治家と断言しているが、それってまさか岸田さんじゃないよね?岸田さんはいつも官僚が書いた原稿棒読みの政治家=写真=だから、とてもそんな玉じゃないよね。悪乗りしたのは自衛隊だけじゃないんだ。

最後に香田さんのこの言葉はきちんと伝えておこう。

──防衛費増額そのものに反対する人も少なくありません。

「賛成も、反対もある。それが正常な民主主義社会です。防衛省が世論誘導工作の研究を始めるという一部報道もありました。心理戦や情報戦への対抗手段はあっていいと思いますが、国民の意識を一定方向に持っていくようなことは絶対にやってはいけませんし、戦後生まれの自衛隊がそのようなことを企てることは断じてないはずです。自衛隊が守っているのは民主主義なのですから」

自衛隊が守っている民主主義を自民党の岸田政権は守ってはいない。「敵基地攻撃能力(反撃能力)」という日本および日本人の運命を決めてしまいかねない安保政策を岸田内閣は国会でも選挙でもなく、閣議であっという間に決めた。これは絶対に民主主義社会の手続きではない。

誰だ?誰ーだ?

もう一つ、原発政策の大転換、こちらは朝日新聞が名指しでその「犯人」を明かしている。

23日の朝日新聞2面の記事。

「事故から11年 原発推進へ」「側近に推進派 軸足移した首相」

この見出しの記事。前文はこう書いている。

「岸田文雄首相による『検討』の号令から4ヶ月で、原発政策の大転換は始まった。東京電力福島第一原発事故から11年。歴代政権がタブーとしてきた新規増設にも手をつけた」。

本文中にこうサラリと書いてある。

「岸田首相も昨年10月の政権発足当初、原発政策の転換に『そこまで意欲的ではなかった』(首相周辺)。大転換を主導したのは、首相最側近の政務秘書官を務める嶋田隆氏(62)だ」=写真

https://foimg.com/00190/FHcVAJ

嶋田氏は安倍晋三首相の政務秘書官、今井尚哉氏と経産省の同期入省。今井氏が安倍首相を好きなように操り、国民からは蛇蝎のごとく嫌われたのと同じように嶋田氏も政治観ゼロの岸田首相をいじり倒している。

私たちは分かっている。
原発は福島の事故以来人間の手に負えるものではないことを。

そして岸田さん、あなたは人間にとって決して手にしてはならないものに次々と踏み込みはじめた。
私たちはあなたを今日も明日も許さないだろう。

(2022年12月26日)

 

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鳥越俊太郎 鳥越俊太郎

1940年3月13日生まれ。福岡県出身。京都大学卒業後、毎日新聞社に入社。大阪本社社会部、東京本社社会部、テヘラン特派員、『サンデー毎日』編集長を経て、同社を退職。1989年より活動の場をテレビに移し、「ザ・スクープ」キャスターやコメンテーターとして活躍。山あり谷ありの取材生活を経て辿りついた肩書は“ニュースの職人”。2005年、大腸がん4期発覚。その後も肺や肝臓への転移が見つかり、4度の手術を受ける。以来、がん患者やその家族を対象とした講演活動を積極的に行っている。2010年よりスポーツジムにも通うなど、新境地を開拓中。

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