【連載】植草一秀の「知られざる真実」

【連載】知られざる真実/2024年5月8日 (水) ほんとにあった怖い話

植草一秀

マクドナルドが恐ろしいことになっている。

ネット上で流布されている動画。

https://x.gd/cKksJ

日本マクドナルド柏店(千葉県柏市柏1-2-31)で撮影されたものだという。

事件が発生したのは5月2日のこと。

いまテレビが連日連夜取り上げているパワハラ関連の最適素材ともいえる。

カスハラ(カスタマーハラスメント)もよく取り上げられるが、こちらのケースはカスタマー「に対して」行っているハラスメント。

「言葉の暴力」という言葉が用いられるが、限りなく暴力そのものに近い印象が強い。

マクドナルドの女性スタッフが懸命の対応を示しているが、この対応がなければ暴行・傷害事件に発展した可能性が高い。

情報を集約して紹介するyoutube動画は、マクドナルド柏店の口コミサイトに掲載されている情報も紹介している。

https://x.gd/QCg9a

口コミサイトの情報では、5月2日事件の加害者と見られる男性と同一人物と見られる人物の過去の対応の悪さが多く指摘されているようだ。

事件の最中に女性スタッフが発している言葉も、このような問題が過去に繰り返されていることを示唆している。

日本各地の町長などによるパワハラ行為などが問題とされ、テレビメディアが競って報道を展開している。

 

各種外食店舗における客の悪質行為が問題とされ、その問題場面を撮影した動画をテレビメディアが繰り返し報道する。

日本を代表する外食産業最大手のマクドナルドの事案であるから、テレビメディアが飛びついて報道し、大拡散されることが容易に推察される。

ところが、この事件に関してはテレビメディアの報道があまり伝えられていない。

小林製薬の紅麹問題は連日連夜、大報道が展開され、小林製薬糾弾のキャンペーンが張られてきた。

しかし、マクドナルド柏店事件についてはテレビ番組での報道が聞かれない。

確定情報ではないが、ネットで流布された「チャレンジクルー説」はこの事案の加害者には当てはまらないとの見方が有力である。

加害スタッフが着用している制服はマネージャー職位のものだと伝えられている。

当該加害スタッフが店長ではないかとの説もある。

この加害スタッフが店長であることは考え難いが、いずれにせよ、株式市場に上場する巨大企業の問題であるから、適正な事後処理が必要になる。

企業の責任を追及するテレビメディアがこの問題を積極的に取り上げないことが不自然極まりない。

考えられることは日本マクドナルドがテレビメディアに巨額の広告費を落としていること。

民間放送会社の経営はスポンサー収入に依存している。

 

大口スポンサーの不祥事であるから大きく取り上げないとの見方も指摘されている。

しかし、この種の偏向姿勢を押し通すならメディアの自死行為。

すべてが揺らぐ。

社会正義を基軸に社会の木鐸としての機能を果たすのが報道機関としての責務などという話が根底から崩壊する。

すでに崩壊しているから何も驚くに値しないとの声が聞こえてくるが、そのように諦めてしまえば、この世は闇だ。

だから闇になっているとの声も聞かれるが、この事件を大きく取り扱わないことはあり得ない。

ジャニーズ社の性暴力事件をほぼすべてのメディアが黙殺してきた。

BBCが斬り込んで、初めて事実の流布が始まった。

しかし、この問題も、抜本処理もなされぬまま、あいまい処理で先に進む気配が濃厚に漂っている。

だから日本が益々凋落する。

当該マクドナルドスタッフの対応について、顧客でもある一般消費者、市民がどのように感じるのか、テレビメディアが映像を公開するべきだろう。

日本マクドナルドの会見や謝罪、あるいは社内処分等の措置も必要不可欠。

企業の適正対応を追及するテレビメディアが音なしということはあり得ない。

今後の報道推移を注視する必要がある。

 

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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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