私たちはソシオパスと愚か者たちに支配されている:ケイトリン・ジョンストン We Are Ruled By Sociopaths And Morons: Caitlin Johnston (Japanese Translation)
国際X(旧ツイッター)で約30万人のフォロアーをもつ、オーストラリア在住のジャーナリスト、ケイトリン・ジョンストン氏の最新の投稿を和訳しました。(ジョンストン氏の方針により、ジョンストン氏の仕事は転載自由とされています。この翻訳はDeepl訳を直したものです。アップ後修正する可能性があります。)
2023年10月31日
ケイトリン・ジョンストン
ガザ危機に対する西側諸国の指導者たちやメディア関係者、有名人たちの反応を見ていると、私たちが本当に最低な者たちに支配されていることをはっきりと示している。最も賢くない者たち。最も知的でない者たち。最も思いやりがない者たち。最も洞察力に欠ける者たち。私たちはソシオパス(社会病質者)と白痴に支配されているのだ。
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いま、人々は次の2つの選択肢を与えられている:
- ガザのパレスチナ人は、ユダヤ人をただ殺したいだけの邪悪なオークのような野蛮人であるから檻に入れて殺さなければいけない。
- ガザにいるパレスチナ人は、自分たちに加えられた耐え難い人権侵害に反発している、考えることのできる人間だ。
どちらがより信じられるだろうか?
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私たちは、イスラエルがハマス排除のために、何千人もの市民を殺害する容赦ない爆撃作戦を展開する必要があると聞かされている。それは、恒久的な和平を達成するためにはハマスを壊滅しなければならないからだ。この言説は最初から最後まで明らかな嘘である。
まず、和平を達成するためにはハマスの排除が必要だという前提が誤りである。和平は、そもそもハマスが生まれた原因である人権侵害をなくし、過ちを正すことで達成できる。もし1948年以降の窃盗と不正義が撤回され、難民が帰還する権利を持ち、アパルトヘイトによる虐待が終わり、人々が基本的な人間としてのニーズを奪われた巨大な強制収容所に収容されなくなれば、ハマスが現在の姿で存在し続けたり、暴力的な抵抗を続けたりすると信じる合理的な理由はない。
第二に、虐待的な現状を受け入れるように人々を爆撃できるという前提は、明らかに無茶な話だ。たとえイスラエルがハマスのメンバーを一人残らず殺したとしても、イスラエルの残虐性を目の当たりにし、それを受け入れようとしないたくさんの人々がこの猛攻撃から生き残るだろう。孤児となった少年たちや、愛する人が爆弾で引き裂かれるのを目の当たりにした男たちが、この先も現状に甘んじるとでも?もちろんそんなはずはない。
イスラエルはそれを知っているからこそ、この猛攻撃の生存者全員をガザから追い出し、シナイ半島の難民キャンプに放り込むことを好んでいるのだ。イスラエルは、自分たちのやっていることが何一つうまくいかないことを知っているし、うまくいくような償いをすることも拒否している。だから、ガザ住民を一方的に排斥することだけが唯一の選択肢なのだ。民族浄化と強制移住はどう考えても「平和」ではないが、それによってイスラエルは虐待的な現状を維持できるかもしれない。
イスラエルが持続可能な安定を得るための唯一の選択肢は、このような事態を招いたすべての過ちを正すか、あるいは逆に、「パレスチナの問題」にきっぱりと対応するために、はるかに多くの過ちを犯すかである。イスラエルが後者を選択したことは、今回の件を見ても明らかだ。
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パレスチナ人が強制収容所から脱走し、イスラエル人をたくさん殺したと発表したとき、不都合にも多くのの人々が「 待てよ、彼らは強制収容所で何をしていたんだ」と尋ね始めたという問題に、プロパガンダを運営する者たちはまだ頭を悩ませている。
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私は、恐ろしい強制収容所のトラウマを抱えた囚人たちが、強制収容所から脱出してどのように行動すべきだったかを論じることほど、道徳的にも哲学的にも意味もないことはないと思う。私の知る限り、10月7日に起こったことはすべて、何世代にもわたるイスラエルによる虐待と、それを可能にしたイギリスの決定、そしてそれを継続させてきたアメリカの後ろ盾の結果だ。
イスラエルの政策がハマスを生み出した。これは、「ネタニヤフ首相が和平を妨害し、より穏健な対抗勢力を弱体化させるためにハマスを後押しした」というような通常言われているような意味ではなく、「平和的革命を不可能にする者は、暴力的革命を不可避にする」という意味だ。可能な限りの平和的抵抗の道を踏みつぶしてしまえば、当然、暴力的抵抗を好む党派が台頭してくる。
この紛争を理解する上で私にとって最も重要だったひとつの経験は、2018年にイスラエル兵が抗議者たちに対し、スナイパーライフルと実弾で発砲するのを目撃したことだ。ベツェレムはこれを不法行為として明確に非難した。イスラエルがパレスチナ人を平和的解決に向かう通常の道筋から全て切り離していることを明確に示していた。
今回の件が起こったとき私は言った。ハマスの攻撃は最終的にパレスチナ人にとって得るよりも失うもののほうが多い結果になると思うが、パレスチナ人が取るべき前向きな方向性というものを誰も明確にできないので、私は良心の呵責から、「ハマスを非難」することはできないと。すべての平和的な抵抗の道が断たれたのは、パレスチナ人のせいでもハマスのせいでもない。イスラエル政府の責任だ。
ハマスとは、何百万人もの住民を強制収容所に閉じ込め、人間が生きていくために最低限必要ものを遮断し、平和的な革命を不可能にする、耐え難いほど虐待的なアパルトヘイト国家を作ったら結果として生み出されるものだ。ハマスという病気があるのではなく、ハマスは病気のひとつの症状なのだ。この病気はなにかと言えば、果てしない暴力、戦争、虐待なしには存在し得ない、アパルトヘイト入植者植民地主義プロジェクトなのだ。
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私は、平和を求めることによって、子どもの大量虐殺を支持する人たちから辱められたり悪者にされることを断固拒否する。
(翻訳以上)
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※この記事はカナダ・バンクーバー在住のジャーナリスト・乗松聡子さんが運営するPeacePhilosophyCentreの記事
(私たちはソシオパスと愚か者たちに支配されている:ケイトリン・ジョンストン)からの転載です。
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東京出身、1997年以来カナダ・バンクーバー在住。戦争記憶・歴史的正義・脱植 民地化・反レイシズム等の分野で執筆・講演・教育活動をする「ピース・フィロ ソフィーセンター」(peacephilosophy.com)主宰。「アジア太平洋ジャーナル :ジャパンフォーカス」(apjjf.com)エディター、「平和のための博物館国際ネッ トワーク」(museumsforpeace.org)共同代表。編著書は『沖縄は孤立していない 世界から沖縄への声、声、声』(金曜日、2018年)、Resistant Islands: Okinawa Confronts Japan and the United States (Rowman & Littlefield, 2012/2018)など。