【連載】横田一の直撃取材レポート
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第20回 札幌市・秋元克広市長記者会見、次期札幌市長選出馬(2022年12月21日)

横田一

――先ほどの(北海道新聞の)質問で「反対が賛成を上回った場合はそのまま進めることはしない」というふうに仰いましたが、裏返していえば、「見直して市民の意見を反映して進める」というふうに聞こえるのですが(市長うなづく)、何としても招致中止はしたくないというのが市長の基本的考え方と理解していいのでしょうか。何か自民党や建設業者からそれ(五輪招致)を撤回すると応援してもらえないという密約でもあるのではないかと疑いたくなるのですが、市長の基本的な考え方をお伺いします。

 

秋元市長:

オリンピック・パラリンピックの招致に関して、札幌市や北海道にとってプラスになるという思いで進めてきております。この進めてきた中でもこれまでも二度にわたって市民の意向調査、議会の議論を踏まえて現時点に来ているわけです。

ですから当初から市民の意向を無視して進めているということではなくて、市民の多くの皆さんがオリンピック・パラリンピック招致をしましょうということに理解を示して進んできているということです。

ここに来て、いろいろ情勢が変わって来ていますので、改めて、ベースとしては基本的な考え方は変わらないとして、改めて今のいろいろな問題についての改革案などを示していかなければ、理解が得られないのではないかというふうに考えて先般のようなプロセスを踏むという考えを示しました。

ですから、そこで先日も「民意を尊重します」と申し上げたのは、多くの方が賛成ということであれば、今まで通り進めることになるでしょうし、仮に、今の時点で仮の話をするのは好ましくないかも知れませんが、強いていえば、反対が上回った場合は今までの状況だと前に進んでいけないのではないかという私の政治信条として、そう申し上げたということです。

 

――「市民党」を掲げているのであれば、反対が上回れば、則、開催中止というのが筋だと思うのですが、いまお話になった「市の意向調査」自体が恣意的で報道機関の調査に比べて賛成が多いと。これは市長が指示をして賛成が多くなるような設問にしたのか、電通から接待を受けた幹部・関係者がそういうふうにしたのか分かりませんが、これまで通りの市の意向調査だと民意が正確に反映されないと。住民投票の方がよりクリアだと思うのですが、なぜ市の意向調査が報道機関とギャップがあるのか。住民投票に切り替えるのかどうか、2点についてお伺いしたいのですが。

 

秋元市長:

ちょっと失礼な聞かれ方だと思いますが、まったく今指摘されたようなことはありません。それは敢えて申し上げさせていただきますが、今までも公平性を保った調査の仕方をしてきた形でありますが、賛成の方も反対の方もいずれも例えば、自分の意思が表明できるような事柄も含めて意向を確認する必要があるのではないかと現時点では思っています。

で、その手法について改めて、例えば、第三者、あるいは専門家の意見をいただきながら調査のやり方、手法などについても検討していきたい。

できるだけ招致のプロセスも、透明性といいますか、客観性を持った形にしていかないと、いま質問にあったように「何か恣意的にやっているのではないか」と思われることは心外でありますので、そのプロセスについてもしっかり議論をしていきたいと思っています。

ーー「心外」と仰いましたが、結果がそうなっているので。報道機関よりも賛成が多くなって明らかに市の意向調査というのは歪んでいない、正確に民意を反映していない方法を実施していることを物語っていると思うのですが、その原因も調査せずに、“前科一犯”の札幌市の意向調査は全然市民に受け入れられないのではないですか。信憑性があるとは捉えられないのではないですか。

 

秋元市長:

いろいろなサンプル数とか手法にいろいろ違いがあります。私どもは、文書で出したものへの回答と、インターネット回答とでやはり数字が違います。そういった手法のやり方を違いが、同じ市がやっても違う。

数字に違いが出てきたりしていますので、どういったものが客観性があって皆様に理解が得れらるのかというような事柄についても、そのやり方についても専門家の方の意見をいただきながら、そういう不信を抱かれないような形を取り込んでいきたいと思います。

――最後に、不信をいただかれないようにするには、住民投票が一番クリアで「自民党や建設業界から応援を受けるために五輪招致の旗を降ろさないのだ」という疑惑・疑問を払しょくするには住民投票が一番いいと思うのですが、住民投票で意向を確認すると明言なさらないのでしょうか。

秋元市長:

先日も申し上げましたが、住民投票という方法を含めて、いろいろな客観性を持った調査をしていく必要がある。どういう年齢に問うのがいいのか。先ほど私も申し上げましたが、子供たちの意見も取り入れていく必要があろうかと思います。

7年後、8年後にちょうど大人になる子供たちがどう考えているのか。こういったことを含めて調査をどういうふうにしていくのか。あるいは、一番客観性を持ったことなのかということについて、ご指摘の点も含めて検討していきたい。

 

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横田一 横田一

1957年山口県生まれ。選挙取材に定評をもつ。著書に『亡国の首相安倍晋三』(七つ森書館)他。最新刊『岸田政権の正体』(緑風出版)。

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