【連載】横田一の直撃取材レポート

〝差別思想〞の背景に旧統一教会の:岸田文雄首相を操る〝安倍背後霊政権〞

横田一

統一地方選で「ヤシノミ作戦」

 安倍元首相銃撃事件で自民党と統一教会のズブズブの関係が知れ渡った今、ヤシノミ作戦が広がる可能性は十分にある。国政選挙は最大で3年近くないものの、地方議員や自治体トップを決める統一地方選が4月に迫っている。

 古い家族観を持つ〝統一教会応援議員〟は、国会議員だけでなく地方議員にもいる。国会議員の実働部隊となる地方議員を落選させれば、来るべき国政選挙で同性婚法制化や選択的夫婦別姓導入に反対する国会議員を減らすことにつながる。

 しかも〝統一教会応援議員〟が最も多い安倍派を見てもわかるように、安保3文書(防衛費倍増や敵基地攻撃能力保有)や原発回帰にも賛成している国会議員が相対的に多い。いずれも安倍元首相の〝負の遺産〟で、岸田政権(首相)が引継いでいる主要政策でもある。ヤシノミ作戦は、〝安倍背後霊内閣〟の暴走にストップをかける有力な手段になりうるのだ。軍拡反対や脱原発を訴える人たちの結集につながる要素を併せ持っているともいえる。

 高市大臣が世論喚起を頼んだ日本会議や井上議員を支援した統一教会はパワフルな選挙支援を展開、安倍派が最大派閥であることに貢献してきたが、そんな議員を落とそうとする、真逆の国民的運動が始まっていたのだ。

 統一地方選では「北海道知事選(4月9日投開票)」が与野党対決の構図となった。「紙の爆弾」3月号で紹介した山梨県知事選では立憲民主党が自主投票となり、軍拡反対も訴えた野党系候補が自公支援の現職に大敗したが、北海道では立民の池田真紀・前衆院議員が出馬を表明、現職の鈴木直道知事との実質的な一騎打ちになるのが確実視されている。

 そこで、2月4日の出馬会見で「岸田政権が安保3文書で防衛費倍増・増税を打ち出しているが、北海道から怒りの声を上げて、(鈴木道政の審判と)あわせて争点にする考えはあるのか」と聞くと、池田予定候補はこう答えた。

「北海道から道民とともに声を上げる。(地方)自治の確立は民主主義の第一歩ですから、元気がなくなってしまったところをパワーアップできるような道政を目指したいと思う。(防衛増税よりも生活関連予算かとの問いに)もちろん全てに関して『みんなで声を上げていいのだ』というメッセージを、私も代弁者の一人になりながら進めていきたいと考えている」

〝安倍背後霊内閣〟こと岸田政権の暴走が激しさを増すなか、それに「ノー」を突きつけようとする北海道知事選が事実上スタート。〝草の根落選運動〟といえるヤシノミ作戦も動き出そうとしている。

(月刊「紙の爆弾」2023年4月号より)

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –

「ISF主催トーク茶話会:羽場久美子さんを囲んでのトーク茶話会」のご案内

「ISF主催公開シンポジウム:加速する憲法改正の動きと立憲主義の危機~緊急事態条項の狙いは何か」のご案内

※ISF会員登録およびご支援のお願いのチラシ作成しました。ダウンロードはこちらまで。
ISF会員登録のご案内

「独立言論フォーラム(ISF)ご支援のお願い」の動画を作成しました!

 

1 2 3
横田一 横田一

1957年山口県生まれ。選挙取材に定評をもつ。著書に『亡国の首相安倍晋三』(七つ森書館)他。最新刊『岸田政権の正体』(緑風出版)。

ご支援ください。

ISFは市民による独立メディアです。広告に頼らずにすべて市民からの寄付金によって運営されています。皆さまからのご支援をよろしくお願いします!

Most Popular

Recommend

Recommend Movie

columnist

執筆者

一覧へ