【特集】新型コロナ&ワクチン問題の真実と背景

「3回接種で特定のがんが多発」 ワクチン問題研究会が明かすメッセンジャーRNAの真実

紙の爆弾編集部

取材・文◉本誌編集部

左から村上康文理事、福島雅典代表理事、藤沢明徳理事

1月11日、厚生労働省で「ワクチン問題研究会」(以下、研究会)が2度目の記者会見を行なった。
研究会は福島雅典・京都大学名誉教授が代表理事として、昨年6月に設立。
新型コロナワクチンによるワクチン接種後症候群(PVS。以下、後遺症)に関する研究や、検査・治療方法の確立、世界で発表される論文のデータベース化を進めている。研究が「寄付と手弁当」によって行なわれている点ひとつとっても、製薬会社等をスポンサーとして運営を行なっている既存の学会とは一線を画するだろう。
以下、会見で語られた内容をレポートする。

 

1万件を超えるワクチン被害申請受理数

医療機関・製造販売会社から厚労省に報告されたコロナワクチン接種後の死亡事例は、昨年7月30日までで2122件。
予防接種健康被害救済制度に基づく1月19日までの申請受理数は1万16件で、死亡認定423件を含む認定件数は5891件。否認は1002件と1割にすぎない。3029件は未審査だ。

現在の救済制度が施行された1977年2月以来、21年12月時点でコロナワクチン以外の認定件数は3522件(うち死亡認定151件)であり、コロナワクチンだけで過去の全てのワクチンの被害認定件数を超えている。
「史上最大の薬害事件」といわれるのはそのためだ。
もちろん、この背後には申請に至らないケースが何倍も存在する。
なお、昨年8月末時点の認定件数は申請受理数8667件に対し4098件。
審査が進んでいないことがわかる。

そのような状況下にあっても、世界で日本だけが追加接種を続けていることは、本誌も指摘してきたとおりだ。
1月16日時点で7回目の接種を受けたのは約1664万人。
コロナワクチンと、それに基づくmRNA(メッセンジャーRNA)技術はすでに未知の領域に突入しており、「日本で人体実験が行なわれている」というのは比喩ではない。
研究会は会見と同日付で、武見敬三厚労相に「新型コロナワクチン接種による健康被害者の速やかな救済に関する要望書」を提出。
「接種死亡者の全例調査」「健康被害者の全例調査」「全被害者の救済・補償及び適切な医療の提供」「国のワクチン政策の検証」「健康被害者に対する適切な診断と治療に関する研究の推進」を求めた。

現状において後遺症の可能性が疑われても、ほとんどの医療機関で適切な対応を受けられない現実がある。
また、健康被害があっても訴え出ていない人もいる。
本誌昨年12月号で症状を語った後遺症患者は、医師から「精神疾患と言われた」と明かしていた。
しかし、文献データベース構築を担当する井上正康理事(大阪市立大学名誉教授)によれば、世界の医学論文の検索サービスの1つ「PubMed」だけで、コロナワクチンの副作用報告は3071報にのぼる。これは1つのワクチンの副作用としては多すぎる数だ。

 

心筋が溶けていた

福島氏はがんを専門とし、京都大学に開設された日本初の薬剤疫学(医薬品の安全性等の研究)に関する正規講座の初代教授だ。
会見ではコロナワクチンの特徴について、「抗がん剤というのは副作用の嵐だが、パターンは決まっています。
しかし、このワクチンによる副作用はパターンが決まっていない。全身に複数の疾患が同時に起こる。見たことがないというのが率直な意見」と語る。
そして、「ワクチン接種後の超過死亡増加は間違いなく起きています。統計的にみて、特定のがんが3回目接種以降に起こっているということがわかった。国へも提言・要望し、情報を共有したい」と続けた。

福島氏は「科学・医学の危機」だと強調する。
「製薬企業や特定の政策に不利な事実は圧殺される」
「死亡事例2122人は昨年7月の数字であり、その後どのように増えているのかわからない。泣き寝入りの患者さんがこの何倍かいると考えていい」と検閲・研究阻害の現実を明かした。
特に厚労省によるデータ隠しは深刻だ。
福島氏がワクチン接種回数ごとの致死率・重症化率等のデータを開示するよう請求するも、厚労省は不開示を決定。
その取り消しを裁判で求めてもいる。

2021年9月まで同省アドバイザリーボードに提示された「コロナ感染陽性者のワクチン接種回数と致死率」は、以降、公開されていない。
公開データ(2022年9月7日付)でも、「ワクチン接種歴別の新規陽性者数」は65~69歳で10万人あたり未接種194.9に対し、2回目接種者584.7、3回目接種者379.5と、むしろワクチン接種後の方が、陽性者が多いことが明らかだ。
同様の傾向はほとんどの年齢層でみられる。

この訴訟に際して昨年2月に開いた会見で福島氏は、「『ワクチン接種によって感染は防げないが重症化・死亡率は下がる』という説明のもとに奨励され、全年齢に接種が行なわれた。だが全年齢に打つ根拠はすでに2021年9月のアドバイザリーボードでなくなっているはず。
にもかかわらず接種を進めてきた。
データが生命線だと言いながら、それをきちっとやっていない。国家の重大な危機」と強調していた。

さらに福島氏は訴訟の中で、海外の製薬会社と交わされた購入契約書の開示も厚労省に求めている。開示請求に対し同省は、「公にすることにより、当該法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある」として不開示を決定していた。
「製造物責任を日本国民はファイザー社に問うことはできない。国はこれを約束した。国が補償するように契約書はなっている。結局、国はその補償もしたくないというのが本質で、被害が拡大するのを恐れているというふうに勘ぐらざるをえない」と、今回の会見で福島氏は語った。

先にも触れた通り、研究会がまず厚労省に求めるのは、ワクチン接種後の死亡者と健康被害者の「全例調査」だ。
同省のQ&Aには、「国内治験症例が少ない/ない場合、重篤な副作用等の発現が懸念される医薬品の場合、承認条件で個々に全例調査の実施を求めることがある」とあるのだ。

2021年12月~23年11月に医学学会で報告・検討された疾患を全国有志医師の会がまとめた資料によれば、心筋炎・帯状疱疹・円形脱毛症増悪・血小板減少性紫斑病・ギランバレー症候群・くも膜下出血など、症例は多岐かつ人体の全身に及ぶ。
その中で福島氏が会見で触れた1つが、接種5日後に亡くなった28歳男性のケースだ。
解剖の結果、心臓で「横紋筋融解」、つまり心筋を構成する筋細胞の溶解・壊死がみられた。
福島教授が意見書を提出するも厚労省はワクチンとの因果関係を長らく認めず、2年後、3回忌で認定に至った。
「国の政策が本当にこれで良かったのか、検証する時期に今きている。
これでコロナが終わったと思ったら大間違いで、ワクチン接種による“置き土産”がどんな形で出てくるかわからない」と福島氏は警鐘を鳴らす。

 

接種被害のメカニズムは明らかになっている

村上康文氏(東京理科大学名誉教授)が担当する「検査法開発プロジェクト」の目的は、「接種被害がmRNAワクチンによることを科学的に証明するための検査法の開発」である。
村上氏によれば、健康被害が生じるメカニズムはすでに相当程度、明らかになっているという。
大別して「スパイクタンパク質の毒性」「脂質ナノ粒子の炎症誘導活性」「mRNAワクチンの免疫の仕組み」が挙げられる。
また、ワクチン接種後の死亡例は2日目がピークとされるが、後遺症は短期的(数週間程度)にも長期的(1年以上)にも発症している。
とくに長期的な影響については、その原因を特定するために、分子レベルでの診断法の確立が必要となる。

そもそもコロナワクチンとは、コロナウイルスのスパイクタンパク質の設計図となるmRNAを脂質の膜に包んで人体に注入するもの。
mRNAが細胞内に取り込まれると、細胞内でスパイクタンパク質が作られ、それに対する免疫機能によりウイルスを攻撃する抗体が作られる、というのがその仕組みである。
それをふまえ、村上氏が挙げた健康被害のメカニズムの3点について簡潔にいえば、次のようになる。

⦿mRNAにより作られるスパイクタンパク質は有毒。ワクチン接種は毒性のある遺伝子を投与することになる。

⦿mRNAを運ぶカプセルの役割を果たす脂質も人体にとって危険であり、激しい炎症を誘発する。

⦿細胞内でスパイクタンパク質を作ること自体が、人体に激しい炎症をもたらす。
mRNAのコンセプトそのものの危険性。

スパイクタンパク質に毒性があることは、すでに多数の論文で説明されている。
その上で、病変部位にスパイクタンパク質があるかどうかを明確に証明していくことが、検査・治療にとって必要だと村上氏は語る。
現在の方法は不十分で、スパイクタンパク質の抗体のみを染色して可視化する必要があり、研究会では2つのコントロール細胞を作成し、研究者への配布を目指すという。

4月ごろには、対象となるスパイクタンパク質が実際に発現しているかどうかを確認するための実験ができる見込みとされる。
「積み重ねられた状況から見ればワクチンが原因であることは明らかでも、必要なのは物証の確立」と村上氏は解説する。

 

ワクチン接種で免疫が低下する

さらに、コロナワクチンが「IgG4抗体」を誘導することも問題だ。
本誌昨年9月号でも藤沢明徳氏(ほんべつ循環器内科クリニック院長・研究会業務執行理事)が解説しているが、ヒトの免疫の中心的役割を構成するIg(免疫グロブリン)には5種類があり、そのひとつであるIgG4は免疫を抑える働きをもっている。

これは同じ抗原により何度も強い免疫反応を繰り返すことで人体に悪影響をもたらすことを避ける働きでもある。
しかし、特定の感染症を防ぐのが目的であるワクチンの場合、免疫を抑制するIgG4が誘導されるべきではないのは明らかで、過去のワクチンにおいては開発失敗のエビデンスとされてきた。
ところが、コロナワクチンでは相当量が誘導される。接種者の免疫をかえって低下させているということだ。
現在、研究会ではどのような比率でIgG4が誘導されるかの定量的な測定系の確立を進めており、その基準材料の作成は、すでに終えているという。

「何回の接種でどの程度誘導されたかがわかり、それが後遺症の発症とどうリンクしているかがわかるでしょう」と村上氏。
最後に、「コロナワクチンが失敗したワクチンであることは明らか。失敗したワクチンを今でも打っていて、厚労省も健康被害を認定しているのに、1向に止めない状況。我々も明確なエビデンスを出していきたい」と語った。

続く井上氏の発表によれば、「PubMed」による論文検索結果では、スパイクタンパク質による血栓症が3071件中820症例以上を占めるも、血小板減少や頭痛、心筋炎など、疾患は多岐にわたる。
腕が腫れ上がる「モデルナアーム」といわれる症状を含む皮膚疾患も特徴的だ。
ちなみにこの3071件も一部にすぎず、検索方法を変えたり、他のデータベースを使用したりすることで、さらに論文数は増える。

さらに福島氏は、フランスのウイルス学者、リュック・モンタニエ氏らによる、ワクチンを原因として新型クロイツフェルト・ヤコブ病が発症した事例に関する論文を紹介。
ヤコブ病は神経難病のひとつで、難病情報センターなどによれば、脳に異常なプリオンタンパクが沈着し、脳神経細胞の機能が障害される「プリオン病」の代表的なもの。
抑うつ・不安などの精神症状で始まり、進行性認知症、運動失調等を呈して死亡につながる。
モンタニエ氏はHIV(ヒト免疫不全ウイルス)を発見し、2008年にノーベル生理学・医学賞を受賞。2022年に亡くなるまで、コロナワクチンの危険性について警鐘を鳴らし続けた。

 

mRNAワクチンに「成功」は存在しない

村上氏が「失敗」と断言したmRNAワクチンだが、昨年9月には第一三共が初の国産コロナワクチンを開発。
厚労省の承認を受け、12月から接種が開始されている。
またmRNAはワクチンに限らず、がんやHIV、インフルエンザなど多様な疾患への応用も目指され、コロナウイルスでの“成功”により開発が急加速している。

しかし、村上氏はこう語る。
「成功は今まで1つもありませんし、今からも全部失敗すると思います。1つのウイルスの遺伝子をヒトに導入して発現する仕組みそのものが間違いなのです。自己免疫反応が体内の方々で激しい炎症を起こします」

そもそもmRNAワクチンの最大の売りは、疾患に対して短期間で設計が可能であることだ。
従来使用されてきた生ワクチンや不活化ワクチンは、鶏卵を使用しウイルスを培養することで作られる。
それに対してmRNAワクチンは、mRNAという設計図に基づき細胞内でタンパク質を作るため、ウイルスの遺伝子配列がわかれば設計図をそれに合わせるだけですむ。
コロナワクチンは遺伝子配列の情報公開から1年未満で開発された。

これが表面的な解説だが、福島氏が語る真実はこうだ。

「一見合理的に見える。しかし、抗原を提示する細胞だけに入れるわけにはいかない。
筋肉注射すれば、それが周辺の細胞に取り込まれるだろうと、ものすごくアバウトなもの。
ところが、生物学・医学を知っていれば、そんなスペシフィック(特異的)なことは起こらないことがわかる。『オフターゲット』といい、目標以外に着いて、どこに行くかわからない。血流に行けば脳にも行くし、肝臓にも行くし、腎臓にも行く。そこら中で(スパイクタンパク質を)作ればどうなるかということが(推進派は)思い浮かばない。
それが解決できても、まだ問題はある。ナノパーティクル(粒子)はプラスチック・ナノパーティクルが環境汚染で問題になっているように、脳にも入る。その表面にどれだけ有毒物質が付いているかはわからないのです」

さらに村上氏は、ターゲットとなるウイルスにどれだけのリスクがあるのかを見ていない、とこう指摘する。

「今のコロナはリスクが非常に低かったと私は思っています。亡くなった人にPCR検査をして、陽性であればコロナによる死としている。おそらく実際の致死率はもっと低かったと思います。また、今までワクチンで終わったパンデミックは1つもありません」

 

そして、井上氏はこう指摘するのだ。

「第一三共が国産初のmRNAワクチンと同時に発表したのが、卵型(従来型)のワクチンはもう開発しないという決定でした。
これは、非常に大きな薬害を起こす可能性と同時に、国際的な問題となるでしょう。
ファイザーもモデルナも、今後はmRNAを進めることを決めています。
ワクチン医学そのものが非常に大きな、リスキーな世界に入り込んでいくということです」
福島氏は「生命原理について医学も科学もまだまだ未熟。mRNAワクチン推進は無知蒙昧な“ワクチン教”」と語る。
誤った信仰を打破するため、本誌を含めメディアの役割も問われている。

(月刊「紙の爆弾」2024年3月号より)

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2024.03.01
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