日本の貧困について考えるあの事件以来考えていた!!そう、あの恐ろしい事件の背景は
社会・経済ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00190/20230522100000109344
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週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!
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まずこれを見て頂こう。
https://youtu.be/h2eSjT3akjU
これが今月8日月曜日に起きた白昼堂々、東京・銀座のロレックス専門店「クオーク銀座888店」の襲撃事件の映像である。こんな犯罪事件の映像が撮影されること自体が普通はあり得ない。 これまでもここまでたっぷりと犯行の一部始終が見られることはなかった。
誰もが高性能のスマホを携行し、何か事件があれば、スマホの動画機能でちゃんと撮影出来る世の中になったのだ。
スマホは録音、録画の強力な武器なのだ
犯罪と動画時代。
今回の銀座・高級腕時計店の仮面男たちの犯罪の一部始終とそれを店の前を通る通行人が見ている光景。正直なところ私は最初テレビのドラマ撮影風景を好奇心に駆られた市民が撮影したものかと思った程だ。
よく見ているとやはり何やら異形なのだ。全身黒尽くめの衣装に身を固めた犯人たちは揃って白い仮面ときた。
と、私はこれまでにない犯罪とスマホの作り出す光景を興味深く見ていたのだ。
時代は今やここまで来たのか。
驚きしかなかった。
当然にですよ。翌5月9日の新聞朝刊はこの人を食ったような白仮面犯人の様子もさることながら、犯罪も我がお茶の間にいてスマホの映像で見る事が出来るのだ!そこに少々力点を置いて記事を書くもんだと思ってましたよ。
しかし、今の新聞記者は時代の流れにあまりにも無頓着だね。はっきり言ってこれじゃダメです。記者だけの問題じゃないね。新聞社自体が時代背景を読み取れなくなっている。
翌日の朝刊は朝日は第2社会面の右肩3段見出しで、読者提供の白仮面の犯人が見える写真入り。この日の社会面トップ記事は
「『コロナ後』のマスク あなたは?」
と言うコロナ関連。私が編集局の当日当番トップなら、社会面トップ記事は当然この銀座事件に焦点を当てた調査報道にするだろう。
朝日はまだいい。一応第二社会面のトップ記事だ。
しかし、毎日新聞は第二社会面に2段見出し、写真なし、代わりに地図入りと言う寂しさ。この事件への社会的、歴史的洞察は何処にもない。毎日新聞社会部出身の私としては情けないやら寂しいやら、もはや何をか言わんやである。
東京新聞は社会面ベタ記事。さすがにこれは不味いと思ったのか、夕刊には襲われた高級腕時計店の写真入りで3段見出しでこう伝えた。
「銀座時計店襲撃
強盗関与?4人16~19歳
直後 赤坂で侵入容疑 逮捕」
新聞は、特に社会面は社会と時代の写し鏡と言えるだろう。
その点で私なら三つくらいの指摘が出来る。
その一。殺人、強盗、放火、窃盗(空き巣)などほとんどの犯罪は他人に見られる事なく密かに行われるもの。この常識があっさりと打ち破られ、一般市民の目の前で堂々と実行される驚き。
その二。最近横行するオレオレ詐欺、振り込め詐欺、頻発する強盗などの背景には、派遣や非正規労働や無職などで貧困化する若者たちの存在が指摘されるだろう。
その三。最近は年々性能が高度化する携帯電話=スマホを持つ時代。あなたはいつ、どこで犯罪や災害の現場に立っているかもしれない。
その時、あなたは即テレビ局のディレクターやレポーターになる事が出来る、そんな時代に生きているんだということを自覚した方がいいのだ。
銀座の高級腕時計店襲撃の一抹はこうした、私たちが時代の大きな転換点に立っていることを教えたと言うより突きつけたのではないだろうか?
案の定時代の流れに新聞より敏感な週刊誌が生き生きと伝えている。
流石です。
5月18日発売の「週刊新潮」は広島サミットに次いで2番手の特集面でしっかり取材している。新潮らしい手堅い取材に3ページを割いている。
新潮は見出しが毎度面白いのでつい買ってしまうが、今週も見出しは大小はあるけれど、味とひねりの見出しを並べてみよう。
「闇バイトではなかった」
「銀座ロレックス強盗」
「シングルマザーを泣かせる」
「16歳少年」のリアル ─特集─
「知人が語った『高校中退で定職に就けず…』「同棲少女」が心配した薬物売買の交友関係「19歳リーダー格」は元「暴走族ヘッド」
「ぶっ殺すぞ!と恫喝されたけどとっさに体が・・・」犯人たちを閉じ込めようとした「銀座ママ」の証言
2ページ見開き 6段に渡って見出しが踊る。見出しになっている白仮面の犯人と高級腕時計店のドアを閉めようとしている銀座ママとのやりとりが聞こえてきそうな写真が見出し横にばっちし使われていてこの写真一枚だけで全てを物語る。
『週刊新潮』の冒頭部分だけをちょいと引用させていただく。
「全身黒ずくめ、顔を不気味な白のフェイスマスクで覆った3人組が5月8日午後6時20分頃、東京・銀座のロレックス専門店『クオーク銀座888店』に押し入った光景は、行き交う人々のスマホ動画で収められ、ニュースで大きく報じられた。それは映画のワンシーンのようだった。
店内に並ぶショーケースを、入り口左手にあるものから1人がバールで順に打ち壊していく。侵入者があったことを告げる警報音が鳴り、ガラスの割れる音が響き渡る中、2人が分厚いグローブをはめた手を、破損させたケースの中に慌ただしく突っ込む。
70点余り、金額にして2億5000万円に及ぶお宝の高級腕時計は、こうして二つの黒い鞄に放り込まれていった。
犯行時間は約2分。異様な場面をただ遠巻きに眺める人、我関せずとばかりにたちさるひと・・・・。しかし、その女性だけは違った。」
引用はここまで。この後が面白いのだが、興味のある方は是非『週刊新潮』をお読み下さい。 お読みになれば私が指摘した三点の問題点も明らかになるでしょう。
今週テレビは広島 G7サミットのニュース、そこにウクライナのゼレンスキー大統領の登場でカメラと話題はどうしてもそちらの方に。個人的にはあのゼレンスキーさんは、どうにも好きになれないのでごめんなさい。別にロシアの味方する訳じゃないんだけど、あのわざとらしさが鼻につく。そ言う友人知人が多いんだよね。どうしてかな?
テレビのニュースはゼレンスキーより猿之助というところかな?
こちらも今ひとつはっきりしないニュースが流れている。猿之助さんのご両親は亡くなっているらしい。が、睡眠薬で死亡だと言うが、今の睡眠導入剤などでは死亡はあり得ないとされていて、はてその辺はどうなんだろうか?
猿之助さんは女性週刊誌に何か書かれたのと何か関係があるのかないのか?
歌舞伎の大スターのことだからテレビが食いつきたくなるのも分かるが、いい加減にしてほしい。
(2023/5/22記)
鳥越 俊太郎
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1940年3月13日生まれ。福岡県出身。京都大学卒業後、毎日新聞社に入社。大阪本社社会部、東京本社社会部、テヘラン特派員、『サンデー毎日』編集長を経て、同社を退職。1989年より活動の場をテレビに移し、「ザ・スクープ」キャスターやコメンテーターとして活躍。山あり谷ありの取材生活を経て辿りついた肩書は“ニュースの職人”。2005年、大腸がん4期発覚。その後も肺や肝臓への転移が見つかり、4度の手術を受ける。以来、がん患者やその家族を対象とした講演活動を積極的に行っている。2010年よりスポーツジムにも通うなど、新境地を開拓中。