【連載】週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!

第25回 マスク反発四つの理由(米国)(朝日新聞)

鳥越俊太郎

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週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!
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今週、私の元に届けられた様々なニュースを見ていて気になると言うか面白いのを1項目取り上げてみた。

やっぱりマスクの話から入るのが読者からすると入りやすいかなと思う。

3月13日(あ、私の誕生日ね!83歳)、日本の政府はこれまでに度々次の様にマスク問題について述べている。

医師、専門家などが推奨する場合を除き、マスク着脱については個人の判断に委ねる(任せる)。

そうなると、どうなるのか?

今では道路上も屋内もほぼほぼ100%

マスクマスクマスクーーーーーーマスク

日本では今はコロナの感染者数も減っているが人々の口にはしっかりとマスクがへばり付いている。これを見ていると日本では半永久的にマスクは街角からは消ないのではないかと思ってしまう。

新聞、テレビの世論調査では着用を続けたいが過半数を占める調べもある。かと思うと外したい人が多数派の調査もある。

本当のところはやってみないと分らないのだろう。

ま、やっぱり同調圧力の強い日本だからまだダラダラとマスク姿で道路を歩むおっさんや奥さん。わたしはでっせ、難聴気味の私の耳はマスク越しには人の声が聞こえない、まあ、イライラしまんねん。早うマスク外して欲しいわ(さっきまで日本統一なるやくざ映画見てましたのでここだけ何か関西弁になってまして、すみません)。

アメリカ生活に詳しい東京女子大学長森本あんり氏が22日の毎日新聞朝刊でこのマスクに大きく触れられている。

一部引用させてもらおう。

「アメリカではマスク着用を巡る分断がありましたが、反発する理由は大きく4つあります。

一つ目は、表現者にとってのマイナスです。口を隠すとよく話せない。アメリカでは自己表現が大事にされるので、マスクにいろいろ書いたりするでしょう。マスクをした時ですらメッセージなんです。

二つ目は、差別の問題です。差別に敏感な土壌ではマスクの強制が難しい。例えば日本では『高齢者はマスクをしろ』と言っても不思議に思いません。でもアメリカでは年齢差別になります。『女性はマスクしろ』と言うのと同じで、特定の人を特徴付けて強制することになります。

三つ目はジェンダー問題です。(前大統領の)トランプさんが『マスクは女々しい』とよく言ってました。マスクをして罹患を避けるのは男らしくないと受け止められるのです。

四つ目は、個人の権利です。独立宣言にも『生命、自由、及び幸福の追求』が『不可侵の権利』として歌われている。マスクをしろと言うのは個人の自由の制約です。だからそういう命令をするバイデン大統領は全体主義だと非難される。マスクをするとしても、自分で決めてするならいいけど、政府に言われた途端に拒否反応が起きるのです。

日本は逆にお上が言ってくださいという土壌です。同調圧力があるので、マスクを外すにも、みんなの目が怖いから政府が全国一律に言ってほしいと」、

森本先生に言葉を返す様で申し訳ないけど、日本人はお上の言うことに弱いところがありますが、今回のマスク問題では、お上が(政府が)「個人の判断に委ねます」といっても、つまりマスクはもうそろそろ外していいかもね?と言ってるにも関わらず日本人の5、60%いや70%近くの人々が「いやいや私はマスクはこのまま続けたいです」というでしょうね。お上というより「マスク信仰」ですね。

最後にこの森本先生へのインタビューの後に「個人の決断 尊重する社会に」と言う記事を書いている毎日新聞社の長野宏美記者の記事の一部を引用させてもらいます。

「日本は5月に感染症法の位置付けが5類に引き下げられ、アメリカも国家非常事態宣言を解除する方針です。パンデミックは終わっていませんが、この先どうなっていくか。自分で自分のことを決める能力が求められる時代になると思います。コロナが落ち着いた後、日本人のマスク好きが残る。それならそれでいいのですが、擦るかしないかは自分の決断で、それを尊重する社会になってほしい」。

マスクの話はこのくらいにしますが、長野記者の最後の言葉が実現するかどうか。実は甚だ心もとない状況にある、それが残念ながらの日本のようです。

(2023年2月27日)

 

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鳥越俊太郎 鳥越俊太郎

1940年3月13日生まれ。福岡県出身。京都大学卒業後、毎日新聞社に入社。大阪本社社会部、東京本社社会部、テヘラン特派員、『サンデー毎日』編集長を経て、同社を退職。1989年より活動の場をテレビに移し、「ザ・スクープ」キャスターやコメンテーターとして活躍。山あり谷ありの取材生活を経て辿りついた肩書は“ニュースの職人”。2005年、大腸がん4期発覚。その後も肺や肝臓への転移が見つかり、4度の手術を受ける。以来、がん患者やその家族を対象とした講演活動を積極的に行っている。2010年よりスポーツジムにも通うなど、新境地を開拓中。

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