田中一郎「いちろうちゃんのブログ」2023年4月18日 (火) 

田中一郎

田中一郎「いちろうちゃんのブログ」2023年4月18日 (火)  http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2023/04/post-375e5c.html

「市民連合」安全保障政策の考え方への根本的批判:「世直し」市民代表を装い、日米安保体制を追認しながら、立民右派や国民民主などの岸田軍拡政権補完勢力とハーモナイズを図る中途半端な態度=反戦平和運動に混乱をもたらすだけだ

前略,田中一郎です。

(最初に若干のことです)
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1.(予約必要)(6.8)オルタナティブな日本をめざして(第86回):「教育基本法改悪と日本の教育:子どものための教育からお国のための教育へ」(前川喜平さん:新ちょぼゼミ)(2023年6月8日)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2023/04/post-3d44ee.html

(予約の受付窓口)
*たんぽぽ舎(水道橋):TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797
https://www.tanpoposya.com/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9/
(上記にお電話していただき「受付番号」をもらってください)

2.キャンペーン

(1)#最低賃金1500円 をすぐに実現してください! · Change.org
https://bit.ly/3A96zrm

(関連)お知らせ「非正規賃上げは最賃引き上げで対応」!?非正規労働者の賃上げ実施状況に関する調査· Change.org
https://bit.ly/40dMHhB

(2)外国人を奴隷化する技能実習制度の廃止を求めます!· Change.org
https://bit.ly/41BbHk3

(関連)お知らせ· 技能実習制度の「廃止」に向けて国もついに動きはじめました· Change.org
https://bit.ly/3olaeQe

(3)署名活動についてのお知らせ · 緊急Twitterデモ&国会前座り込み(4月18日火10時スタート) · Change.org
https://bit.ly/3mEKmyp

(関連)#保険証廃止やめて !税金の無駄使い資格確認書発行は必要ありません。マイナンバーカードの強制で差別・不平等を押し付けないでください · Change.org
https://bit.ly/3MMlRKe

<マイナンバー法等の一部改正法案の概要>
①利用範囲の社会保障・税・災害対策の3分野以外への拡大
②マイナンバーの利用及び情報連携に係る規定の見直し
③マイナンバーカードと健康保険証の一体化
*健康保険証廃止に向けた「資格確認書」の新設
④マイナンバーカードの普及・利用促進
⑤戸籍等の記載事項への「氏名の振り仮名」の追加
⑥公金受取口座の登録促進(行政機関等経由登録の特例制度の創設)
*口座登録への不同意を表明しないと自動的に登録される

3.女性蔑視のゲス不倫エロおやじ=黒岩祐治には神奈川県知事をやめていただきましょう
神奈川県の有権者のみなさま、この運動を是非進めてください。こんな奴、許せますか? 返す刀で黒岩祐治を県知事に推薦して選挙戦を展開していた自民党・公明党・国民民主党にも公開質問状を出してみたらいかがですか? 県議会でも問題にして辞任に追い込むべきです。このままでは日本の、神奈川の、世界へ向けた「恥さらし」ですよ。

◆エロメールとAVプレーの神奈川県黒岩知事 4選果たすもいつまでもつ? チャットGPTに聞いた|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geinox/321624

(関連)エロメールとAVプレーの神奈川県黒岩知事 4選果たすもいつまでもつ? チャットGPTに聞いた|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geinox/321624

(関連)黒岩祐治氏を待つ“イバラ道”…知事自ら「女性活躍社会」美辞麗句も総スカンの可能性|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/321353

(関連)黒岩祐治氏が神奈川知事選で圧勝も“アワビ不倫”でイメージ崩壊!女性ドン引きの前途多難|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/321351

(関連)黒岩祐治知事が愛人女性におねだりした料理「アワビとバナナ」「桃とキュウリ」は存在するの?|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/321178

4.イベント情報

(1)#入管法改悪反対アクション 国会前シットイン(4月14日〜)
https://migrants.jp/news/event/20230414.html

(2)(チラシ)(4.29)第19回水俣病記念講演会チラシ (NXPowerLite Copy)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhHxmpYymV7nTsLms?e=8AGaUq

(3)(チラシ)(5.2)上映「沖縄、再び戦場へ」(三上智恵監督最新作)&西浦昭英氏講演(練馬)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhH0t9Q9FCWIJgN8x?e=Euuv0C

(4)(5.5)落合栄一郎氏講演 再度決定「放射能がなぜ危険なのか考えましょう!」(港区)
https://fukusima-sokai.blogspot.com/2023/04/202352.html

(5)(5.14)井戸謙一弁護士講演会:「311子ども甲状腺がん裁判」が問いかけること(ZOOM)
http://blog1.korasse-kanagawa.org/

5.(別添PDFファイル)大江健三郎さんを追悼する:日本国憲法の精神を生き抜いた文学者(小森陽一『世界 2023.5』)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhH4GYCDc-olFRILG?e=Xb3wBj

6.現職と俳優兄が対決 北海道函館市長選―統一選・話題の選挙:時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023041600179&g=pol

(俳優兄とは「鎌倉殿」(NHK大河ドラマ)の兄のこと。そんなことはどうでもいいが、一体全体、大間原発建設差止裁判(東京地裁)のことはどうなっているのか? 争点になっているのか? このマスゴミ報道は肝心なことを伝えていない。:田中一郎)

(関連)特報!電源開発、大間原発の地震動計算で断層の深さを誤入力原子力規制庁「極めて重大な事案」週刊金曜日オンライン
https://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2023/04/05/news-133/

7.くだらな~い政治・政局の話
言うておきますが、こんなゴミクズカス連中を選挙で選んでいるのは(棄権も含めて)、みなさま有権者・国民です。

(1)選挙が終われば軍拡一直線 今度の衆参補選は「歴史の暗転」の分岐点|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/321440

(2)【衆院山口4区補選】自民“アベシンジ候補”遠い圧勝 昭恵夫人発言に林派カンカンでヤル気なし|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/321603

(3)【千葉5区補選】麻生太郎氏また舌禍…自民新人候補の足を引っ張る“選挙区私物化”暴言|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/321552

(4)高市早苗氏を強気にさせる“ネット応援団″ 党本部にケンカ腰で奈良県知事選敗北の恨み節|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/321436

(5)勢いづく維新…“次点”高市大臣と“本命”小池都知事「W女帝引き抜き」のトンデモ情報|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/321501

(6)狙われる自民・甘利明氏…維新が神奈川県議選でも躍進、次期衆院選で「新20区」に候補擁立|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/321372

(7)統一教会問題、避けて通れない「性・カネ・恨」 宗教社会学者が30年研究で明かす実像(弁護士ドットコムニュース) – Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/ba3c586a7685d82df291e2defe868352ffec99e3
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「「市民連合」安全保障政策の考え方への根本的批判:「世直し」市民代表を装い、日米安保体制を追認しながら、立民右派や国民民主などの岸田軍拡政権補完勢力とハーモナイズを図る中途半端な態度=反戦平和運動に混乱をもたらすだけだ」をお送りいたします。最初にちょっとだけ寄り道します=日本の司法・裁判所が魚と同じように「頭から腐っている」という話です。

◆海渡雄一弁護士「株主代表訴訟の地裁判決で、我々は東電や国の責任を否定する、被害を否定する、きわめて悪辣な工作と戦う決定的に重要な武器を手にしたと言える!」〜3.10 集会「控訴審も勝利へ! 東電株主代表訴訟」 – IWJ Independent We
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514652

(一部抜粋)
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(中略)そして、多数意見を構成した3人の裁判官は、みんな大手の法律事務所に関連している。菅野博之裁判長はもともと生え抜きの裁判官ですけど、彼はこの事件が終わった直後に、長島・大野・常松法律事務所というところに顧問として入っているんです。長島・大野っていうのは、東電の株主代表訴訟の補助参加人・東京電力の代理人の事務所です。去年の最高裁の判決の裁判長は、あの判決を手土産にして、株主代表訴訟で東京電力の代理人をやっている事務所に天下ったわけですよ。それを許していいのかなと、僕は思っているのです。
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1.(報告)4.14セミナー:軍拡と弱者切り捨ての経済政策を問う(ゲノム問題検討会議)
https://www.gnomeke06.net/

(関連)(レジメ)大軍拡・経済安保と科学・技術の軍事動員(井原總:ゲノム問題検討会議 2023.4.14) https://ada686a5-64c9-46eb-b0dc-bc67490fed36.usrfiles.com/ugd/ada686_3b57f05f8c454c969f8091ccaa0088a5.pdf

(関連)(当日録画)20230414 UPLAN 軍拡と弱者切り捨ての経済政策を問う – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=XiuGuKWSRbc&t=11s

(約59分30秒あたりから私が2つの質問をし、更に1つの意見を申し上げました。大事なことだと思いますので再度、簡単に書き出しますと、井原總氏の講演の中でも出てきましたが、政府が軍学共同を進める際の中核組織となる「協議会」に大学発のベンチャー企業がワンサと関わってきそうな雰囲気になっているようだけれど、これは新たな形での「産学共同」でもある。こういう大学発のベンチャー企業は、水面下で陰に隠れて、いわゆる軍事産業・企業とコワークしたり、部分的な下請けや役割分担なども平気でやりそうで、新たな形で日本経済の軍事化の一翼を担っていくのではないかと推察される(ワンクッション軍学共同)。しかし、今日の日本のアカデミズム=大学や大学教授や日本学術会議などは、「軍学共同」に対しては比較的厳しい姿勢はとるけれども、「産学共同」については「当たり前」という感覚でいるのがほとんどではないか。

だとすると、この大学発のベンチャーを接点とする「産学共同」が、そのまま「軍学共同」につながっていき、実質的にはアカデミズムが軍事色に染まっていくことになりかねない。そもそも、大学紛争時にあれだけ「産学共同」が問題とされていたのに、今日ではそれが「当たり前」とは、あまりに情けない話である。古いタイプの「産学共同」ならぬ利益利権優先型「産学癒着」(例:薬品メーカーからカネをもらって、その効能や副作用についてウソを言う)も根絶されていない中で、新たに「大学発ベンチャー」経由の隠れ「軍学共同」&「産学共同」が台頭してくるのではないか。

日本学術会議をはじめ日本の各大学・アカデミズムも、この大学発ベンチャーの新しい形での「産学共同」に対して厳しい目を向けるべきであると思われる。今日の若手の大学教授・教員たちには、研究費がもらえたら何でもやります、のような、無節操でずる賢い人間も少なくないので、アカデミズムの矜持を保つ意味でも毅然とした対応をすべきであると私は思う:田中一郎)

2.「市民連合」安全保障政策の考え方への根本的批判

◆(別添PDFファイル)現況における安全保障政策についての市民連合の基本的な考え方(案)(2023年4月)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhH-MddZjg1TWqiI6?e=SQuLGY

(関連)市民連合
https://shiminrengo.com/

 <田中一郎コメント>
上記の「現況における安全保障政策についての市民連合の基本的な考え方(案)」なるものが私宛Eメールで送られてきた。「市民連合」のHPにはそれらしきものは無く、また、ネット検索をしても同文書はヒットしなかったので、これはまだ「市民連合」として組織決定されたわけではなさそうだが、これまでの「市民連合」の言動から鑑みて、ここに書かれているような方針を取ることも今後十分に考えられるため、私から若干のコメントを申し上げておきたい。

結論だけを先に簡単に書けば、メールの表題の通りで、「世直し」市民代表を装い、現状の日米安保体制を追認しながら、立民右派や国民民主などの岸田軍拡政権補完勢力とハーモナイズを図る中途半端な態度が目立つ、リベラルを自称する市民団体のそのような態度は危機の時代にあっては、今後の反戦平和運動に混乱と分裂をもたらすだけだ、ということだ。この文章では、武力防衛・武装抑止・敵国牽制の考え方と緊張緩和・平和共存・外交努力の、2つの相対立する考え方が混合・交錯し、かつ、安全保障における日米関係=現在の日米安保条約体制を丸ごと肯定する内容になっており、平和構築の戦略としては中途半端な主張に後退している。従ってまた、読み進めると前半部分と後半部分とが別々の人間によって書かれたものではないかとも思えてくるのだ。

しかしこれでは、軍拡競争を否定しながらも、アメリカ主導の国際情勢が優先され、結果的には軍拡競争に引きずられていく、そんな「対米従属型いやいやながらの軍事国家」に陥っていく危険性が高いのではないか。平和を求める市民団体は、日本国憲法を高く掲げ、武力や武力による威嚇(抑止力とも言う)での解決を避け、アメリカとの関係正常化を念頭に置きつつ、もっと背筋をまっすぐに断固たる徹底平和主義の方針を採用していくべきである。(以下、文章で問題のある個所を具体的に指摘しながらコメントを進めます)

(1)戦争を放棄していない態度

<問題のある箇所>
P2:「日本が戦争をするとしたら、憲法の制約上、それは本来自国の国民や領域を守る時だけに限られている。」
P3:「日本が戦争を行うレッドラインが何なのか誰にもわからず、それでは抑止は効きようがない。」
P3:「自国と相手国との相互の軍事行動の予見可能性を高める外交努力もせず、レッドラインの共有による安心供与を伴わないような軍事力の強化だけでは、抑止は高まらない。」

日本国憲法は国の交戦権を認めていない。また、原発・核燃料サイクル施設を狭い日本列島に並べて戦争はできない(侵略戦争も自衛戦争も区別ない・区別などできない・自衛戦争と言えどもできない=戦争をやれば自滅する)。更にまた日本は、食料自給率38%の島国であり、貨物船が止まればたちまち飢餓状態に陥る(腹が減ってはイクサはできぬ)し、人口の大半が東京・大阪・名古屋などの大都市に集中して居住している。こんな国だから、武力による国際紛争解決などあり得ない、という前提で安全保障を考えるべきである。「戦争をするとしたら」とか「レッドライン」などという言葉自体が「寝言」のたぐいである。

(2)日米安保条約を肯定した議論を展開

<問題のある箇所>
P1:「すでに憲法と日米同盟のバランスが完全に崩れている」
P2:「日米同盟の破棄や自衛隊の解散を求めているのではない。」
P2:「個別的自衛権に限る「専守防衛」に戻し、日米安保条約とのバランスを回復させ」
P4:「日米安保条約は、日本を条約地域に設定し、日本に対する攻撃があった際に、日本が個別的自衛権、米国が集団的自衛権を発動し、日米の共同軍事行動によって日本を守る同盟協定であり」
P5:「日本が、日米同盟と自衛隊を憲法によって制御する安全保障政策の自己決定力を回復することこそが、日本の安全保障を強化」

日米安保条約を「日米同盟」などと言い換えていること自体が誤りだ。日米安保条約は、アメリカが日本の永久占領国として、日本をアメリカの世界的な軍事戦略に使用するためのものであり、日本を守るための条約などではない。表面上はともかく、その実質的内容は、日本が対米従属・隷従する片務的なものであり、その具体的なことは日米地位協定や日米合同委員会で決められ、また、数多くの「密約」により担保されている。いわば日本列島はアメリカの支配する不沈空母として利用されるのである。そんなものを日本を守る条約だなどとして位置づけ、アメリカの虎の威を借りて中共中国や北朝鮮やロシアに対して脅しをかけ、それを抑止力だなどとしていることは、平和を求める市民団体としては笑止千万である。

また、日米安保条約の対米従属性を反映してか、「憲法と日米同盟のバランス」とか、「日米同盟と自衛隊を憲法によって制御する安全保障政策」などと言っているが、「バランス」も「制御」もあり得ない話である。日本が独立国家なら、国際条約である安保条約は日本国憲法の下に置かれ、憲法の定める範囲内でのみ有効なのであって、その逆ではない。しかし、安保条約に基づいた日米による極東の安全保障体制の運営では、明らかに憲法と条約の関係が逆転しており、一体化した米軍・自衛隊の思うがままの行動が優先され、アメリカの指揮命令ないしは意向忖度の下で事が進んでいる状態にある。これを解消し、独立国家としての主権をアメリカに対して取り戻すことが、日本を平和国家へと成長・進化させる必要不可欠なプロセスであり、日本の平和戦略の今現在のキモである。

ところで、「市民連合」のこうした態度の背景には、日本の多くの有権者・国民が、自国の近現代史の詳細を知らず、知ろうともせず、情緒的に政府やアメリカの言うがままを受け容れているという今日の世相がある。いわゆる「思考停止」「平和ボケ」の「お花畑」である。当面は時間や手間ヒマがかかるかもしれないが、日米安保条約の様々な危険性や不合理、非対等・不平等性、抑圧性や犯罪性などを、広く有権者・国民に具体的な事例を示しながら訴えていくしかない。この労を惜しんで、さしあたりのお粗末な世論とやらに迎合するから、今回のような見解が生まれてくる。(例:在日米軍と自衛隊の一体化が危険な水準にある、自衛隊の指揮権が密約でアメリカに引き渡されている、新安保条約にある「事前協議」もまた「密約」により形骸化されている等々)

(3)日米安保条約の解消へ向けた発想がない

上記で申し上げたことの繰り返しのようになるが、日本の平和や安全保障を考える場合には、対米隷属に這いつくばり続ける日本の政治を転換して、真の意味での主権と独立を確たるものにする、言い換えれば、アメリカを日本の宗主国としてではなく、友好国の1つとして位置づけ、対等平等の立場で関係を創っていくべきだということである。

具体的には、大言壮語を振り回すのではなく、まずは日米地位協定を独伊並みに改定すること、日米合同委員会という異常な委員会を再編して原則公開の委員会に切り替えること、過去に締結した密約は全て無効であることを宣言し、必要ならば改めて協議する旨を表明すること、在日米軍の駐留経費もまた独伊並みの負担割合とすること、沖縄の基地負担を大幅に軽減し辺野古基地建設は中止すること、南西諸島への軍備拡充をやめること、などが、当面の課題である。こうすることで、台湾や朝鮮半島で米国主導の戦争に巻き込まれることなく、アジアで平和に貢献する国家としてのステイタスを獲得して行けることになるだろうということだ。主体性のある国として、日米安保条約の抜本的改正(日米安保体制の解消)、ないしは廃止、こそが平和への道である。

(4)武力抑止力(威嚇のこと)信仰から脱却できていない

<問題のある箇所>
P2:「戦争を未然に防ぐ抑止効果を期待するのであれば」
P4:「日米を合わせた中国やロシア、北朝鮮に対する抑止の優位は明白であり、日本に対する攻撃が差し迫っていると考える理由はない。」
P4:「中国や北朝鮮などに対する抑止強化」

抑止力とは武力による威嚇・恫喝のことであり、それは日本国憲法第9条がいみじくも禁止していることである。ましてや軍事国家であり、世界中に戦争のタネをまいている戦争国家のアメリカと組んで、気に入らない国に対して「武力による威嚇」「恫喝」を仕掛けるなどということは許されない。明確な日本国憲法違反だ。しかも、中共中国やロシアのような超大国に向かって、日本が如何にハリネズミのように武装してみたところで、そんなものは「抑止力」(脅し)にはならないだろう。東アジア・極東地域で「抑止力」信仰を振りまわしていること自体が幼稚であり(「攻めてきたらどうする」論と表裏一体)、「お花畑」的戦争観であり、国際緊張を生み出す原因でもあって、百害あって一利なしである。武力で平和は守れない・築けない、のである。

(関連)日本国憲法 第9条第1項
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

(5)専守防衛は口先だけか

<問題のある箇所>
P3:「「継戦能力」の向上や有事の国民生活の防衛や避難民の退避策」
P4:「日本を守るための自衛隊のニーズに基づいたもの」

この論文は、個別的自衛権に基づき、攻撃を受けた場合にだけ防衛をするという「専守防衛」の考え方に基づいている。にもかかわらず、岸田文雄軍拡政権が、言葉遊びで言い換えを使いながら進める「敵基地攻撃能力」に対する批判が事実上ない。「敵基地攻撃能力」を容認するという泉健太立憲民主党や国民民主党への「思いやり予算」なのか? また、自衛隊で進む危険なまでの在日米軍との一体化の解消や、必要のない海外軍事基地であるジブチ基地の撤収、あるいは米軍に付き添っての自衛隊の海外派兵の禁止法制化など、今日の日本の安全保障防衛政策の転換のためには避けて通れない「専守防衛」の課題についても言及がない。
つまり、「専守防衛」は、内実の伴わない口先だけなのか? 「市民連合」もまた「口先やるやる詐欺」に転落か?

(6)戦争法廃止はどうした

戦争法廃止にも言及がない。直近の衆参両院選挙では、「市民連合」は野党共闘の統一政策として「アベ戦争法制のうち、違憲部分だけを削除する」などという日和見ナンセンスの公約を掲げていた。そんなことをすれば、何がどこが違憲なのかを巡って小田原評定になるのは目に見えていて、その結果、結局は戦争法は手つかずで残ってしまう。アベ戦争法は一旦廃止にして(その他の戦争法関連法も含めて)、必要ならば改めて法制化の検討をすればいい。戦争法制反対の旗を掲げて登場した「市民連合」が、その戦争法制廃棄を放棄するなどは自己矛盾である。

これからの日本は、「武力で平和は守れない」をモットーに、独立・中立・全方位平和外交を目指すべきだ、核兵器禁止条約加盟、和平イニシアティブの随時発揮、東アジア新安保体制枠組の構築などなど、もっと新たな発想で、平和構築へ向けた新戦略をどうして打ち出そうとしないのか!?

(7)泉健太立憲民主党右派や国民民主党とのハーモナイズを優先

こうした政治政局の話を仔細に申し上げなくてもいいだろう。結局はこの「市民連合」という組織は、初心を忘れて時々の政治情勢に流され、選挙で勝つことだけを至上命題にして、何でもかんでも寄せ集めることに専念し、何をどのように「世直し」せねばならぬかを真剣に考えないままに、中途半端で日和見の方針を打ち出して、「世直し」勢力を混乱させている。「選挙の時だけお祭り騒ぎ」「選挙が終わればお任せ民主主義」の一種の亜種ではないのか?

具体的には、泉健太立憲民主党右派や国民民主党とハーモナイズを優先し、御用組合「連合」との関係を重視し、自公・維新政治で苦しむ多くの一般市民を後回しにし、そして、日本の戦争国家化・経済の軍事化を止められないままに、時間だけを無駄にする「2度目の愚かな政権交代=無能政権」を目指すことになる。

こうしたことは、仮に政権を獲得できたとしても、その政権がやることは、また再びの「口先やるやる詐欺」政策であり、せいぜいが「似非チョイ改革」か、愚かなる「市場原理主義アホダラ教」政策にとどまることになるだろう。それは再度、広範な有権者・国民にリベラル勢力への幻滅と失望をもたらし、そのあとには、政権交代前よりも一層グロテスクでひどい反動政権を生み出してしまうことにつながっていく(ちょうど、民主民進党政権の「口先やるやる詐欺」がアベ長期政権を生み出したように)。

(8)「市民連合」というネーミングを返上せよ

「世直し」市民の代表でもないのに、代表であるかのような装いはやめていただきたい。そもそもこの組織は閉鎖的で、一般の市民がこの組織の会合に自由に参加できる訳ではない。熟議をするためのメーリングリストもないし、意見交換を広く実施しているわけでもなく、どちらかと言えば狭量で、近視眼的で、日和見的な一部の人間たちが集まって、時々の選挙公約や協定書原案、宣言や声明を出しているに過ぎない、そしてその中身は、往々にしてお粗末である。「市民連合」は、その組織ネーミングを返上せよ。

(原発の問題でも日和見方針を出している。原発・核燃料サイクルについての無知・不勉強・理解不十分、あるいは「人工排出CO2による地球温暖化」説への盲従的肩入れのためか、「原発に依存しない脱炭素」のように「脱原発」と「脱炭素」の優先順位をひっくり返し、原発稼働を一部容認するかのようなことを打ち出している。それも言うなら「化石燃料に過度に依存しない脱原発」である。こういう中途半端・日和見は、事態の解決を遅らせるばかりで、物事を悪い方へと加速させる。)

3.その他、昨今の軍事・安保問題から

(1)英国の劣化ウラン弾供与に反対声明を提出 – OurPlanet-TV:特定非営利活動法人
https://www.ourplanet-tv.org/46840/

(関連)劣化ウランはなぜ恐ろしいのか(矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授)=福島原発事故後の福島県では、この劣化ウランに相当するものとしてホットパーティクルが存在しています & タネ裁判原告敗訴(東京地裁)と世界フードショック- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2023/03/post-e66d55.html

(関連)劣化ウラン弾、英国がウクライナへの提供表明 いさめられない欧米 – 山内正敏|論座
https://webronza.asahi.com/science/articles/2023041300004.html

(関連)イラク戦争から10年、劣化ウラン弾の影響か?先天異常の新生児が3年間で1,000人以上 ~高遠菜穂子氏報告会「イラク戦争から10年、子どもたちの未来が奪われている。イラク・ファルージャ調査報告会」 – IWJ Independent Web Jour
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/73538

(2)ウクライナ戦争=そんなことを言っていては停戦などできません

下記は、ウクライナ戦争停戦にあたっての前提として、「朝鮮戦争は38度線まで戻して停戦したのだから、前例に従うのなら2022年2月24日以前のラインだ」との主張に私から反論したものです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そんなことを言っている限り、停戦などできないでしょう。ゼレンスキー・ウクライナの言い分そのものです。

肝心なことは、ミンスク2、の合意であった、東ウクライナのロシア系住民の「安全保障」をどう担保するか、また、ウクライナのNATO加盟をやめさせて、中立国家であることを国際的に認めていき、欧米諸国がウクライナへの軍事援助をやめる、などがポイントです。

また、ウクライナ国内やロシア国内の暴力極右集団への統制や、民間軍事会社をどう規制するのかという問題もあります(ウクライナ戦争で多くの犯罪を犯しているのは、この集団の可能性が高い)。

更に、ロシアを含む欧州の新安全保障体制を、一から創る試みも開始する必要があり、そのためには、アメリカが主導して破棄していった核兵器の制限条約を、中共中国も入れて再構築する外交努力も必要です。

日本外交は、上記のようなことに尽力すべきであり、必勝しゃもじをもってゼレンスキー・ウクライナを激励に行くことではありません。戦争は、それ自体が、人類最悪の邪悪である事を世界に訴えるとともに、他方で、国際政治・パワーポリティクスのプラグマティズムも考慮の上で動くべきです。

領土問題や戦争犯罪問題は、後回しです。時間をかけて話し合いで解決していくしかありません。戦争犯罪調査は、ロシア・ウクライナがオブザーバ参加し、この戦争に距離を取っていた中立国で形成される国際調査団が調査するという方法以外には考えにくいと思われます。

国際刑事裁判所の政治的な判決などはマイナス効果しかありません。
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(関連)日本外交と政治の正体|孫崎享|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/columns/2185/33
草々

 

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「ISF主催トーク茶話会:羽場久美子さんを囲んでのトーク茶話会」のご案内

「ISF主催公開シンポジウム:加速する憲法改正の動きと立憲主義の危機~緊急事態条項の狙いは何か」のご案内

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田中一郎 田中一郎

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