メールマガジン第58号:「自衛隊の南西シフトの始動と態勢」
ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会メルマガ琉球・沖縄通信今週の南西諸島軍事強化トピック(9月12日~18日)
◇玉城氏 再選(沖縄タイムス 2022.9.12)
◇移設は「国の方針」 自民選対委員長 辺野古推進を強調(琉球新報 2022.9.12)
◇政府「辺野古唯一」を堅持(沖縄タイムス 2022.9.12)
◇戦闘機20機超で日米大規模訓練(沖縄タイムス 20229.14)
◇米、日本反撃能力を支持 日米防衛相会談 中国対抗で共同研究(琉球新報 2022.9.16)
◇日米、新基地推進を確認 防衛相会談 中国ミサイル非難(沖縄タイムス 2022.9.16)
沖縄県知事選挙は「辺野古新基地反対」を掲げる玉城デニー氏が再選。玉城氏は約34万票を獲得。自公候補者と保守系候補者の2人の得票を合わせた票数(約32万4千票)を上回った。琉球新報が見出しに記した「新基地反対 民意」があらためて確認された。特に知事選で初めて「辺野古容認」を打ち出した佐喜眞敦氏に、県民が明確に「ノー」のを突き付けた意義は大きい。「辺野古容認」が岸田政権の意向であることは疑いを入れない。来年度の沖縄振興予算を330億円余も減額、予算を握る政権の力で県民を組み伏そうとした目論みは崩れた。佐喜眞氏が当選すれば県政は辺野古基地推進に転換し、国との訴訟を取り下げ、民意は踏みにじられたであろう。
再選された玉城知事は「民意は1ミリもぶれていない」と辺野古新基地建設阻止を表明。これに対し政府は十年一日のごとく「辺野古が唯一」に固執している。県民投票、知事選で繰り返し示される民意に耳を傾けない日本の政治、地方自治、民主主義が問われている。中国、台湾に近い沖縄は、戦後米国の「中国封じ込め」戦略の要地、日米安保の要石に置かれ続ける。日々の共同通信配信記事、本土紙に「台湾有事で沖縄が戦場となる可能性は高い」などと書かれている。沖縄県民の犠牲を当然視する日本の安全保障とは何なのか。県民の命は日本の国益に入っていないのか。国益の議論なき防衛強化論が横行するメディアの論調に不信感を拭えない。
台湾有事を想定する日米訓練、政府防衛予算の大幅増に突き進んでいる。日米防衛相が会談、浜田靖一防衛相は中国への「敵基地攻撃能力(反撃能力)」を選択肢に、台湾有事を視野に「防衛力の抜本強化」「防衛費の大幅増」を確約し、オースティン米国防長官は満足の意を述べた。防衛予算は長射程ミサイルの1500発超の南西諸島配備をにらむ。それを前提に、日米防衛相が「敵基地攻撃能力」保有を確認したことは、沖縄列島の中国へのミサイル攻撃基地化を宣言したのに等しい。
県知事選挙は「辺野古新基地」が争点とされ、地元新聞紙面で台湾有事、沖縄が戦争に巻き込まれる懸念、防衛強化かミサイル基地反対かーの論議は乏しかった。本土紙、特に地元2紙は、日本が戦争をする国に舵を切り、沖縄がその犠牲になろうとしている戦争の危機に焦点を充てた紙面づくりを考えるべきだ。
◇論壇 次の沖縄戦にノーの声を 台湾有事向け戦争準備(沖縄タイムス 2022.9.15)
◇声 「要塞化の島 有事には地獄に(沖縄タイムス 2022.9.15)
◇金口木舌(琉球新報 2022.9.15)
◇論壇 沖縄全体がミサイル列島に 戦争準備ノーの声上げよう (琉球新報 2022.9.17)
ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会は9月25日(日)、宜野湾市民会館で台湾有事の「日米共同作戦計画」をスクープした石井暁共同通信専任編集委員を招き、地元2氏の記者も交え「日米共同作戦の正体~県民・メディアはどう闘うか」を議論する。地元2紙に問題提起し、参加を呼びかける論壇が掲載された。両紙には迫り来る「次の沖縄戦」を憂える読者の声、論壇の投稿が連日、載っている。「先島地域への自衛隊配備が進めば沖縄全体が軍事要塞化し、有事となればまた地獄を見ることだろう」(沖縄タイムス46歳)。県民は皮膚感覚で危険を感じ取っている。ただし「先島地域」だけの問題ではない。陸自ミサイル部隊のうるま市配備は来年度に迫っている。沖縄タイムス9月7日「大弦小弦」、10年前の東京都による尖閣購入計画で当時の石原慎太郎都知事は「中国との軍事衝突もやむを得ない」と強硬論を唱えた。「やむを得ない戦争なんてあるはずがない」(福元大輔)。戦争の選択肢はあり得ない。当たり前のことを堂々と主張する権利が沖縄県民にはある。
9月25日シンポジウムはオンラインで視聴できる。下記URL、QRコードをご利用ください。
◇先島に避難シェルター 政府検討 有事を想定 石垣市など複数候補地(沖縄タイムス 2022.9.16)
◇住民の安全確保課題 シェルター検討 中国進出で防衛強化(沖縄タイムス 2022.9.16)
◇住民「攻撃リスク現実に」 シェルター検討 石垣市長は歓迎 (沖縄タイムス 2022.9.16)
◇シェルター検討を歓迎 石垣市長 「万が一の想定必要」(琉球新報 2022.9.17)
◇知事「状況を注視」 (琉球新報 2022.9.17)
◇社説 先島にシェルター まずは国会で議論せよ (沖縄タイムス 2022.9.17)
◇社説 先島に避難シェルター 全く話にならない計画だ(琉球新報 2022.9.17)
「先島に避難シェルター 有事を想定」報道に県民は生々しい恐怖を抱いている。「ミサイルが飛んでくるようでは手遅れ」。先島だけでなく「米軍基地が集中する本島中部も標的になる」「犠牲になるのは住民」(琉球新報社説)。有事になれば県民の被災は免れない。沖縄戦の比ではないだろう。復帰前、沖縄に配備された米軍メースB核ミサイル基地は2200キロの射程で北京、上海、武漢、重慶等を射程に収め、中国の核攻撃に耐えてさらに核で反撃するため強固なシェルターに覆われていた(『沖縄と核』新潮社、NHKディレクター松岡哲平)。同書によると米軍は「旧ソ連など敵の侵攻に備え、核兵器を含む沖縄本島を含む防衛作戦計画を立てていた」。「米軍が反撃能力を失った場合は、敵の進撃、占拠、利用を阻むため、自ら核攻撃を加える島内の主要な軍事拠点のリストも添えられた」(1998年8月2日沖縄タイムス)。つまり「基地が敵の手に落ちるぐらいなら、海兵隊は核兵器で自らの基地を破壊する」(同書)計画だった。
戦争は非情だ。戦争をするのが軍隊の任務であり住民の命でなく戦争に専心するのが軍隊の論理だ。住民避難、保護計画、避難シェルターのおためごかしに騙されてはいけない。
ノーモア沖縄戦の会は9月21日、県庁前広場で「避難シェルターいらない! ミサイル基地いらない!」緊急集会を開く。陸自ミサイル部隊の配備が迫るうるま市の方々も駆け付ける。
9月12日(月)http://nomore-okinawasen.org/2762/
◇論壇 「非武装」こそ島の生命線 豊かな沖縄への道(沖縄タイムス 2022.9.12)
◇論壇 自己決定権の今 沖縄のこと 沖縄が決める(琉球新報 2022.9.12)
◇玉城氏 再選(沖縄タイムス 2022.9.12)
◇移設は「国の方針」 自民選対委員長 辺野古推進を強調(琉球新報 2022.9.12)
◇政府「辺野古唯一」を堅持(沖縄タイムス 2022.9.12)
◇体制維持に核先制使用 北朝鮮が法令採択(琉球新報 2022..9.12)
9月13日(火)http://nomore-okinawasen.org/2777/
◇「沖縄に矛盾が集約」 土地規制法 都内で勉強会(琉球新報 2022.9.13)
◇社説 尖閣国有化10年 緊張緩和への道筋探れ(琉球新報 2022.9.13)
9月14日(水)http://nomore-okinawasen.org/2792/
◇戦闘機20機超で日米大規模訓練(沖縄タイムス 20229.14)
◇寄稿 ペロシ米下院議長 訪台 本田義彦氏(在台ジャーナリスト)歓迎と慎重 世論割れる(沖縄タイムス 2022.9.14)
◇「馬鹿」「中国の属国選んだ」 知事選結果に沖縄ヘイト(琉球新報 2022.9.14)
9月15日(木)http://nomore-okinawasen.org/2804/
◇論壇 次の沖縄戦にノーの声を 台湾有事向け戦争準備(沖縄タイムス 2022.9.15)
◇声 「要塞化の島 有事には地獄に(沖縄タイムス 2022.9.15)
◇金口木舌(琉球新報 2022.9.15)
9月16日(金)http://nomore-okinawasen.org/2821/
◇先島に避難シェルター 政府検討 有事を想定 石垣市など複数候補地(沖縄タイムス 2022.9.16)
◇住民の安全確保課題 シェルター検討 中国進出で防衛強化(沖縄タイムス 2022.9.16)
◇住民「攻撃リスク現実に」 シェルター検討 石垣市長は歓迎 (沖縄タイムス 2022.9.16)
◇米、日本反撃能力を支持 日米防衛相会談 中国対抗で共同研究(琉球新報 2022.9.16)
◇ミサイル避難 訓練を再開へ 北朝鮮想定 与那国など(沖縄タイムス 2022.9.16)
◇日米、新基地推進を確認 防衛相会談 中国ミサイル非難(沖縄タイムス 2022.9.16)
◇魯迅と恩師藤野 日中交流で脚光 国交正常化50周年で(沖縄タイムス 2022.9.16)
9月17日(土)http://nomore-okinawasen.org/2838/
◇論壇 沖縄全体がミサイル列島に 戦争準備ノーの声上げよう (琉球新報 2022.9.17)
◇土地規制法20日 全面施行 閣議決定 政府、早期に区域指定(沖縄タイムス 2022.9.17)
◇県民多くが私権制限 監視、尾行の可能性も 土地規制法 全面施行へ 基地集中、影響広範に 識者談話 仲松正人弁護士 区域指定 自治体意見が鍵(琉球新報 2022.9.17)
◇シェルター検討を歓迎 石垣市長 「万が一の想定必要」(琉球新報 2022.9.17)
◇知事「状況を注視」 (琉球新報 2022.9.17)
◇社説 先島にシェルター まずは国会で議論せよ (沖縄タイムス 2022.9.17)
◇社説 先島に避難シェルター 全く話にならない計画だ(琉球新報 2022.9.17)
◇防衛費増額分に、国債 政府 法人、たばこ増税を視野 (琉球新報 2022.9.17)
9月18日(日)http://nomore-okinawasen.org/2854/
◇日中関係改善 努力を 正常化50年、識者ら交流(琉球新報 2022.9.18)
◇中国ミサイル「漁業に影響」 国頭村議会が決議 (琉球新報 2022.9.18)
新垣邦雄(ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 発起人)
(「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン第58号」より転載)
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「ノーモア沖縄戦の会」は「沖縄の島々がふたたび戦場になることに反対する」一点で結集する県民運動の会です。県民の命、未来の子どもたちの命を守る思いに保守や革新の立場の違いはありません。政治信条や政党支持の垣根を越えて県民の幅広い結集を呼び掛けます。