沖縄を平和のハブに!ミサイルでなく、対話を!
社会・経済ミサイルではなく対話を!
沖縄は、日本、中国、台湾、韓国、東南アジアなどとも歴史的に近い、文字通り東アジアのハブの位置にある。歴史的に豊かな文化と周辺地域との経済・文化交流を実現してきた。
しかし、もう一つ、近代には、日本とアメリカ、日本と中国などの「境界線」として、境界線地域だからこそ、対立の最前線になってきた。そこにミサイルが配備され、戦争になれば最前線になり、多くの市民が犠牲になる、というつらい歴史も背負ってきた。そんな歴史の繰り返しをもうやめよう! 平和と対話を!これが沖縄を平和のハブに!の理念でもある。
ミサイル基地でなく対話を!欧州の、全欧安保協力会議(CSCE)のように、話し合いで安全保障や環境問題や食や文化や生活を共同で考える、「東アジアの国連」を新しい首里城に、を目標に掲げ、
これからも沖縄の平和のあり方を、考え続け実行し続けていきたい。
私は父が広島で被爆し、母が大空襲で家族を亡くした。被爆2世であり、絶対に二度とこのアジアの地で戦争を起こしてはならない、というのは私のミッション、使命でもある。
台湾有事をどう回避するか?
ロシアによるウクライナ侵攻を契機に、経済競争の時代から一挙に政治と安全保障の時代になり、
中国が台湾を攻撃するかもしれない、という「台湾有事」への危機感が国内でも強まった。
その背景になにがあるのか?東アジアで戦争を起こさせないために、どうしたらいいのか?
重要なのは、近隣国と「経済や文化・食、そして若者交流」で連携すること。平和と繁栄、共存の未来を見据えて楽しく頑張ることが大切だ。
なぜ今、「沖縄を平和のハブに!」なのか?
ひとつは、アジアの時代ということ。
背景にあるのは、アジアの経済、IT AI 教育、芸術などの急速な成長である。
いま「台湾有事」が叫ばれる背景には、中国を初めとするアジアの経済成長がある。
欧米の時代が頭打ちになり、ゆっくりと終焉に向かい、アジアの時代が到来しつつある。
100年後、世界人口はアジアとアフリカで8割を超える。
この「新しい8割」は「世界の半分が飢える」と言われた20世紀の貧困のアジア、アフリカではない。
IT(情報技術)やAI(人工知能)を持ち、世界経済を発展させ、日本以上に教育熱心な、中国やインド、ASEAN(東南アジア諸国連合)がけん引するアジア、アフリカだ。
ふたつ目は経済である。2022年の名目国内総生産(GDP)は1位が米国、2位が中国、3位が日本だ。中国は2010年に日本を抜き、たった12年間で日本の4倍に成長した。5年後の28年には米国を抜くと言われる。
米金融大手ゴールドマンサックスの推計によると、あと50年後、今の子供が成人し社会の中枢をになう頃には、世界経済の1位が中国、2位インド、米国は3位に転落する。
その後のトップ8はなんと、インドネシア、ナイジェリア、パキスタン、エジプト、ブラジルだ。日本は12位に転落する。経産省の知人によれば、もっと早く転落すると言っていた。日本の負債が1000兆円を超えているからだ。
あと50年もすれば先進国が入れ替わる。G7が後発国になる。G20がトップ8に立つ時代になる。日本はトップ10から転落。既に大学のアジアトップ10ではもう何年も東大京大は入っていない。10中5つまでが中国と香港で占められている。これが近未来だ。世界を牽引するのは, 中国、インド、ASEAN中東アフリカ諸国。少子高齢化が進む日本はあと40年で労働力人口が半減、GDPも半減する。
改革は急務で、防衛費やミサイル、司令塔にお金を使っている場合ではない。
にもかかわらず今、世界は不安定化する危機の時代。米欧の頭打ち状況だからこそ、大国のナショナリズムが高まり、軍事力で世界秩序を維持しようとしている。欧米によるウクライナへの軍事支援の目的はロシアを倒すこと以上に、中国を「封じ込める」ことにある。中国が経済力で米国を追い抜く前に、軍事力で封じ込めようとしているのだ。
■どうすべきか?レジリエンス【回復力】と、コラボレーション(共同)
この状況をいかに克服すべきか。スイスで開かれたダボス会議、世界経済フォーラムが答えを出している。それは、レジリエンス(回復力)、相互信頼、対話と、コラボレーション(共同)、イノベーション改革。
人間の善意と総意工夫によって危機をチャンスに変える!ということだ。
特に急速な人口減少、あと40年で労働力が半分になる日本は、近隣国や移民との共存が不可欠だ。
中国、インドを含む世界経済は密接に結びつき、経済と文化で協力すれば戦争は必要ない。
にもかかわらず、中国の成長を恐れ封じ込めようとしているのはアメリカである。日本はそれに乗って、戦争すれば絶対負ける戦争に備えるために、沖縄に数百発のミサイル配備を進めている。
沈滞しつつある日本経済が浮上する可能性を、なぜミサイルで撃ち落とす準備を進めているのか。
そうでなく、近隣国との友好こそが日本を幸せにする鍵なのだ。
米国のバイデン政権は「価値の同盟」を打ち出し、「民主主義」対「専制主義」という構図で世界を二分している。成長するアジアやロシアを専制と呼び、軍事力を強化し、同盟国に武器を輸出している。安全保障面では日米豪印の「クアッド」「クアッドプラス」、米英豪の「オーカス」「ファイブアイズ」などで何重もの網の目からなる軍事諜報網IT AIによる封じ込めを促進している。
地政学的に米国から日本を眺めると、約3千㌔にわたる列島、1300㌔の南西諸島は、中国やロシアが太平洋に進出するのを封じ込める自然の要塞となる。ここに反撃能力(敵基地攻撃能力)を持つ形でミサイルを配備すればどうなるか。日本はパールハーバーと同様7倍も8倍も大きな敵に向かい、ミサイルを配備し、負ける戦争を着々と準備している。もう「戦前」は始まっている。そして、戦争はふとしたきっかけで始まり、始まったら終えるのは極めて難しい。ウクライナと同じだ。
■最も重要なことは、沖縄を経済と平和のハブとし、東アジアで、絶対に戦争はしない!と誓うこと。
第二次世界大戦末期、日本の近衛内閣は、45年2月、敗戦の半年前に停戦を要求する上奏文を天皇に提出したが却下された。
停戦拒否の結果どうなったか?3月にはカミカゼ特攻隊が編成され、10代20代前半の若者が、250キロの爆弾を抱えて、米艦隊に突っ込んで無駄死にを強いられた。
3月末には沖縄戦がはじまり、ひめゆり部隊を始め、多くの住民が、自決、他殺により殺されていった。東京大空襲を始め、全国のじゅうたん爆撃、最終的に広島と長崎の原爆投下という世界最大の悲劇と犠牲が、停戦を却下した半年に起きている。45年2月、停戦を本気で始めていたら、起こらなかった悲劇なのだ。
同じことがウクライナで繰り返されている。これから大々的な反撃に出るという。英国が提供した劣化ウラン弾により、ウクライナ東部での戦車の爆破、それによる人々と地域の被爆が始まる。
また大量の犠牲を出す前に、すぐに停戦すべきだ。
ウクライナの戦争が続けば、東アジアの緊張と危機も高まり武器が配備される。だからこそ中国は仲裁を始めた。一方日本は、ミサイル配備、地下司令塔を急ピッチで拡大している。誰のため、何のためか?
東アジアで戦争をさせないために私たちは何をすべきか。沖縄を経済、文化、若者交流、平和のハブにすることだ。そもそも沖縄は、歴史的にも東アジアの中心に位置し、中国韓国台湾、東南アジアと友好関係を築いてきた。沖縄・台湾をミサイル基地にするのではなく、経済と文化、観光、ITの中心にしていく。
沖縄をハブとして、東アジアの平和と発展を実現する。
モデルはヨーロッパにある。冷戦期、1975年に中立国フィンランドで会合が開かれ、東西の国々が武器ではなく、話し合いによる問題解決が始まった。バチカン、若者、モナコ、すべてが入って話し合いが始まり、そして15年後に冷戦が終わった。対話と外交が、冷戦を崩した。
沖縄県は玉城知事の下、「地域外交室」をつくり、独自に韓国、中国、台湾と交流を始めている。
地域、自治体、市民、若者が、未来の平和を作る。
東アジアの国連を市民の手で、実現しよう。ミサイル配備でなく対話、、若者交流によって未来を創ろう。
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博士(国際関係学)、青山学院大学名誉教授、神奈川大学教授、世界国際関係学会アジア太平洋会長、グローバル国際関係研究所 所長、世界国際関係学会 元副会長(2016-17)。