「神に選ばれた国」と「神に選ばれた民」に未来はあるか、その8
国際☆百々峰だより(寺島隆吉)2019/04/12 http://tacktaka.blog.fc2.com/blog-date-20190412.htmlからの転載記事
カテゴリー:アメリカ理解(2019/04/12)
タグ:ウィキリークス、ジュリアン・アッサンジ、チェルシー(元ブラッドリー)・マニング、ユダヤ人フィンケルスタインのイスラエル批判、イスラエル商品の「ボイコット(B)・資本引き揚げ(D)・制裁(S)」を呼びかける「BDS運動」
ロンドン警察によって逮捕され、エクアドル大使館から引きずり出されるジュリアン・アッサンジ
https://www.rt.com/news/456212-julian-assange-embassy-eviction/
アメリカで、内部告発者チェルシー(元ブラッドリー)・マニングが逮捕されたのはつい最近ことでした。
ところが今度はイギリスで、ロンドン警視庁の捜査官が4月11日にエクアドル大使館へ乗り込み、内部告発支援グループの「ウィキリークス」の創設者ジュリアン・アッサンジを逮捕しました。
アッサンジの弁護団メンバーによると、すでに取り下げられている事件で出頭しなかったことではなく、アメリカからの引き渡し要請に基づくものだそうです。(櫻井ジャーナル2019.04.12)
しかしトランプ大統領は、2016年のヒラリー・クリントン女史を相手にした選挙戦では、アッサンジとウィキリークスの活動を賞賛していたのですから、奇々怪々な話です。
とはいえ、この逮捕は、アメリカの大統領は「DeepStateの操り人形にすぎない」ということを、再び全世界に見せつけるものとなりました。
というのは、トランプ氏は、大統領選の最中には、「CIAやNATOは過去の遺物だから解体すべきだ」「今後は他国に介入するのはやめ国内経済の立て直しに専念すべきだ」と言っていたにもかかわらず、大統領になった途端に季語修正せざるを得なかったからです。
それはともかく、ウィキリークスは「政府など権力による犯罪を内部告発するひと」を励まし支援する報道機関として創設されました。
アメリカおよび他の国には内部告発を保証する制度や法律もあるのですが、それがまともに機能してこなかったからです。
本来は権力を監視し批判する機能を託されている新聞やテレビも、現在の大手メディアを見れば分かるように、その役割を放棄しつつあります。
その穴を埋めようとして登場したのがウィキリークスでした。
「民主党幹部が予備選でヒラリー女史を勝たせるため、サンダース候補の選挙運動を妨害する活動を画策している」という内部告発情報を暴露したのも、ウィキリークスでした。
この情報がトランプ勝利の一因になったと思われているので そこで民主党幹部は、今でも「トランプはロシアの傀儡だ」「アッサンジはプーチンと共謀してアメリカの転覆を謀っている」と声高に叫んでいるわけです。
いずれにしてもアッサンジの逮捕は、報道機関ウィキリークスを潰すための口実ですから、これは明らかにアメリカが民主主義の旗手として自ら誇りにしてきたはずの「言論に自由」を自ら破壊するものです。
ですから、本来は極めて恥ずべき行為のはずです。
ところが、「今や我々の資産が手に入った」と「(ほとんどの)議員がアッサンジの逮捕に大はしゃぎ」なのですから、アメリカの知性に堕落ぶりは目も覆わんばかりです。
やはり「神に選ばれた国」は何をしても許されるというのでしょうか。
* ‘Our property now’: (Most) US lawmakers rejoice over Assange arrest
「今や我々の資産が手に入った:(ほとんどの)議員がアッサンジの逮捕に大はしゃぎ」
https://www.rt.com/usa/456292-democrats-republicans-trump-assange-arrest
櫻井ジャーナル(2019.04.12)は今度の事件を次のように締めくくっています。けだし名言です。
アッサンジの逮捕は、権力者にとって都合の悪い情報を明らかにすることは許さないという彼らの意思表示。大統領や首相というよな表面的な「権力者」はともかく、そうした人びとを操っている人びとに触れたり、支配システムの根幹を揺るがすような情報を明らかにすることは犯罪だという宣言だ。米英の支配層は一線を越えた。今回の逮捕は権力者と対決しているジャーナリストすべてに覆い被さってくる。
権力者と対決しているジャーナリストや代替メディアは、日本では極めて数が限られているだけに、それらの未来がますます心配になってきます。
以下は長周新聞連載(8)です。
文字が小さくて読めないという方は、下記のサイトを御覧いただけると有り難いと思います。
☆百々峰だより(寺島隆吉)2019/04/12 http://tacktaka.blog.fc2.com/blog-date-20190412.htmlからの転載記事
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