岸田長男と安倍妻「公邸私物化」の犯罪 世襲議員と「王朝化」する日本の政治体制
政治世襲代議士の横行により政治が利権化したために、日本は没落へと急転直下して、現在の無惨な姿になり果てた。小泉純一郎と安倍晋三による長期政権こそが日本をどん底に突き落とし、後進国への仲間入りをさせたのである。
保守本流の宏池会に属する岸田文雄に政権が移っても、世襲議員の弊害は続き、無能と腰抜けぶりは相変わらずだ。売国政治を繰り返して世界中に恥を晒しており、まさに日本の末期症状にほかならない。
世襲議員の巣窟になった政界では、贔屓政治(nepotism)の蔓延によって、無能な大臣が続出している。至る所にゾンビが跋扈し、魑魅魍魎の政だ。自民党が邪教に乗っ取られているうちに格差の拡大が進み、日本国民の大半が貧しくなった。国民は未来に希望を持てず、閉塞感が日本列島を覆っている。
そんな酷い暴政を批判する国民の声が至って弱い理由は、首相だった安倍が言論界に対し懐柔と弾圧工作を試み、自ら邪教の広告塔を演じる売国行為に明け暮れたからだ。こうした異常事態の常態化が、民主的な政治を破壊し、統治における「王朝化」を促している。
権力が腐敗の度合いを強めたあげくカタストロフ(破局)を招き、国家が死滅することは、政治学における基本原理である。政治学者は、国家が民主的な共和制から独裁的な帝国体制になり、暴政化して破綻・破滅に至るプロセスに着眼して、歴史法則を導き出す。そして政治における病理学という形で、体制の遷移理論を作り上げた。
そうして著されたのが、ハーバード大学のダニエル・M・スミス准教授の『王朝と民主主義』である。同書でスミスはこう述べる。
「政治家一族以外の人々が政治参加を妨げられることは、民主主義にとり大きな障害だ。また、特定の一族の利益のために政治が行なわれることは、民主主義の観点から大きなデメリットとなり、腐敗につながることになる。しかも、議員の世襲にはメリットがなく、汚職や怠惰をはじめ無責任など最悪の事態が顕著に現れ、国民の利益を大きく損ない、国家の没落につながる」
日本の認知科学者の苫米地英人も『世襲議員という巨大な差別』(サイゾー)で、世襲制がいかに異常かについてこう書いている(要旨)。
「2021年8月10日現在、全国会議員の約28%が国会議員と3親等以内の現職であることから、今の日本には民主主義がない。しかも、総理大臣は何10年も前から世襲議員です。宮澤喜一、橋本龍太郎、小渕恵三、小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎はすべて世襲議員。菅義偉など数人は世襲ではありません。ただし、菅内閣の閣僚20人のうち12人が世襲であるとされている。安倍内閣も世襲が多く、麻生内閣も世襲が多かった。安倍内閣の過半数も世襲です」
「日本は世襲の人数が多すぎる。ドイツ、アメリカ、イスラエル、ニュージーランドで、下院議員の世襲率を調べると、1995年から2016年までの間で、ドイツの世襲率は2%未満。比較的多い米国でも6~8%で、他の先進国もおよそ10%未満です。ところが日本の場合は、実に25%が世襲議員だった」
この「日本病」を克服しない限り、この国は没落するだけだ。少子化を伴う人口減少とともに、国力が大衰退する悲劇である。最優先の課題をこのまま放置し続ければ、数年後にも阿鼻叫喚が襲来するだろう。
生命体の末期は退嬰化が進み、新陳代謝がなくなる。役職や地位が世襲化すれば、外部の人間が排除され、実力競争が消えてしまう。動きがなくなれば腐敗が進み、最後の段階で破断界が出現する。これが「死に至る病」であり、臨終を告げる症候群である。
米国を衰退させたネオコン政略
同じことは、米国でも始まっている。共和国としての精神が消え、大統領の世襲化が進み、世界覇権の終わりの到来を告げているのだ。
8年続いたクリントン政権後に復活した共和党により、2001年にブッシュ王朝が登場するとともに、米国ではネオコンによる支配が引き継がれた。ブッシュ政権は戦争屋を閣僚に集め、アフガニスタンやイラクで無謀な侵略戦争に終始し、自滅の路線を突き進んだ。民主党と共和党は対立の関係に見えても、旧ソ連の政治史を鏡とすれば、グローバリズムのトロツキーと自国優先のスターリンが、資本主義体制の米国で張り合っている関係である。
初期の参加者だけが儲かるピラミッド型の投資話は数学的な詐欺に属するため、健全な近代国家は「ポンジ金融」を禁止することで、自制力を保っていた。しかし、ウォール街がこの禁じ手を破った。倫理的な自制力は社会の徳性とされていたが、鎮痛・陶酔のオピオイド現象の流行で、欲望が解放され、パンデミックを発生させている。
これは資本主義の持つ生理といえる。投資資金の運用法として、①収入で元利合計を回収する「投資金融」②含み資産を収入にする「投機金融」③借り入れで利息を払う「ポンジ金融」がある。すでに現在の資本主義は「ポンジ金融」が主流となった。米国をはじめ世界の経済システムが、帳簿上の架空利益に基づく虚構の数字で成り立っているということだ。
米国では、前述したように21世紀に入り、ブッシュジュニアが大統領に就いたことで、ブッシュ王朝が誕生した。これは、建国の父たちが最も危惧した、アメリカの衰退を示す最悪の事態だった。
さらに16年にはブッシュジュニアの弟でフロリダ州知事のジェブ・ブッシュが大統領候補となり、その職を私物化しようとしたが、予備選挙で敗北したおかげで米国の破綻は一時的に救われた。しかし、2016年の大統領選挙では、ビル・クリントンの妻ヒラリーが国務長官から大統領になろうとして、新たな王朝が生まれかけた。
米国の政治は混迷を露呈し、共和国を作った理想は風化していく。結局、共和党から民主党へと政権交代するも、その中核にはネオコンがいて、反ロシアのシオニストたちが国務省と国防総省を支配して外交戦略のかじ取りを担い、米国の一極支配のさらなる推進を図ることとなった。
ブッシュジュニアの祖父にあたるプレスコット・ブッシュは、鉄道王ハリマン家の息子と共同で投資銀行のユニオン・バンキング・コーポレーション(UBC)を経営し、ドイツのティッセン財閥と親しく、ナチスに融資して財を築き、ブッシュ財閥の基礎を作って息子と孫を大統領にしている。また、ビル・クリントンはイエズス会系のジョージタウン大学でキグリー教授の指導を受け、ローズ奨学生としてオックスフォードに学び、帝国主義の訓練を施されて大統領になったことから、王朝を築く候補にもなり得た。
それでも、ブッシュ家やクリントン家が作り上げた王朝は、日本の歴代首相に較べれば、危険の度合いは軽微だといえる。日本の酷さは格別で、世襲の弊害の解消を図ることは、最優先とすべき国家課題である。日本人は北朝鮮の金王朝の世襲を危険視して騒ぎ立てても、それ以上に病膏肓に至り、瀕死に近い自国の状態に気づかないのが不思議である。
安倍昭恵と「3羽烏」による首相官邸の私物化
森友事件は安倍晋三の妻・昭恵が、園児が教育勅語を唱え軍歌を歌う幼稚園の学校法人と結びついて名誉校長となり、小学校の土地買収で国有地を9割引した疑獄事件だ。安倍晋三が国会答弁において、「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と答えたために、役人たちが権力者に忖度した。その連鎖反応で、事実隠蔽のため文書の改ざん・廃棄が行なわれて死者まで出たが、パワハラの主人公の佐川宣寿理財局長は、虚述の功績で国税庁長官に栄転した。
これを国民は「盗人猛々しい」と感じたし、昭恵は何のお咎めもなく事件は有耶無耶で終わった。しかし、これが安倍政権の実態であり、暴政が支配したゾンビ政治だった。公認会計士・山根治のブログ記事を単行本化した『日本のゾンビ政治の病理』(アマゾン・キンドル)の第1巻2章に「安倍昭恵を巡る『3羽烏』」について、私のコメントを掲載した箇所がある。昭恵が首相公邸を私物化し、仲間を呼んで遊び場に使い、写真を撮りまくった話だ。
「三羽烏」とは、安倍昭恵・鈴木雅子・光永(長谷川)佐代子の飲み仲間3人である。彼女らの素行はネットで調べただけで、昭恵についてはオカルト趣味の体験談や、時にはハングルでの書き込みに行き当たる。洋酒・嗜好品業も営む鈴木は、昭恵とともに首相官邸を舞台に遊び歩き、自己顕示のお花畑である。
首相官邸は国家の聖域に属し、2・26事件などでは惨劇の舞台になった。要人の安全保持のために、内部の構成や間取りは機密に属しており、一般には知らされないはずだ。ところが、仲間たちの記念写真の形で、それがネットに公表されており、その無神経ぶりには呆れる。攻撃を企むテロリストにとっては、何枚かの写真は情報源になるし、未来の首相が惨事に遭遇しないために、軽率なことは許されない。昭恵自身は住みたくないにしても、だ。
光永佐代子と鈴木雅子の本籍は米国投資会社のゴールドマン・サックスである。首相の妻に接近して情報源にすれば、国家機密は外国に筒抜けとなる。その可能性を探るには、複数の情報源を組み上げてジグソーパズルを解く必要があり、その素材として、過去に書いた次の記載を挙げておく。頭の体操になるはずだから、皆さんが謎解きに挑んでほしい。
「黒川弘務東京高検長が賭け麻雀で違法行為が発覚しても、議員が賄賂を受け取っても罪に問われることがなく、法から正義が消え去り綱紀粛正の片鱗もない。詐欺容疑で逮捕されたジャパンライフの山口隆祥は、『桜を見る会』において首相枠のゲストだが、悪質な詐欺師が広告媒体として使った雑誌が『ポリスマガジン』だった」
この「ポリスマガジン」の発行人は、慧光塾の光永仁義である。光永は安倍晋太郎の元私設秘書で、晋3は光永の売る「神立の水」を、霊験を感じるとか病気が治るとかで愛飲していた。この問題についてはジャーナリストの山岡俊介がニュースレターで発信しており、そこにはライブドアをはじめ、沖縄で怪死した野口英昭の名も登場する。
さらに月刊「ファクタ」は、エイチ・エス証券の野口が切り傷多数で死亡し、自殺とされた事件が法医学的に不自然で、1988年に発生して死亡・失踪者を出した仕手集団コスモポリタン事件と比べても疑問が多いと論じていた。また、英紙「フィナンシャル・タイムズ」も野口の死に疑問を呈しており、英国の特派員の話として、マネーロンダリングに関連して香港の黒社会が関与していた可能性を示唆していた。
蛇足として付け加えると、光永仁義の内妻として慧光塾を継ぎ教祖になった佐代子が、鈴木雅子や昭恵と一緒に六本木周辺で遊び歩いていたのを特派員が目撃して教えてくれた。彼も、光永佐代子や鈴木雅子が首相の妻に接近し、情報が外に流れることを危惧していたが、政府が韓国のLINEを使っている時点で、日本の情報は外国に筒抜けだ。
安倍政権では、ゴールドマン・サックスと結ぶ極めて不審な事件が起き、日本の経済界は大打撃を受けている。ゴールドマン社長と無二の親友という西室泰三は東芝会長や東京証券取引所社長を歴任するなかでライブドア事件に関与、ウエスティングハウスの買収劇では東芝を倒産寸前にし、日本郵政では数千億円の損失を出した。西室はニューヨークで東芝アメリカ社の副社長を務めており、中国投資公司(CIC)では有識者会議員として、ゴールドマン・サックス勢とどんな関係を持ったかは、日本のメディアは調べるに値しないのか。
なお、前出の山根は2017年2月28日付のブログに、「安倍総理を操るサイコパス・エイジェント光永佐代子を叱る」を書いている。
「下村博文大臣についていえば、どのような裏工作をしたのかは知らないが、この人物、夫人ともども安倍総理にゴマをするだけでなく、(晋三の母)安倍洋子と安倍昭恵夫人をマインド・コントロールしている、サイコパス・エイジェント光永佐代子にゴマをすって、大臣にしてもらった経緯がある。いわば、佐代子センセイ“命”といったゴマスリ男だ。詐術師のあなたの意向であれば、何をしでかすかわかったものではない」
首相公邸での乱痴気騒ぎとバカ息子の任命責任
そして現在、いくら長男を世襲議員として稼業を継がせる腹積りにしても、こんな愚劣な男を首相秘書官にして、さらなる政治の私物化を企んだ岸田文雄の愚かさには呆れるほかない。私はフランス時代にパリの三井物産で資源開発担当の顧問を務めており、小泉純一郎が首相になった時に、上司の総支配人が、「わが社の係長レベルの人が首相とは」と嘆息した話は拙著に書いた。岸田も係長補佐レベルだから、日本の運命は明るくない。三井物産の平社員だった岸田翔太郎が、次官級の首相補佐官とは狂気の沙汰である。
さて、最近の日本は、翔太郎が首相公邸に親戚と遊び仲間を集め、忘年会で傍若無人の記念写真を撮りまくり、公私混同で辞任した醜聞記事の大洪水に見舞われた。しかし、これが今に始まったわけではないのは先に述べたとおり。安倍昭恵と飲み仲間が首相公邸を遊び場に使い、内部写真を撮りまくって公開していたのに瓜ふたつの愚行だった。
翔太郎と同じように、軽率な案内役をしたのが安倍の妻の昭恵であり、酒好きで素行不良が知られ、国家機密の安全保障の面で実に由々しいと痛感した。しかし、その追及は新聞記者の仕事だから、私はヒントだけの警告でその時はすませた。だが、安倍が射殺されたことで、日本の首相が統一教会の広告塔役を演じ、政権与党の議員の多くが韓国の邪教と結託し、売国行為をしていたのが明るみに出た。ことの重要性と安倍夫妻の立ち位置が、いかに際どい存在だったかが再認識させられる。
それは『安倍晋三の射殺と三代の腐れ縁』を執筆するに際し、多くの文献を参照し情報を総合して検討すると、疑惑の山が次々と結びつき、地下に潜んでいた闇の世界が浮かび上がったおかげだ。『安倍晋三の射殺と三代の腐れ縁』は英訳し、『Divine Retribution』(本記事タイトル写真)の題で米国のアマゾンで無料公開した。副題は「ウクライナ戦争と安倍暗殺を巡るNeoconとMoonieの謀略コネクション」で、石油利権とオルガルヒを扱い、ユニークな内容として注目を集めている。(本文中・敬称略)
(月刊「紙の爆弾」2023年8月号より)
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フリーランス・ジャーナリスト。『皇室の秘密を食い荒らしたゾンビ政体』『日本に巣食う疫病神たちの正体』など著書多数。海外を舞台に活躍する。