【連載】知られざる真実/2024年2月14日 (水) 否定できない428総選挙シナリオ
社会・経済超低空飛行を続ける岸田内閣。
この低空飛行内閣を支えている最大の功労者は野党第一党の立憲民主党だ。
岸田内閣を退場させて新しい政権を樹立する。
政権交代に対する主権者の強い期待感が存在すれば、政治状況は一変する。
2009年9月に政権交代が実現した。
鳩山民主党が衆院総選挙で圧勝して政権交代を成就した。
この局面では鳩山民主党に対する絶対的な期待があった。
総選挙の投票率は7割に迫る水準まで上昇。
鳩山民主党は300議席を超す議席を獲得して新政権を樹立した。
この鳩山内閣を破壊したのは鳩山内閣内部に潜伏していた守旧勢力である。
対米従属、官僚主導、大資本支配政治に政権は回帰した。
菅直人内閣、野田佳彦内閣は2009年8月総選挙の果実を強奪した「転向内閣」に過ぎなかった。
この「転向内閣」が、鳩山内閣が提示した基本路線をすべて破壊して安倍自民党に大政を奉還した。
岸田内閣の支持率は地を這う状況であり、内閣不支持率が6割にも達している。
主権者である国民は岸田内閣退場を求めているが、野党による政権樹立への期待は一向に高まらない。
これが岸田内閣を支える支柱になっている。
前回の衆院総選挙は2021年10月。
任期満了は2025年10月。
他方、岸田文雄氏の自民党総裁任期は本年9月まで。
岸田氏が続投を希望するなら、その前に衆院総選挙を実施して「勝利」することが必要不可欠。
総選挙なしに自民党総裁任期切れを迎えれば続投は困難と見られる。
このことから、本年春の総選挙の可能性が存在する。
4月28日に3つの衆院補選が実施される。
現状では自公候補の3勝は困難である。
仮に3敗すれば、その時点で岸田首相辞任が確定的になる。
4月28日を衆院総選挙投票日にしてしまう。
予算を成立させ、政治資金規正法抜本改正案を提示して総選挙に突き進む。
この可能性を否定できない。
ところが、野党の足並みは乱れ切っている。
野党共闘妨害に全力を注いでいるのが「連合」。
「連合」の実権を握っているのは「6産別」。
「6産別」はかつての「同盟」の系譜を引く。
「同盟」は1960年に設立された民社党の支援母体として創設された「御用組合連合」と呼ぶべき存在。
その民社党創設に資金を投下したのがCIA。
CIAは日本の革新勢力が一枚岩で結束することを妨害するために民社党創設に力を注いだと考えられる。
この民社党・同盟が統一協会の「国際勝共連合」と極めて深い関係を有した。
「国際勝共連合」はKCIA、CIAと深く関わり、米国の反共政策の一翼を担った。
このことを踏まえると「連合」が野党共闘を徹底的に妨害している背景を容易に理解できる。
日本政治刷新を実現するには「勝共の連合」による「野党共闘妨害」を排除することが必要不可欠である。
共産党を含む野党共闘を妨害する理由がない。
共産党を含む真の野党共闘を牽引する中核野党が必要不可欠。
市民が主導して中核野党を立ち上げ、広い野党共闘連帯を構築することが急務である。
※なお、本記事は、植草一秀の『知られざる真実』2024年2月16日 (金)
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植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050