メールマガジン第64号：南西諸島軍事強化トピック（10月3日～10月9日）

◇日米同盟強化で一致　防衛相と米太平洋司令官（沖縄タイムス　2022.10.5）
◇日米、抑止力強化へ連携　北朝鮮ミサイル「重大な脅威」　敵基地攻撃　議論加速（沖縄タイムス　2022.10.5）
◇米朝対話再開が重要　布施祐仁氏（琉球新報　2022.10.5）
◇社説　緊張緩和が再発防止策だ（琉球新報　2022.10.5）
◇米韓、ミサイル対抗発射　日本海に空母再展開　安保理が緊急会合（沖縄タイムス　2022.10.6）
◇北朝鮮挑発対応　米韓海軍が訓練　日本海、きょうまで（琉球新報　2022.10.8）

朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）のミサイル発射が続いている。日米韓の外相、浜田防衛相は米国防長官と電話会談し、「抑止力強化」を確認し「国防戦略方針で敵基地攻撃能力を検討」（松野官房長官）と軍備強化に前のめりの姿勢だ。朝鮮有事は台湾有事と同様に在沖米軍基地と直結し、沖縄を戦争に巻き込む恐れが大きい。一連のミサイル発射は米韓両軍が日本海で大規模合同演習、日米の共同訓練に対する北朝鮮側の反発と威嚇の意味合いが強い。ミサイル発射に対抗し米韓は即座に日本海にミサイルを発射、共同訓練を実施と悪循環に陥っている。ミサイルの脅威にミサイル・軍事訓練で対抗する「防衛強化」一辺倒では火に油を注ぐことにならないか。
「北朝鮮ミサイル日本通過」を１面トップで報じた５日の琉球新報は、「基地集中　沖縄に脅威」と警戒を強める一方、社説や識者談話で日米韓政府に冷静な対応を求めた。布施祐仁氏（ジャーナリスト）は「一方的な制裁や抑止力で北朝鮮の挑発的な行動を止めることは難しい」、戦争に陥れば「米軍の作戦拠点となる在日米軍基地がまっ先に狙われる」、沖縄が核ミサイルの標的となる可能性をも指摘し、「戦争を起こさぬ外交努力」を求めた。
新報社説は「韓国大統領は北朝鮮への先制打撃能力確保を掲げ（略）、訪韓した米副大統領と会談し、米国が核を含む戦力で防衛に関与する『拡大抑止』を確認」した経緯を指摘し「北朝鮮のミサイル発射は米韓の動きへの対抗」と見る。韓国保守政権下で強まる日米間の軍事訓練、「先制打撃能力」「核拡大抑止」が北朝鮮の過剰反応を引き出している側面は否定できない。
米国は台湾の事実上の国家承認につながり、攻撃兵器の武器援助に道を開く新たな法制定を進めている。岡田充共同通信客員論説委員は対中国の「日米台軍事同盟化」を危惧する。一方、米国は韓国に対しても「中国包囲網」に加わるよう政治圧力を強めている。北朝鮮ミサイルに対抗する日米韓国の「防衛・連携強化」は、対中国の「日米台韓」同盟化に拍車をかける懸念を拭えない。新報社説「緊張緩和が再発防止策だ」は「軍事的な挑発や制裁の圧力でなく対話路線を模索すべきだ」と冷静な国際対話を促している。

◇ひろゆき氏投稿に反発　辺野古訪問　座り込み「０日にした方が」　市民「犠牲押し付け　自省ない」（沖縄タイムス　2022.10.6）
◇抗議行動への「敬意なく残念」　玉城知事（沖縄タイムス　2022.10.6）
◇ひろゆきさん　辺野古投稿　座り込みにたくさんの意味　命に配慮　みんなで続ける（琉球新報　2022.10.7）
◇座り込み議論　平行線　ひろゆき氏と本紙記者ら　（沖縄タイムス　2022.10.8）

辺野古新基地建設に反対する現地の座り込み行動を「座り込み抗議が誰もいなかったので（座り込み）０日にした方がよくない？」と揶揄するツイートがあった。批判もあるが、「『いいね』とリツイート合わせて３０万件超え」（タイムス）という。玉城デニー知事は「現場で３千日あまり抗議行動を続けてこられた方々に対する敬意は感じられない」と残念に思うコメントを述べている。ノーモア沖縄戦の会の山城博治共同代表は戸惑い、憤りの一方で冷静に「座り込み」の意義を「『抵抗する沖縄』『中央への抗い』への可視化された象徴としての辺野古」を語った。１０月１０日、沖縄タイムスコラム「大弦小弦」で阿部岳記者は「なぜゼロにしろと言って笑えるのか。安心して笑える特権的な立場にいるからだ」と書いた。
人の笑いにはほがらかで健康的な笑い、心をつなぐ笑い、見下す笑い、強がる笑い、うそを隠す笑いといろいろある。強がり、見下しながらの苦しい笑いもあるだろう。共感を求める座り込みの人々に対する笑いは冷たい。１０月１０日は沖縄戦で住民多数が犠牲となった「１０・１０空襲」の日でもあった。沖縄に寄り添えない冷たい笑いは、人の苦しみと希望に共感できない寂しい日本人の心象風景を表してはいまいか。
７日琉球新報の「声」の投稿。久しぶりに辺野古の座り込みに参加。毎日通う高齢者の体調を気遣う。「なぜ沖縄の方々はこんな闘いを長きにわたり強いられているのだろう？」。
「無知で育ったヤマトンチュの私は、自身の無力さに打ちのめされて泣くしかできなかった」。沖縄に寄り添う本土の方々もいる。

10月3日（月）http://nomore-okinawasen.org/3075/
◆日米豪　安保戦略を共有　防衛相一致　中国ミサイル非難（沖縄タイムス　2022.10.3）
◆「中国脅威論」検証必要では（沖縄タイムス　2022.10.3）
◆米軍の環境問題伝える　アビーさんとマイクさん　県内で撮影（沖縄タイムス　2022.10.3）

10月4日（火）http://nomore-okinawasen.org/3089/
◆在日米軍再編　重要性を確認　米太平洋軍司令官と首相（沖縄タイムス　2022.10.4）
◆沖縄で低空訓練の可能性　オスプレイ飛行で米海兵隊（沖縄タイムス　2022.10.4）
◆陸自オスプレイ　県内訓練「ない」　浜田防衛相（沖縄タイムス　2022.10.4）
◆カナダ空軍機　嘉手納で活動　今月上旬から1ヵ月（沖縄タイムス　2022.10.4）
◆F35B戦闘機　嘉手納に2機　岩国配備　騒音94デジベル（沖縄タイムス　2022.10.4）

10月5日（水）http://nomore-okinawasen.org/3103/
◆日米同盟強化で一致　防衛相と米太平洋司令官（沖縄タイムス　2022.10.5）
◆日米、抑止力強化へ連携　北朝鮮ミサイル「重大な脅威」　敵基地攻撃　議論加速（沖縄タイムス　2022.10.5）
◆米朝対話再開が重要　布施祐仁氏（琉球新報　2022.10.5）
◆社説　緊張緩和が再発防止策だ（琉球新報　2022.10.5）
◆「抑止力」に温度差（琉球新報　2022.10.5）
◆「安全保障上の重大な脅威に」玉城知事（琉球新報　2022.10.5）
◆米軍戦闘機が自衛隊と訓練　九州西方（沖縄タイムス　2022.10.5）

10月6日（木）http://nomore-okinawasen.org/3114/
◆中城湾港で共同訓練　来月　自衛隊、戦闘車輸送も　民間港使用拡大の恐れ（琉球新報　2022.10.6）
◆「実績」重ね　既成事実化　中城湾港　自衛隊訓練　詳細に有事想定　部隊展開（琉球新報　2022.10.6）
◆ひろゆき氏投稿に反発　辺野古訪問　座り込み「０日にした方が」　市民「犠牲押し付け　自省ない」（沖縄タイムス　2022.10.6）
◆抗議行動への「敬意なく残念」　玉城知事（沖縄タイムス　2022.10.6）
◆米韓、ミサイル対抗発射　日本海に空母再展開　安保理が緊急会合（沖縄タイムス　2022.10.6）
◆米韓、ミサイル４発　日本海に空母　北朝鮮に対抗　きょう電話で日韓首脳会談（琉球新報　2022.10.6）
◆論壇　土地利用規制法が施行　住民の権利擁護　強く望む（沖縄タイムス　2022.10.6）
ＪＡＸＡロケット発射延期（琉球新報　2022.10.6）
◆戦闘機２機　嘉手納飛来　厚木の「仮想敵機役」（沖縄タイムス　2022.10.6）

10月7日（金）http://nomore-okinawasen.org/3129/
◆首相　シェルター検討　武力攻撃想定で明言　（沖縄タイムス　2022.10.7）
◆日米の防衛協力深化で一致　陸幕長と米司令官が会談（沖縄タイムス　2022.10.7）
◆ミサイル決議　高良氏は棄権　伊波氏賛成（沖縄タイムス　2022.10.7）
◆「平和ぼけの国民に発信」　自民柴山氏、防衛族議員に（琉球新報　2022.10.7）
◆陸自、米海兵隊　北海道で訓練　空軍オスプレイも使用（琉球新報　2022.10.7）
◆基地立ち入りに前向き　米海軍横須賀　有害物質で謝罪（琉球新報　2022.10.7）
◆ひろゆきさん　辺野古投稿　座り込みにたくさんの意味　命に配慮　みんなで続ける（琉球新報　2022.10.7）
◆戦死106人の遺骨収集要望　伊江副村長、県に「国の責任で」（沖縄タイムス　2022.10.7）

10月8日（土）http://nomore-okinawasen.org/3143/
◆座り込み議論　平行線　ひろゆき氏と本紙記者ら　（沖縄タイムス　2022.10.8）
◆北朝鮮挑発対応　米韓海軍が訓練　日本海、きょうまで（琉球新報　2022.10.8）

10月9日（日）http://nomore-okinawasen.org/3152/
◆社説　民間地使用は許されない（琉球新報　2022.10.9）
◆海自艦と米空母。共同訓練を継続　日本海、北朝鮮想定（琉球新報　2022.10.9）
◆日本海で米空母と訓練継続（沖縄タイムス　2022.10.9）
◆防衛装備品協定　早期締結で一致　日シンガポール外相（琉球新報　2022.10.9）
◆ホワイトビーチ　米原潜１隻寄港　6千トン・アナポリス（琉球新報　2022.10.9）
◆民意無視するいびつな構造　識者談話　熊本博之（琉球新報　2022.10.9）

文責：新垣邦雄（ノーモア沖縄戦　命どぅ宝の会　発起人）

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