【連載】ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン
ノーモア沖縄戦

メールマガジン第43号:琉球弧の悲劇―基地化を止めぬ日米政府―

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何でもかんでも沖縄に強いるのか。この前の沖縄戦では、天皇国体護持が戦後も可能なように長野県松代の拠点化を目指し、拠点建設完成を見届けてから終戦を承諾するという時間稼ぎが必要であった。その為に沖縄での戦闘を長びかせた。

圧倒的兵器を所持する軍事大国米軍を小島沖縄にとどめ置かせ、逃げ場のない一般民を盾にしたことで日増しに戦死者を増やした。沖縄の人命損失やむなし、戦闘継続こそお国を守る為に大事と、政府方針を敷いたことを反省した言葉は無い。

終戦直後は日本国憲法を設け、民主化が始まる気配があったが、たちまち「逆コース」に向かった。日本は連合国と講和条約を結び、沖縄を切り離した上で独立した。

米は朝鮮戦争の最中であり、講和条約の他に日米安保条約を国会論議も経ずに吉田茂のみの調印で成立させた。後の国会追及をかわしながら安保は定着した。安保が朝鮮戦争中にしかも米軍人が書いた条文であること、内実は朝鮮戦争協力体制の維持であること、しかも今も朝鮮戦争事態、休戦で終結していないこと、それにより現在も米軍は日本には戦争協力体制としての安保使用を求めているのである。

戦後、反共主義体制の中に日本を取り込み、その最前線に韓国、台湾、そして日本から離した沖縄を置いたのであって、沖縄が本土「復帰」しようが米軍直接統治であろうが関係なく、沖縄を軍事の場として利用する意志を米軍は捨てていない。

その証拠に、今、沖縄に米軍基地の過重負担を強いながら辺野古新基地建設を強要し、更に強力な軍事要塞化でもって琉球弧全体に襲いかかろうとしている。琉球弧の軍事利用作戦が示された。新たな米軍戦略構想は遠征前方基地作戦(EABO)といい「日米共同作戦計画」原案が示されている。

安倍政権下で進めてきた自衛隊の先島配備は、「台湾有事」を煽り、ミサイル部隊として沖縄島既存自衛隊も含めて米軍と連携していく。基地(米軍・自衛隊)があろうが無かろうか構わずに米軍が「臨時」拠点を設け、水補給可能な有人の約40島が「臨時」戦場になる。

戦闘は島を移動して行うが攻撃あれば反撃されるのは当然だ。「臨時」決定の戦場は軍事機密だから住民保護計画が立てられるはずがない。沖縄戦以上に民の無駄死をもたらす。「日米共同作戦計画」を止め、ミサイル配備は直ちに停止し、平和外交に舵を切らないと沖縄は消滅する。

文責:宮城恵美子(ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会・発起人)

※本稿は沖縄タイムス、2022年7月27日の論壇を転載しました。

(「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン第43号」より転載)

 

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