岸田内閣「支持率」各紙調査 軒並み下落/「新しい戦前にしないために」を合言葉に
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こういう書き出しにするのもなんだかなあ、とは思うけれどほんとの話。
6月27日の朝、いつも通っているジムのトイレに誰かが置き忘れた新聞を手に取らずに何気なくみた。
日経新聞6月27日の朝刊。
あれれ今日の朝刊だ。
これは放り投げていったというより本当に忘れていったんだなあ、と思い今度は真剣に紙面を見た。
「内閣支持率の下落鮮明 6月各社調査 マイナ対応に低評価」。
この3段組みの見出しに思わず目が吸い寄せられる。メディアの内閣支持率、つまりメディアが自分とこの調査結果を報じているのはよく目にするんだけど、ここまでメディア6社の調査結果の数字をきっちり載せているのは初めて見た。
その表の頭には「岸田内閣を『支持しない』が上昇」「報道各社の6月世論調査」とあって、表になっていて大変見やすい。
支持する 支持しない
NHK
9〜11日
43% 37%
(−3) (+6)
朝日
17、18日
42% 46%
(−4) (+4)
産経
17、18日
46.1% 49.2%
(−4、3) (+4、7)
共同
17、18日
40.8% 41.6%
(−6、2) (+5、7)
日経
23〜25日
39% 51%
(−8) (+7)
読売
23〜25日
41% 44%
(−15) (+11)
これとは別に独自調査で調べた毎日新聞は以下の通り。
毎日
17、18日
43% 58%
(−12) (+7)
以上の表では「支持する」は各社とも低下。
これを見ても岸田内閣を支持するという国民の積極的な気持ちは下がっているのは間違い無いだろうな。
一方、当然のことながら 「支持しない」という否定的な気持ちも各社一斉に上がっている。
この数字を見てちょっと驚くのは読者には保守系の人が多いだろうな、と思われている日経新聞と読売新聞の数字の振れ幅が大きいことだ。
特に読売新聞の「支持する」41%は前回調査より15%も減少し、「支持しない」は11%も増えている。
ダウンとアップの上下の差が大きいのが目につく。
支持率を左右する政策を考えてみると、一つ目には統一教会の問題、最近では少子化対策、そして軍事費増額(軍事大国化)、原発推進、マイナンバーの相次ぐトラブルなどが考えられる。
日経新聞にはこう分析が残っている。
「報道各社の調査で 、内閣支持率は5月〜21日の主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)後あたりから下落傾向に転じた。
日経調査は5月26〜28に47%と前月を5ポイント下回り、6月は39%にまで落ちた。
内閣を支持しない理由として『政策が悪い』がトップだった。
岸田政権が発足した2021年10月の調査以降で最も高い数字だ。自民党幹部は『支持率の低下はマイナンバー問題が最大の要因だろう』と指摘した。
『少子化対策の評価が低く、外交による支持率の効果が長続きしなかった』(麻生は幹部)と言った見方もある。
マイナンバーが他人の健康保険証や年金などの情報とひも付けられる事案は五月から徐々に明るみに出た、日経調査で政府の対応について『不十分だ』が76%に上った」
上の各社の調査結果を見ると、メディアの中では比較的右翼傾向が強い読売新聞が支持率低下では最も高い15%で、中立傾向の強い毎日が12%、日経が8%と今の岸田政権は真ん中から右の人に評判がよくないようだ。
恐らくこれは毎日日本のどこかで続く「マイナンバー問題」をめぐるトラブルが自民党支持の足をひっぱっているんでしょうね。
朝日新聞(7月1日一面)左肩3段
「マイナカード返納相次ぐ」「信用できない」「不安」
「トラブルが相次ぐマイナンバーカードを自主的に返納する動きが6月以降、各地の自治体で目立っている。制度の立て直しに失敗すれば政権を揺るがしかねない、と政府・与党内にも危機感が広がっている」
毎日新聞(7月1日一面トップ記事)
「マイナ『総点検』8月報告」「誤交付 123団体で再停止」
「岸田文雄首相は30日、マイナンバーを巡るトラブルが相次いだ問題を巡って首相官邸で関係閣僚と会談し、マイナンバーにひも付けた情報の「総点検」について8月上旬に中間報告するよう指示した。
また2024年秋に健康保険証を廃止する方針について、国民の不安を払拭する措置が完了することが前提になるとの認識を示した。河野太郎デジタル相らが首相との会談後にあきらかにした」
東京新聞(7月1日)一面3段腹
「マイナ また誤交付」「別人住民票 富士通システム再停止」
富士通は30日までに、マイナンバーカードを使った証明書交付サービスで、別人の住民票の写しが誤って発行されたと発表した。
一斉点検のため、子会社のシステムを利用する全自治体で、サービスを順次停止する。コンビニ交付でも同様のトラブルがあり、5月からシステムを停止して6月18日に再開したばかりだった再開時期は未定という。
岸田文雄首相は30日、マイナンバーにひも付けた情報の総点検の中間報告を8月上旬にするよう関係閣僚に指示した。現行の健康保険証の来年秋廃止方針には『国民の不安を払拭するための措置が完了することが大前提だ』との認識を重ねて示しその対策も併せて示すよう求めた。
官邸で河野太郎デジタル相、松本剛明総務相、加藤勝信厚生労働省と会談した。
新たな誤交付は福岡県宗像市の庁舎内に設置した端末で6月28日に発生。
住民票の写しを申請した利用者に、直前に発行した別人の住民票が交付された。
前回のコンビニでの誤交付とは違う原因という。
2019年に発生した別の不具合を機に全国のシステムを修正していたが、宗像市には反映されなかった。
システムは子会社の富士通japanが、広域団体を含め、123の自治体に提供している。
一斉点検中は自治体の庁舎内、コンビニに設置した端末を通じたサービスを利用できなくなる。
この間に証明書の交付を受けたい場合は、自治体の窓口で直接申請する必要がある」
このマイナカードをめぐるトラブルは今年8月頃に治る見通しはない、まだまだ続く「マイナの嵐」である。
こんマイナカード秋以降の解散総選挙は難しいのではないだろうか??
朝日新聞の7マイナ記事が示すように「マイナカード返納」の動きが今後全国化しないことはないだろう。
おそらく「健康保険証」の廃止を巡る国民の戦いと結びつき、岸田政権が軽く見てスタートしたマイナーカード問題に足を取られるかもしれない。
これは国民や野党が仕掛けた反対運動ではない。
稀に見る自ら足を縛ってよたよた状態の岸田政権。
さあ、野党はどう攻めるのか?
安倍総理国葬問題以来岸田総理の首を取りたい国民の一部は今後効果的な倒閣運動まで息が続くのか?ここで反岸田市民連合の動きはないのか?
次の話は今日本の最大の問題ですよ!!!!
日本の大臣数人が首を揃えて決めた【敵基地攻撃能力】という国のあり方。
これは国民の皆さんが考えてらっしゃるほど半端なもんじゃありませんよ!!
何しろ敵、この場合、おそらく中国でしょうが、日本の前線基地で警戒を続けていた中国の基地のどこかで日本にミサイルを発射する動きが感知された。
これは明らかに日本を攻撃する動きだ。
敵のミサイル発射の【先】を取って日本攻撃をさせない攻撃をする。これを「敵基地攻撃能力」という。理屈はそうなる。
しかし、相手の国側からすれば日本側が【先】を取って攻撃し、あくまで抑止能力を発揮したと言っても先制攻撃は先制攻撃なのだ。
双方が自制心を失わなければ最初のやりとりだけで終わるが、戦闘時の自制心などというものはないに等しい。
ともに互いの首都、東京と北京を破壊して矛を収めるか?
こうやって考えてくると自民党議員だけではなく野党議員の中にも東アジアの安全保障関係が厳しいなどというセリフを吐く人たちの気持ちも理解できなくはない。
今日本はタモリさんが昨年12月「徹子の部屋」で漏らした「新しい戦前」という言葉がじわーっと国民の心の中に広がりつつある。
今、私たちは「新しい戦前にしないために」を合言葉に戦争反対の国民運動を始めて行かなければならないんでしょうね!!
僕に何ができるのか
僕は国会前の「ハンスト」も考えたけど。
あなたには何ができるのか??
(2023/7/3)記述
注:タレントのタモリさんが12月28日放送の『徹子のお部屋』に出演し、2023年について聞かれて「新しい戦前になるのでは」と答える一幕があった。
『徹子の部屋」2022年最後の放送のゲストとして登場したタモリさん。
番組終盤で,司会の黒柳徹子さんから「来年はどんな年になりますかね」と尋ねられると、少し考え込んだ様子で、苦笑いも浮かべながら、こう答えた。
「誰も予測できないんですよね。これはね。でもなんて言うかな。新しい戦前になるんじゃないですかね」
畔柳さんが「新しい戦前」とだけ切り返したところで,次の場面に切り替わった。
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1940年3月13日生まれ。福岡県出身。京都大学卒業後、毎日新聞社に入社。大阪本社社会部、東京本社社会部、テヘラン特派員、『サンデー毎日』編集長を経て、同社を退職。1989年より活動の場をテレビに移し、「ザ・スクープ」キャスターやコメンテーターとして活躍。山あり谷ありの取材生活を経て辿りついた肩書は“ニュースの職人”。2005年、大腸がん4期発覚。その後も肺や肝臓への転移が見つかり、4度の手術を受ける。以来、がん患者やその家族を対象とした講演活動を積極的に行っている。2010年よりスポーツジムにも通うなど、新境地を開拓中。