インドは終息へ、日本は世界最多の感染国に、明暗を分けたのは?
社会・経済〇こぼれ話/ピースボートの説明会に出席
11月19日、金沢市文化ホールで開かれた「ピースボート」(Peace Boat、国際交流目的の日本のNGOが企画する世界1周の船舶旅行で、1983年の設立当初はアジア中心だったが、1990年以降地球1周の船旅を繰り返し行っている)の説明会に出かけた。
8月に資料を取り寄せ、クルーズ船によるいくつもの世界1周ルートを確認、スペイン・バルセロナに寄港するルートにわくわくしていたのだが、9月の説明会の開催場所は金沢駅前と、徒歩で行くには少し遠かったので、断念していた。
が、2カ月後にまた説明会の通知が来て、歩いて行ける金沢市繁華街・香林坊で催されるというので、コロナ下のクルーズについて詳細を知りたかったため、あまり期待せずに出かけた。
3階の会議室には、10人にも満たない参加者がばらばらに座っていた。説明が始まって、映写機が回り、2025年8月の世界1周ルートの寄港地のひとつ・バルセロナの未完の世界遺産、サグラダファミリア大聖堂(1882年着工)が突然、映し出された。
アントニオ・ガウディ(Antoni Gaudi i Cornet、1852-1926)が設計した、写真などで見慣れたゴシック式の高く尖った塔がいくつも天空を突き上げるようにそびえる壮麗な外観に胸が高鳴った。
係員の説明によると、2026年完成を目指す同聖堂の尖塔は現在9基、最終的には18基になる予定とか。何故かふっと11本のゾロ目になったら、行こうと思った。
2025年8月の、「パシフィツクワールド号」(7万7441トン、全11フロア+デッキ3層、乗客定員2419人)によるアイスランドのオーロラ洋上観察がハイライトのコースには一番惹かれたが、いくら今予約すれば、安くなるからと言って、3年先の話なんてわからない(パスポートも切れてる)。
かといって、年相応に慎重派の私には、コロナ現況下、来年はまだ時期尚早に思える。船内で感染者が出た場合や、寄港地のコロナ政策いかんで、観光制限されるかもしれないと思うと、二の足を踏んでしまう。
109日間と長い船旅のため、値段も早割りでも125万円(相部屋のエコノミー、最大45%割引は12月28日まで)、チップ(28万円)や海外保険(15万円)、オプショナルツアー費(2万円から3万円×20寄港地数)も含めると、200万円近くは見ておいた方がよさそうだ。
クルーズツアーには憧れるし、船に乗ってしまえば、各地に自動的に運んでくれ、重い荷物なしに観光できるし、なんといっても楽ちん、海が好きな私には船上タイム、海上の朝日や夕日、船内の様々なレクリエーションも楽しみだ。
コロナがなかったら、大幅割引になるこの機を逃さず、予約するんだがなぁ。しかし、マンツーマンで質疑応答に答えてくれる若い女性社員(学生時代にピースボートを体験、素晴らしかったと口を極めて絶賛)と仲良くなって話が弾み、最後には世界地図のお土産までもらってホクホク、楽しかった。
帰宅して地図を広げると、1番上に「Peace Boat Voyages Since 1983」とカーブしたデザインタイトルがあって、南大西洋に1番大きな古代帆掛け船とシーラカンスのイラスト、北太平洋にさらに3艘の小型帆船、北大西洋に小シーラカンスと、まるで宝探しの地図のよう、縁起のいい宝船でいざ新天地へ漕ぎ出す、黄金郷を夢見て・・・ワクワクした。日本を見て、インドをはるか過ぎて、西の涯(はて)・イベリア半島に目を馳せ、結構距離があるなぁと再確認、でも、素敵なワールドマップに心が踊った。
後日、YouTubeの動画ニュースで(11月14日付)、オーストラリアのクルーズ船(マジェスティック・プリンセス)で乗客4600人中800人もの感染者(無症状か軽症で自船室で隔離)が出たと知って(12日に入港したシドニーで感染者は下船、船はメルボルンからタスマニアへ航海続行)、いっぺんに目が覚めた。やはり現段階では、船内感染者を0に抑え込むのは不可能に等しい。後日、東京・高田馬場本社から、勧誘の営業電話がかかってきたが、辞退するしかなかった(1周忌レポート後編は次回に掲載予定)。
(「インド発コロナ観戦記」は、92回から「インドからの帰国記」にしています。インドに在住する作家で「ホテル・ラブ&ライフ」を経営しているモハンティ三智江さんが現地の新型コロナウイルスの実情について書いてきましたが、92回からインドからの「脱出記」と日本での「生活記」で随時、掲載します。
モハンティ三智江さんは福井県福井市生まれ、1987年にインドに移住し、翌1988年に現地男性(2019年秋に病死)と結婚、その後ホテルをオープン、文筆業との二足のわらじで、著書に「お気をつけてよい旅を!」(双葉社)、「インド人には、ご用心!」(三五館)などを刊行しており、コロナウイルスには感染していません。また、息子はラッパーとしては、インドを代表するスターです。
2022年12月8日現在、世界の感染者数は6億4700万9915人、死亡者数が664万6278人、回復者は未公表。インドは感染者数が4467万5413人、死亡者数が53万647人、回復者が未公表で、アメリカに次いで2位になっています。
ちなみにアメリカの感染者数は9923万740人、死亡者数が108万3362人(回復者は未公表)、日本は感染者数が2557万3125人、死亡者数が1万0139人、回復者が51万2728人(ダイヤモンド・プリンセス号を含む)。インドの州別の最新の数字の把握が難しく、著者の原稿のままを載せています。編集注は筆者と関係ありません)。
※この記事は「モハンティ三智江のインド発コロナ観戦記」(2022年12月16日)からの転載です。
原文はコチラ→インドは終息へ、日本は世界最多の感染国に、明暗を分けたのは?(115)
〇ISF主催トーク茶話会③(2022年2月26日):鳥越俊太郎さんを囲んでのトーク茶話会のご案内
※コロナ&ワクチン問題関連の注目サイトのご紹介です。
https://isfweb.org/recommended/page-2168/
※ISF会員登録およびご支援のお願いのチラシ作成しました。ダウンロードはこちらまで。
作家・エッセイスト、俳人。1987年インド移住、現地男性と結婚後ホテルオープン、文筆業の傍ら宿経営。著書には「お気をつけてよい旅を!」、「車の荒木鬼」、「インド人にはご用心!」、「涅槃ホテル」等。