Jアラートが鳴った、人々は地下に逃げ込んだ/で、で、Jアラートは何か?/「全国瞬時警報システム」だそうだ/何か意味はあったのか?
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今週もこの鷲の絵を冒頭に載せます。
私の孫が10歳の時ヒョイヒョイと書き上げた物です。自分の年齢から孫の成人式は見られないと思うじじいの孫を思う気持ちの1片です。
Jアラートが鳴った、人々は地下に逃げ込んだ
で、で、Jアラートは何か?
「全国瞬時警報システム」だそうだ
何か意味はあったのか?
https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/h29/assets_c/2019/02/s10-01zu-9046.html
Jアラートって何かピンときてない人は13日の朝のテレビを見て何か思いませんでしたでしょうかね?
あの黒地の画面に切り替わった様子は只事ではない、何か恐ろしいことが起きつつある印象を与えた。いやそんな人ごとのような印象ではなく、私はテレビで何が起きたかわからずちょっと狼狽えていたのを覚えている。
アナウンサーが繰り返し
「Jアラートが出ました」「Jアラートが出ました」
と繰り返していたので、
「ええっ??どうしたん??」
と繰り返して呟いていた。
これまでもこの「Jアラート」という単語は何度か聴いているので、その言葉に反応した訳ではない。
私があの日の朝、少し驚かされたのはテレビの尋常さ加減だった。それもNHKだけというわけではなく、民放もどこも画面が黒字に置き換わったのだ。
黒地の画面て普段あまりお馴染みがなく異様である。黒色=なんか不吉な予感。
そう思ってたね、なになに、何が起きた?
テレビはその後黒地映像は2度と出さなかったが、翌日4月14日の新聞にはその様子が記載されている。
毎日新聞はこう記載した。
「北朝鮮ミサイルでJアラート」
「『北海道周辺』20分後訂正」
「『空振り』覚悟 精度に課題」
これは間違いではないが、結果論だけを書いているにすぎない。Jアラート騒ぎの本当の姿を伝えていない。
朝日新聞は1面で
「北朝鮮、ICBM級発射」
「防衛省『当初、北海道に落下可能性』」
「Jアラート発出後 修正通知」
「岸田文雄首相は大阪市内で記者団に対し『国際社会全体に対する挑発をエスカレートさせるもので、断じて容認できない』と非難。日本政府は北京ルートを通じ、北朝鮮に厳重に抗議した」
これだけ読むと完全に結果論なので何が起きたかはよく分からない。朝日新聞。
は2面でも詳しくこの Jアラート騒ぎを追っている。
2面トップ記事は
「探知後『領土に着弾も』」
「北朝鮮ミサイル、レーダーから消失」
「Jアラート『空振り』再び」
記事の冒頭はこう始まる。
「我々としては当初、北海道に落下する可能性のあるミサイルを探知した」防衛省の吉田圭秀・統合幕僚長は13日の記者会見で、こう述べた。松野博一官房長官も13日午後の記者会見で日本の領域に落下する可能性があったことに言及した。
次のこのくだりがこのニュースの中では一番大事なところだが、ここではさらっと書いてあるので見落としそうだ。
「仮に、当初の予測通り、日本の領土や領海に落下した場合、『武力攻撃事態』に当たるのか。防衛省幹部は『ミサイルの領域の落下だけをもって判断するのは難しい。北朝鮮の行動などを慎重に、総合的にみる必要がある』と指摘する」
政治家やメディアはミサイル落下だけでいきりたちそうだが、やはり実戦部隊を抱える防衛省は慎重だ。紙面にはこうもある。
「急きょ開催された自民党国防部会などの合同会議では『北朝鮮が本当に北海道を狙ったのか』などの慎重な分析を求める声も上がった」
ここに上げられている北朝鮮が狙っているのはどこか?狙っているというより「深く意識しているのはどこか?」という問題意識が肝心なのだと思う。
つまり北朝鮮問題を考える時、あの核兵器まで持とうとする北朝鮮の本当の狙いは何なのか?ここをちゃんと詰めて考えておくかどうかが一番大事な視点である。
仮に戦闘になってアメリカの出先基地or国々(日本やグアム、韓国など)が傷ついてもアメリカにとっては基本的には何の問題もない。この段階ではアメリカが真剣に北朝鮮に向き合う気がない。これを北朝鮮は『朝鮮戦争』以来身に染みて理解しているはずだ。
北朝鮮が必死になって開発しているのは日本の沖縄・米軍基地などがターゲットではない。
日本を超えてハワイを超えてアメリカ本土に届く能力を持った長距離核ミサイルを持って初めて、北朝鮮はアメリカに対等な敵国として認めてもらえることをわかっている。
この認識があるかどうかが北朝鮮問題を考える上でのツボですね。
もう一度言うが、北朝鮮にとって誤ってアメリカに向け試験中のミサイルが日本領土に落下する可能性は勿論ゼロではない。その時のためにJアラートを設置しておくのは意味ゼロとは言わないが、それほど大騒ぎするほどの問題ではない。
防衛省や自民党国防部会の専門家たちは北朝鮮にとってはアメリカが大事と言う構図を承知しているからだろう。
何にも頭にはない空っぽ総理、岸田文雄くんはこう答えるしかないのだろう。
「国民の安全を最優先する観点から発出した。Jアラートの役割を考えたならば今回の判断は適切だったと考えている」
いいですか?もう一度ここで強調しておきますが、北朝鮮の真の望みは「金王朝の1日も長い存続。日本や韓国とチャンバラやって金王朝に傷がついたら大問題。アメリカ本土に届く射程距離1万キロ以上のICBM(大陸間弾道弾)を開発、核兵器を搭載する能力を持って初めて北朝鮮はアメリカと対等の関係で朝鮮戦争にけじめを着けられる。彼らは必ず、そう思い込んでいるはずだ。
最後に日頃から自民党政府や政治から脅されている北海道道民は今回はJアラートが鳴り響いた分戸惑いがあったようだ。
交通や教育、漁業などの現場で影響があった。
一番影響を及ぼしたのはテレビの放送現場。朝日新聞14日付け社会面にはこう言う記事が出ている。
「NHKや民放各局は、午前8時前に通常の放送を中断して、Jアラートの画面に切り替えた。
各局とも『国民保護に関する情報』『北海道周辺に落下するものとみられます』などと書かれた黒地の画面に切り替え避難を呼びかけたが、テレビ朝日は『弾頭ミサイル 北海道に落下か』とする字幕を映し、アナウンサーも『北海道に落下したということです』と発言。その後、情報を修正する一幕もあった。
同局は朝日新聞の取材に『【北海道に落下か】と言う疑問形でテロップを流しました。それをアナウンサーが【落下したという情報が入っています】とコメントしてしまいましたが、即座に番組内で修正しています』と回答している。
NHKは地上波、BS、ラジオの番組をそれぞれ中断し、ネットでも同時配信した」
Jアラートね!?
北朝鮮は一体どう言う国なのか?
本当にミサイルが日本に打ち込まれる日が来るのかね?
変な噂や情報に流されないように気をつけましょうね!!!
(2023/04/17)記
鳥越 俊太郎
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1940年3月13日生まれ。福岡県出身。京都大学卒業後、毎日新聞社に入社。大阪本社社会部、東京本社社会部、テヘラン特派員、『サンデー毎日』編集長を経て、同社を退職。1989年より活動の場をテレビに移し、「ザ・スクープ」キャスターやコメンテーターとして活躍。山あり谷ありの取材生活を経て辿りついた肩書は“ニュースの職人”。2005年、大腸がん4期発覚。その後も肺や肝臓への転移が見つかり、4度の手術を受ける。以来、がん患者やその家族を対象とした講演活動を積極的に行っている。2010年よりスポーツジムにも通うなど、新境地を開拓中。