【特集】イスラエル・パレスチナ問題の背景と本質

【第328回】パレスチナ・イスラエル紛争 ~日本は「アメリカ軍事」から離れ、「平和仲介」を

浜地道雄

【第326回】 パレスチナ・イスラエル紛争 ~ 「共存」に向けて日本が平和仲介を! – 浜地道雄の「異目異耳」

10月11日付け拙稿にて、10月7日発生のハマス(パレスチナ)によるイスラエル交戦について、ハマスを「テロリスト」とする多くのメディアの記述・解説に触れた。が、これを持って事態を見過ごしてしてはならない。

拙稿にて筆者は、「オスロ合意(1993年)」の基本項「共存以外にない」と主張した。そして、その結語として「元凶はアメリカの対外軍事政策の誤り」と指摘した。ベトナム、イラク、アフガニスタン、ウクライナ、パレスチナ・イスラエルーー。

現下、(護憲)市民運動がイスラエル大使館への抗議デモを開始している。それはよし。が、やはり「元凶たるアメリカ」への訴えが無ければならない。

男女四人の子供たちを(日本での初等、中等の後)「憧れのアメリカ(NYC)」で教育を受けさせた筆者は本来親米派ではあるが、現下の情勢を強く懸念する。

そんな折、バイデン米大統領は他案件を留保し、急遽18日、イスラエル(ネタニアフ首相)を訪問。イスラエル支持を表明した。

その後、ヨルダンのアブドラ国王、パレスチナ自治政府のアッバス議長らと会談する予定だったヨルダン訪問をバイデンは中止した。17日、ガザで起きた病院への攻撃で約500人が死亡したことを踏まえてのとのこと。

そして、18日(NY時間)。あろうことか、アメリカは国連安保理事会において議長国ブラジルが提出した「人道支援のための戦闘一時停止決議案」に拒否権を発動し、議案は否決された。(ロシア、イギリスは棄権し、メンバー15ヶ国のうち、日本を含む12ヶ国が賛成)

さあ、我々は「軍事大国アメリカ」への抗議をーー。

日米(軍事)同盟下、米国政策に「追随」の日本。我々が何よりもすべきは日本政府へのアピールだ。「9条を擁し」「宗教的にも中立」な日本国の役目・義務は、「軍事アメリカ」から離脱し、「平和仲介」である、とーー。

バイデン・ネタニアフ 10月18日 (BBC)

 

キッパを頭に嘆きの壁で祈るトランプ2017年5月 (AFP)

近年の米国の「親イスラエル」傾向は、トランプによる大使館の(テルアビブから)エルサレムへの移転問題にみられる。象徴的には2017年、エルサレム訪問時の米大統領としては初めての「嘆きの壁」での祈りである。

https://hamajimichio.hatenablog.com/entry/2020/10/08/000000
(後半にトランプの信仰、プロテスタントを記してます)

拙稿後半:トランプ家は、本来はキリスト教プロテスタントなのだが、娘イヴァンカは夫クシュナー(ユダヤ教徒)に従い「改宗」した。

 

(本記事は、浜地道雄の「異目異耳」 2023-10-16 からの転載記事です。)

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浜地道雄 浜地道雄

国際ビジネスコンサルタント。1965年、慶応義塾大学経済学部卒業。同年、ニチメン(現・双日)入社。石油部員としてテヘラン、リヤド駐在。1988年、帝国データバンクに転職。同社米国社長としてNYCに赴任、2002年ビジネスコンサルタントとして独立。現在、(一財)グローバル人材開発顧問。「月刊グルーバル経営」誌にGlobal Business English Fileを長期連載中。

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