規制委「志賀原発の敷地内断層の活動性否定」に対する原告団声明 2023-03-03| 北野進の活動報告

北野進

今日の原子力規制委員会で志賀原発の敷地内断層36本(陸域10本、海岸部26本)の断層はいずれも活断層ではないとの結論に至りました。これに対して、原告団として下記の通り声明を発表したので、紹介します。

「え~、ガッカリ」
「ショック!」
「これで再稼働に向けて一直線?」
と落ち込んでいる人、心配している人もいるかもしれません。
でも原告団としてこれまでも規制委を全面的に信頼し、信用して、寄りかかって運動してきたわけではありません。
私たちと同じ見解ならば利用させてもらうし、違った見解を出せば「声明」の通り、当然反論させてもらいます。

何より、志賀原発の問題は敷地内断層だけではなく、周辺断層や避難計画、廃炉・廃棄物問題などヤマほどあります。
今日のようなバッドケースも想定しながらこれまでも運動をしてきました。
今後も法廷内外で再稼働阻止、廃炉に向けた運動を力いっぱい展開していきます。

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規制委「志賀原発の敷地内断層の活動性否定」に対する声明

原子力規制委員会は本日(3月3日)、志賀原発の新規制基準適合性に係る審査会合を開催し、評価対象とした10本の敷地内断層についていずれも活動性は認められないとの判断を下した。
「活動性は否定できない」とする有識者会合の評価書を2016年4月に受理して以降、約7年間にわたる審査を経ての結論ではあるが、はたして審査は十分尽くされたといえるのだろうか。
審査方法は妥当だったのだろうか。

北陸電力は福島原発事故後の2012年、志賀原発からわずか1kmの距離に位置する福浦断層が活断層であることをようやく認め、さらに2017年には北側の富来川南岸断層、海側の兜岩沖断層、碁盤島沖断層がいずれも活断層であることを認めている。
さらに現在、福浦断層よりもさらに志賀原発に近い場所に位置するo断層の活動性を巡る議論が続けられている。
志賀原発が活断層に囲まれた原発であることが次々と明らかになる中、敷地内断層に限っては活動性なしと断言できるのか、周辺断層からの影響はないのか、よりいっそう慎重な審査と判断が求められるはずである。
適合性審査自体は今後も継続する中、なぜあえて今日、敷地内断層についての結論を出さねばならなかったのか。早計に過ぎると指摘せざるをえない。
今後の訴訟や廃炉に向けた取り組みについての基本的な方針をここに表明する。

1.結論の妥当性については疑義が残る。
本日の審査会合の内容も含め、この間の審査経過を精査し、弁護団とも協議をし、反論を展開していく。

2. 敷地内断層の問題は適合性審査の最初の1項目に過ぎず、今後も周辺活断層による影響はじめ様々な外的事象による危険性や重大事故等への対処など80項目近い審査が続く。
福島原発事故の教訓である「規制と推進の分離」が崩れつつある中、規制の責任を放棄する動きがないか、今後の審査状況を厳しくチェックしていく。

3. 志賀原発の危険性は適合性審査の範囲に限定されるものではない。
重大事故のリスクに加え、防災・避難経計画の不備や廃炉・廃棄物処理などバックエンド対策、さらにはロシアのウクライナ侵略で顕在化した武力攻撃のリスクなど課題は山積している。
原発の必要性神話や経済性神話もすでに崩壊している。
引き続き法廷内外で、あらゆる角度から志賀原発の危険性、問題点を訴え、廃炉に向けた取り組みを全力で進めていく。

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北野進 北野進

珠洲原発反対運動に関わり31歳から石川県議を3期務める。その後、石川県平和運動センター事務局で平和運動に携わり、2011年から2期珠洲市議を務める。現在「志賀原発を廃炉に!訴訟原告団」団長。

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