第22回 少子化対策30年 見えぬ効果(朝日新聞2月4日付け朝刊)/では? フランスはなぜ?成功?/日本はなぜ本気で少子化対策やらぬのか?
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岸田首相がまた拳振り上げて粋がっている。
「異次元の少子化対策」
これまでの各政権の少子化対策とどう違うのか。これまで歴代政権が「少子化対策」を看板に掲げながらなぜ失敗してきたのか?異次元って何だよ??
とぼんやり考えていたら、やはり誰でも考えることは一緒だな・・・・
2月4日の朝日新聞は2面に大きく、少子化問題の特集を紙面化した。
「少子化対策30年 見えぬ効果」
「少子化傾向が今後とも続き、社会経財への影響が一層深刻化しかねない──政府の少子化対策にこう盛り込まれたのは約30年前、以来、数々のプランが名前を変えては打ち出され、子育て家庭向けの国と地方の予算も2020年度に初の10兆円規模になった。だが、この効果は見えない。どうしてなのか」。
この後もう少し朝日新聞の記事を追ってみたい。
「『異次元』とおっしゃるなら、本気でかつてない政策とかつてない規模の財源を投入していただきたい」。
「3日の衆院予算委員会。立憲民主党の井坂信彦氏は政府に迫った。この日の同委の質疑でも、野党が追及を重ねたのは岸田文雄首相が打ち上げた異次元の少子化対策の中身だった。
政府が少子化対策に本腰を入れたのは1990年。前年の合計特殊出生率が過去最低を下回り、『1.57ショック』といわれた。
エンゼルプラン、新エンゼルプラン、子ども・子育て応援プランと立て続けに計画を連発。中身は『0~2歳児保育の充実』『仕事と子育ての両立支援』など、今と同じ内容が並ぶ。
ところが、予算は大幅に増やされず、05年には合計特殊出生率が1.26にまで落ち込んだ。『本気度が足りなかった』。厚生労働省のある幹部は、過去の少子化対策をこう振り返る」
こうした少子化は日本の人口減少にどんな影響を与えているんだろうか?
日本は今坂道を転がり落ちるような激しい人口減少に見舞われている。
人口減少の原因は2つだ。
死亡数の増加
出生数の減少
直近の総務省のデータではこう伝えている。そのまま貼り付けると。
「 総務省は2022年8月9日、「住民基本台帳に基づく人口、人口動態および世帯数(2022年1月1日現在)」を公表した。 日本人の総人口は1億2,322万3,561人で、13年連続で減少。 出生数は、1979年の調査開始以降最少の81万2,036人。2022/08/10」。
実はもう少し直近のデータがあった。
2022年1~10月に生まれた赤ちゃんの数が速報値で前年同期比4.8%減となり、年間出生数の概数が初めて80万人を割り込む見通しであることが20日、厚生労働省の人口動態統計で分かった。 12月まで傾向が変わらなければ77万人台の可能性があり、統計開始以来最少となる。2022/12/20
こちらは文中にある通り厚生労働省の人口動態統計によるもので、年間に子供が生まれた数が統計開始以来初めて77万人台となることが明らかになった。
第一次ベビーブームの年間出生数が270万人や第二次ベビーブーム200万人台はもはや無理としても、2003年(平成15年)の最低値112万人からこの20年間で年間35万人も出生数が減る。このままでは昭和の頃のように今日より明日、明日より明後日。日本の社会が常に前を向いて動いているような、そんな気分にはとてもなれないだろう。
今日本の人口は1億2,500万人ぐらいで、世界ではトップ11番目だ。トップ10に入れていないのは残念だが、もっと残念な予測がある。
我が国の総人口は、今後、長期の人口減少過程に入り、平成38(2026)年に人口1億2,000万人を下回った後も減少を続け、60(2048)年には1億人を割って9,913万人となり、72(2060)年には8,674万人になると推計されている。
2060年には日本の人口が8,600万人??ということは、わずか27年後日本は人口9,000万人を切るのだな。
うちの孫が今13歳だから40歳を迎える日、彼は8,600万人の日本に立っていることになる。
私が知っている過去の日本の人口で調べてみると、興味深い。
1950年(昭和25年)の人口が8,400万人で、5年後の1955年(昭和30年)には8,900万人になっているので、そうか私の中学生時代の日本に帰るんだな。
あの頃は何せ明るい日本だったな。
これからの日本は街の商店も減り、村も消え、ビルや電車も間違いなく減少する。
そういう日本に孫やいやその親だって生きていくんだろう。
そういう縮む日本があっという間にやってくるのは間違いない。だから少子化対策は他人事ではないのだ。でも今すぐ効果を発揮して子供が産まれてきても、税金を払う、一人前の大人になるには、最短でも20年かかるのだから、少子化対策てのは自分のためではなく、子や孫の生きる社会を考えた上での話なんだ。
1940年3月13日生まれ。福岡県出身。京都大学卒業後、毎日新聞社に入社。大阪本社社会部、東京本社社会部、テヘラン特派員、『サンデー毎日』編集長を経て、同社を退職。1989年より活動の場をテレビに移し、「ザ・スクープ」キャスターやコメンテーターとして活躍。山あり谷ありの取材生活を経て辿りついた肩書は“ニュースの職人”。2005年、大腸がん4期発覚。その後も肺や肝臓への転移が見つかり、4度の手術を受ける。以来、がん患者やその家族を対象とした講演活動を積極的に行っている。2010年よりスポーツジムにも通うなど、新境地を開拓中。