【連載】ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン
ノーモア沖縄戦

メールマガジン第108号:「戦争ができる国」から「戦争をする国」へ 県民の多大な犠牲免れない

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本紙元旦号は防衛省シンクタンク・防衛研究所が、台湾有事で「中国との長期戦想定」をスクープ。3日号に高橋杉雄・防衛政策研究室長が「半年から1年」、それ以上の「長期戦」を想定するインタビューを掲載した。

中国との「長期戦」は沖縄諸島の「ミサイル戦争」を想定している。高橋室長は「長期戦のリスクはある。勝利しても地域全体が、台湾を含めウクライナのような破壊を受ける可能性が高い」としている。台湾、沖縄がウクライナのような戦場になるというのだ。

高橋室長の「勝利しても」の言葉に注目したい。高橋氏の言う「勝利」とは「台湾の防衛」であって、「沖縄県民の命を守る」意味ではない。日米が「中国の侵攻から台湾を守る」ための軍事作戦を想定し、「県民の命を守る」ことは作戦の目的ではない。

沖縄がミサイル戦場となれば県民は多大な犠牲を免れない。高橋氏は「中国は米軍や自衛隊をピンポイントで狙える。民間人を意図して狙うことはない」、だから「民間人の巻き添え被害はほとんどない」と言う。これほど県民を愚弄する言葉はない。78年前の沖縄戦は米軍上陸から3カ月の戦闘で20万人以上が犠牲になった。「半年から1年」それ以上の長期戦で、沖縄戦以上の犠牲は必至だ。中国ミサイルは精度が高いから住民被害は少ない、というのはあまりに無責任だ。

軍事専門家の小西誠氏は米国防省シンクタンクの台湾有事想定報告書を解説し「米軍、自衛隊、台湾軍の甚大な兵員、戦闘機、艦船等の損害を想定するが、沖縄住民の被害は一言も触れられていない」(東京新聞)、また「嘉手納だけでなく、横田、三沢、岩国基地も参戦し、戦闘機の被害を軽減、攻撃目標を分散させるため民間空港も使用される」、「核戦争へのエスカレートも懸念される」(同)としている。

共同通信・石井暁専任編集委員は沖縄タイムスの取材に「安倍元首相が日本を『戦争ができる国』にし、岸田首相が『戦争をする国』にした」と述べた。安保法制で「米軍の戦闘に自衛隊が自動参戦」、安保3文書の敵基地攻撃力保有、長射程ミサイル配備で「日本が戦争をする国」への実戦態勢に入ったと見ている。

「台湾有事」は「日本有事」ではない。米軍、自衛隊が介入するから中国が矛先を沖縄、日本に向け「日本有事」になる。日米政府の「中国脅威論」に騙されてはいけない。

小西誠氏、石井暁氏を招く「どうなる沖縄~台湾有事シミュレーション」講演会を、3月12日(日)午後1時から宜野湾市民会館で開催する。入場無料。問い合わせは電話090-2716ー6686(新垣)。

新垣邦雄(ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会発起人)

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