メールマガジン第77号:⑨南西シフトの機動展開・演習訓練拠点としての馬毛島(種子島)
ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会メルマガ琉球・沖縄通信◇与那国の公道 戦闘車走行 日米演習 駐屯地まで4キロ(沖縄タイムス 2022.11.18)
◇公道に戦闘車強行 与那国で日米演習(琉球新報 2022.11.18)
「与那国 戦場にしないで」 戦闘車県道走行 住民、訓練中止求める(琉球新報 2022.11.18)
◇与那国で演習 抗議よそに兵器走行 のどかな集落 物々しく 住民「戦争準備だ」「冗談じゃない」(沖縄タイムス 2022.11.18)
◇5キロ走行 暮らし侵食 日米演習 与那国の一般道使用 国境の島、異様に(琉球新報 2022.11.18)
◇与那国で戦闘車公道走行 国、訓練の必要性強調 県、抑止力強化に危機感 (沖縄タイムス 2022.11.18)
戦争準備の日米演習
沖縄地元紙の1面に「与那国の公道 戦闘車走行」、「殺傷武器の輸出検討」、「日中首脳、関係安定へ協力」の見出しが並ぶ。長い砲身を突き出す戦車の写真はまがまがしく、恐ろしい。社会面には「与那国を戦場にするな」の大見出し。住民はどのような思いで光景を眺めたか、胸が痛む。「戦争が起きるような状況」の言葉がある。殺傷能力のある武器輸出、自衛隊の武器弾薬を提供ーと記事にある。歯止めなき軍事国家にひた走る日本。よりによって台湾から至近の与那国島で戦車を走らせたその日に「日中首脳、関係安定」の報道はむな空しい。握手しながら平手打ちを浴びせるようなものだ。
政府がどう言いつくろおうと沖縄の日米共同統合演習は戦争準備にほかならない。自衛隊戦闘車は当初、沖縄本島の中城湾港に陸揚げの予定だった。奪われた島を奪い返す「離島奪還作戦」の訓練である。先島離島だけでなく沖縄本島も戦場と想定する証左だ。戦場下でタイヤ走行で島々を走り回り、上陸した敵部隊と大砲を撃ち合おうというのだ。沖縄で陸自地対艦、奄美で米軍ハイマース・ミサイルも展開した。攻撃拠点は敵ミサイルに狙われるだろう。沖縄戦の再来、ウクライナ以上の惨状を免れない。
自衛隊の「残存率30%」
国会で明らかにされた石垣島の「離島奪還訓練」は自衛隊の残存率30%を想定していた。島外からの恐らく米軍を含めた増援により島を奪い返す作戦という。沖大東島の演習図では自衛隊米軍の戦闘機、ヘリ、艦船が島に砲弾を撃ち込んだ。堅牢に防備する自衛隊兵力30%の「残存率」とはいかばかりか。ほぼ壊滅状態ではないか。市民の「生存率」は明らかにされていない。自衛隊を上回る犠牲を免れないだろう。自衛隊隊内誌「富士」には「住民混在の国土防衛戦」と書かれていた(前田佐和子氏・琉球新報寄稿)。
小西誠氏によると、散在する島々は兵力が分散するため「防衛は不可能」と自衛隊は認識しているという。島々は、敵味方が奪い、奪い返す際限ないミサイル戦場となる可能性がある。ウクライナは地続きで逃げることもできるが離島住民は逃げようがない。逃げ場のない島にミサイル基地を置き、戦闘行動を想定することは人道、国際人権法に反する。
◇医療・輸送訓練を公開 日米統合演習 オスプレイ浦添飛来 / 与那国 30日に避難訓練 ミサイル想定 住民参加(琉球新報 2022.11.16)
◇攻撃を想定 負傷者対応 日米演習 搬送や治療 報道公開(沖縄タイムス 2022.11.16)
自衛隊・米兵を治療ー捨て置かれる住民
日米共同統合演習の本質を示す記事がある。16日新報、タイムス「攻撃を想定 負傷者対応」の記事だ。「負傷した自衛隊や米兵を日米が連携して搬送し、治療する訓練」とあるが、搬送・治療するのは「自衛隊や米兵」であって、「住民、県民」の文言は一言もない。昨年末の台湾有事「日米共同作戦」の共同通信記事に「自衛隊は米軍支援で余力はない」と書かれていた。自衛隊・米軍は戦闘に専心し、兵力となる負傷兵は救護するが、住民は捨て置かれるのだ。このような非人道的な作戦計画、それに基づく日米演習は許されない。
◇ 訓練の必要性を強調 与那国町長 外交努力も要求(沖縄タイムス 2022.11.18)
◇「やむを得ず」与那国町長 / 「公道訓練、誠に残念」知事(琉球新報 2022.11.18)
◇日米演習の情報要求 命どぅ宝の会 知事の見解も(沖縄タイムス..2022.11.17)
◇港湾許可の経緯 市民が県に問う 日米統合演習巡り(琉球新報 2022.11.17)
◇徳之島で離島奪還訓練 日米演習 公開、住民に賛否(琉球新報 2022.119)
政治、県民の分断
与那国住民は「島を戦場にする演習はやめて」と悲痛な声を上げた。奄美でも抗議、デモがあった。一方で与那国町長は「抑止力につながる」と演習を容認した。「実際に有事が起きてしまうことが恐怖」と複雑な胸中も吐露した。玉城デニー県政・県議会与党は「緊張高める」と演習に反対。野党は「住民の安全確保のため」と容認する。石垣市議会は「尖閣の中国船への対応」を政府に要請した。県民は一枚岩ではない。「防衛強化」か「防衛(軍備)強化反対」かで揺れ、分断している。玉城知事は再選されたが、地方首長選挙は保守陣営が連勝している。県内の政治地図は「防衛強化」に前のめりの保守・自民党勢力が攻勢を強める情勢にある。
象徴的な出来事が二つあった。自公の支持を受け「辺野古新基地容認」のスタンスを取る知念覚那覇市長が、就任初日に「那覇軍港のオスプレイ離発着への対応は白紙」と表明した。前市政、沖縄県が足並みを揃えてきた「軍用機離発着は認めない」基本姿勢が大きく揺らいだ。自公が支持するうるま市長は津堅島沖の米軍パラシュート降下訓練容認を表明、前保守市政の「反対」から後退した。選挙時、選挙後も「反対」を明言してきており、変節のそしりを免れない。政府の攻勢圧力下で、県都那覇、うるま市など保守系の市町村長、支持する多数与党議員の影響力は大きい。沖縄の民意が「新基地反対」、「軍事強化反対」から「防衛・軍備強化容認」へねじ曲げられる懸念を否定できない。
「基地との共存共生」戦争への道
かつて県民は防衛大臣の「基地との共存共生」発言に猛反発、大臣が更迭された。辺野古新基地に7割以上が反対し、オスプレイ配備に県、市町村が結束して反対した。その基盤が崩れ、「基地との共存共生」を受け入れ、それどころか沖縄を戦場とする「防衛強化」を容認する流れになりかねない情勢だ。
玉城デニー知事はどうか。与那国島の自衛隊戦車の公道走行に玉城知事は「誠に残念」とコメントした。しかし沖縄県は、県が管理する中城湾港への自衛隊車両の搬入、与那国島への戦闘車の搬入を認めた。知事は那覇軍港の浦添市地先への移転計画も容認している。「沖縄を二度と戦場にしない」決意があるなら、軍備強化、日米演習、事実上の新基地である那覇軍港の浦添移転にも毅然と反対を表明すべきではないのか。
ノーモア沖縄戦の会は日米演習、避難シェルター、避難訓練に反対する立場から玉城知事の見解を問い県庁に出向いた。知事ではなく副知事対応、時間も制限され、「避難訓練等は政府と調整中」と生煮えの説明に終わった。ノーモアの会共同代表らは「沖縄を戦場とする戦争準備、演習に知事は明確に反対表明すべきだ」と指摘し、再度の知事会談設定を通告した。
副知事面会後の記者団とのやりとりでは代表らから「県民を見殺しにするのか」と厳しい声が上がった。沖縄を戦場と想定する日米演習に反対することは県知事として当然、専門家も「不可能」と指摘する避難訓練、避難シェルターも「政府と調整、法令に基づき対応」すること自体、「県がお墨付きを与え容認することになる」というのがノーモア沖縄戦の会の主張だ。「基地との共存共生」は戦争への道でしかない。「県民の命を守る」知事の責任ある対応を要求し続ける。
11月15日(火)http://nomore-okinawasen.org/3757/
日米演習に市民抗議 県庁前「戦場にさせない」(沖縄タイムス 2022.11.15)
「沖縄 戦場にさせない」 那覇 市民、日米演習に抗議 (琉球新報 2022.11.15)
演習に同盟強化訴え 日米「南西実施に意義」(沖縄タイムス 2022.11.15)
南西防衛へ水中無人機 政治 機雷敷設・除去で開発(琉球新報 2022.11.15)
軍港離陸 県と那覇市抗議 国に「5・15メモ違反」 航空機訓練中止要請(沖縄 2022.11.15)
県、軍港の機能強化危惧 移設後は「協定が必要」 米軍「メモに制限ない」(沖縄タイムス 2022.11.15)
八重山防衛協は歓迎 与那国で演習「抑止力」(沖縄タイムス 2022.11.15)
米中、ロの核使用容認せず バイデン氏 台湾威圧に反対(沖縄タイムス 2022.11.15)
11月16日(水)http://nomore-okinawasen.org/3784/
日米共同統合演習 離島有事 本島で後方支援(琉球新報 2022.11.16)
医療・輸送訓練を公開 日米統合演習 オスプレイ浦添飛来 / 与那国 30日に避難訓練 ミサイル想定 住民参加(琉球新報 2022.11.16)
攻撃を想定 負傷者対応 日米演習 搬送や治療 報道公開(沖縄タイムス 2022.11.16)
防衛相 海保指揮へ手順書 「統制要領」尖閣念頭に策定方針 海保「非軍事」変容も(琉球新報 2022.11.16)
自衛隊と海保 有事連携 防衛相指揮 手順書策定へ(沖縄タイムス 2022.11.16)
社説 対話努力で緊張緩和を(琉球新報 2022.11.16)
南西防衛へ横断会議 政府方針 インフラ整備協議(沖縄タイムス 2022.11.16)
オスプレイ飛来市民不信 情報非公表 市を疑問視 移設先で運用拡大懸念 浦添キンザ―で訓練(沖縄タイムス 2022.11.16)
11月17日(木)http://nomore-okinawasen.org/3805/
日米演習の情報要求 命どぅ宝の会 知事の見解も(沖縄タイムス..2022.11.17)
港湾許可の経緯 市民が県に問う 日米統合演習巡り / 離島からの避難取り組み徹底へ 自公実務者会合(琉球新報 2022.11.17)
他国へ日米ミサイル紹介 奄美 統合演習で連携示す(琉球新法022.11.17)
「嘉手納は生き残れない」 F15撤退 紛争時の脆弱性理由 「星条旗」紙報道 元米国務次官補が見解(沖縄タイムス 2022.11.17)
11月18日(金)http://nomore-okinawasen.org/3828/
与那国の公道 戦闘車走行 日米演習 駐屯地まで4キロ(沖縄タイムス 2022.11.18)
公道に戦闘車強行 与那国で日米演習(琉球新報 2022.11.18)
「与那国 戦場にしないで」 戦闘車県道走行 住民、訓練中止求める(琉球新報 2022.11.18)
与那国で演習 抗議よそに兵器走行 のどかな集落 物々しく 住民「戦争準備だ」「冗談じゃない」(沖縄タイムス 2022.11.18)
5キロ走行 暮らし侵食 日米演習 与那国の一般道使用 国境の島、異様に(琉球新報 2022.11.18)
与那国で戦闘車公道走行 国、訓練の必要性強調 県、抑止力強化に危機感 / 訓練の必要性を強調 与那国町長 外交努力も要求(沖縄タイムス 2022.11.18)
「やむを得ず」与那国町長 / 「公道訓練、誠に残念」知事(琉球新報 2022.11.18)
11月19日(土)http://nomore-okinawasen.org/3865/
戦闘車の訓練終了 与那国(沖縄タイムス 2022.11.19)
軍事一辺倒 離島に影 日米共同統合演習 対中国念頭、実践的に(琉球新報 2022.11.19)
日米の共同訓練 徳之島で初実施 離島防衛を想定(沖縄タイムス 2022.11.19)
与論空港に着陸「機械的な問題」海兵隊オスプレイ(沖縄タイムス 2022.11.19)
徳之島で離島奪還訓練 日米演習 公開、住民に賛否(琉球新報 2022.119)
戦闘車 帰路も公道走行 与那国撤収 住民「軍備いらない」(琉球新報 2022.11.19)
陸自、訓練撮影を制止 南与座分屯地 新報の取材中に(沖縄タイムス 2022.11.19)
住民のリスク 議論なく 識者談話 佐道明広氏(琉球新報 2022.11.19)
社説 日米統合演習 いつか来た道を恐れよ(沖縄タイムス 2022.11.19)
社説 防衛強化に法人税増 国民の理解得られるのか(琉球新報 2022.11.19)
防衛財源へ 法人増税焦点 与党税調始動 消費増税は否定(沖縄タイムス 2022.11.19)
武器輸出指針見直し 自公一致 対象は継続協議(沖縄タイムス 2022.11.19)
兵器生産 24年具体化か 米国と台湾、機密共有が課題(琉球新報 2022.11.19)
日米の戦闘機 日本海で訓練 対処力示す狙い(琉球新報 2022.11.19)
11月20日(日) http://nomore-okinawasen.org/3892/
日米演習撤収か 中城湾に民間船 防衛省がチャーター’(沖縄タイムス 2022.11.20)
社説 日中首脳会談 関係構築へ対話重ねよ (沖縄タイムス 2022.11.20)
文責:新垣邦雄(ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 発起人)
(以下は再掲です)
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「ノーモア沖縄戦の会」は「沖縄の島々がふたたび戦場になることに反対する」一点で結集する県民運動の会です。県民の命、未来の子どもたちの命を守る思いに保守や革新の立場の違いはありません。政治信条や政党支持の垣根を越えて県民の幅広い結集を呼び掛けます。