【連載】植草一秀の「知られざる真実」

【連載】知られざる真実/2024年5月10日 (金) 政権交代を考えるためのシンポ

植草一秀

政権交代を求める国民の声が強まっている。

当然のことだ。

日本財政規模は巨大である。

財務省は財政危機などと喧伝してきたが真っ赤なウソ。

その証拠は4年間で154兆円の補正予算をすべて国債発行で賄ったこと。

財政危機の国がこのような芸当を演じることなどできない。

問題はその154兆円が国民のために使われていないこと。

13兆円の一律給付金を除く、その他のほぼすべてが官僚機構、利権政治屋の利得につながる利権支出に充てられた。

岸田首相は海外旅行のたびに海外に法外な散財を約束してくる。

能登半島の避難所ではいまも被災者がプライバシーもない避難所の段ボールベッドの上に寝かされ、温かい食事も提供されずに放置されている。

震災関連死が激増している。

その自民党政治が巨大犯罪組織であることが判明した。

自民党が組織ぐるみで巨大犯罪を行ってきたことが明らかにされた。

日本の警察と検察は権力側の犯罪を摘発しない。

警察と検察には、犯罪が存在しても無罪放免にする裁量権と、犯罪が存在しないのに市民を犯罪者に仕立て上げる裁量権が付与されている。

自民党という巨大犯罪組織のほんの一部だけを刑事事件として立件したが、大半の犯罪は無罪放免にされた。

その巨大犯罪の芽を摘むために法改正が求められているが、自民党はザル法の是正に取り組まない。

 

学歴詐称疑惑に対して真摯な対応を示さない人物が巨大自治体の首長を務めていたりもする。

国民が政治刷新を求めるのは当然のこと。

2009年に政権交代があった。

日本の主権者が選挙を通じて政権交代を選択して実現した。

日本政治史上の金字塔だ。

しかし、樹立された新政権はわずか8ヵ月で破壊された。

安倍首相(故人)などは「悪夢の民主党政権」などと表現していたが、この言葉の意味は深い。

世間一般には、このときの政権を批判する意味で「悪夢の民主党政権」と表現していると理解する向きが多いが、本当の意味は異なる。

日本支配を続けてきた日本の既得権勢力にとって「悪夢」の政権だったのだ。

日本支配を続けてきた既得権勢力を私は

「米・官・業・政・電の悪徳ペンタゴン」

と命名した(『日本の独立』、2010年、飛鳥新社)。

米国を頂点とする官僚機構、大資本、利権政治勢力、電波産業=メディアによる利権複合体だ。

この利権複合体にとって2009年に樹立された鳩山内閣は文字通りの「悪夢」だった。

 

政権交代が希求される現局面で、2009年に樹立された鳩山政権の意味を再検証することが求められている。

本年1月27日に独立言論フォーラム(ISF)主催の公開シンポジウム

「鳩山政権の誕生と崩壊 〜政権交代で何を目指したのか〜」

が開催された。

「鳩山内閣の知られざる真実」
https://x.gd/MDGkI

「鳩山政治とは何であったのか」
https://x.gd/iZpeE

連続企画として、来る5月20日(月)午後2時から衆議院第一議員会館大会議室で

公開シンポジウム
「小沢事件とは何であったのか」
~司法とメディアの共犯関係を問う~
https://x.gd/nmKpv

が開催される。

登壇者は小沢一郎氏(ビデオ出演)、平野貞夫氏、孫崎享氏、郷原信郎氏、山口一臣氏。

私も基調報告ならびにパネル討論に参加させていただく。

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参加希望の方は下記URLの参加エントリーからの申し込みが必要とのこと。

https://isfweb.org/symposium-form/?post_id=35042

2009年の政権交代を牽引したのは小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏だった。

この二人の指導者に対する既得権勢力による「人物破壊工作」が展開された。

歴史の事実を正確に踏まえることなく、歴史の評価を適正に行うことはできない。

シンポジウムへの多くの市民の参加が求められる。

 

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スリーネーションズリサーチ株式会社
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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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