【高橋清隆の文書館】2024年06月02日17:00 一水会50周年を鳩山友紀夫氏や鈴木宗男氏ら同志350人が祝福、木村代表ら「対米自立」実現を引き続き表明

高橋清隆

愛国団体「一水会」の結成50周年記念大会が5月10日、東京・内幸町のプレスセンターで開かれ、節目を迎えられたことを同志約350人が祝福した。木村三浩代表は「対米自立、救国済民、世界平和」を同会の課題として挙げ、参加者と共に日本の真の独立を目指すことを表明した。


あいさつする木村三浩代表(2024.5.10筆者撮影)

鳩山友紀夫元首相や鈴木宗男参院議員ら多くの現職・元職国会議員や活動家らが来賓として駆け付け、祝辞を述べるとともに、SAYAさんやき乃はちさんによる歌唱や尺八演奏も行われ、各参加者が2時間にわたって同志間の結束を深めた。

同会は1972(昭和47)年5月、三島由紀夫・森田必勝の両烈士の精神を継承するため、民族派学生によって結成された。一昨年が50周年に当たるが、コロナ騒動による自粛下だった。
昨年死去した鈴木邦男顧問の喪が明けたこともあり、この度の開催となった。

初めに、SAYAさんによる先導で国歌斉唱が行われた。戦没者と災害被災者を悼み、1分間の黙とうを捧げた後、主催者を代表して木村氏があいさつした。

木村氏は「政財界や外国公館、法曹界、学術界、マスメディア、社会活動家をはじめ、上下左右、表裏の皆さま」の出席に敬意を表した後、三島・森田両烈士の魂魄(こんぱく)継承する活動理念を改めて表明。
「対米自立、救国済民、世界平和」を同会の課題として挙げ、敗戦から80年たつ今も、日本国内に130の米軍基地と7212の関連施設が存在している状況を説明。

「冷戦時代の産物とはいえ、こんなに長く外国軍隊が駐留することは異常であり、これを是正しないのは日本人自らの怠慢。日米安保条約にあぐらをかき、正義的価値の追求より事なかれ主義に埋没して、日本人が独立自尊の精神を忘却してしまっている表れではないか」と問題提起すると、「そうだ」の声援と拍手が湧いた。

首都・東京の空も米国の管制が敷かれていることや、米軍基地からの汚染物質の流出問題などに触れ、「日米地位協定の改定は実行されなければならない」と訴えた。

自衛隊の統合指揮権を米国に委ねる動きを「日米一体化の促進」とけん制。「日本が前のめりに対米一辺倒に突っ込んでいくことは、つくられた有事の中で米国の先兵化を担わされる可能性が高い」と警告した。

米インド太平洋軍のアキリーノ司令官が、中国による台湾攻撃が2027年に始まるとほのめかしたことに触れ、「そんな予測があるならば、そのリスクを回避する外交努力を真剣に展開しなければならない」と主張。「我々は微力ながら無力ではない」を合い言葉に世界平和を訴える存在意義を強調した。

その上で、「弊会が50年存続し、社会の中で培ってきた信用と、その営為を築いてきた同志に感謝するとともに、この土台をさらに発展強化させ、我々の所期の目的達成のために全力で奮闘することをお誓い申し上げ、皆さまのご健勝を衷心よりご祈念申し上げます」と結んだ。

続いて、鳩山氏や鈴木氏、河村建夫元官房長官、江﨑鐵磨・渡辺博道の両衆院議員、田母神俊雄元航空自衛隊幕僚長の6人の来賓が祝辞を述べた。

鳩山氏は同会の50周年を祝福した後、2014年に木村氏とクリミアを訪問したことを回想し、「ロシアにも本当は一緒に伺いたいと思っていますが、まだ実現していません」と吐露。次のように続けた。


鳩山友紀夫元首相(2024.5.10筆者撮影)

「先ほど木村代表が『対米自立』ということを盛んに強調された。まさにこの国の衰えは、対米従属が過ぎることに起因していると思うが、いかがか。
集団的自衛権の行使容認や敵基地攻撃論の話、昨今は自衛隊法が改正され統合作戦司令官なるものが誕生して、その司令官は米国と全てを調整するということで、ある意味、総理の決定以上に力を持つ可能性が出て来ている。このように対米従属が過ぎる日本を、何とかお集まりの皆さま方の総力で、変えようではないか」

鈴木氏は、木村代表を「師匠のよう存在」としながら、あるべき外交関係に言及した。


鈴木宗男参院議員(2024.5.10筆者撮影)

「対米従属に私自身、反発を覚えてやってきたが、日本はロシアと仲良くすると言えば、バッシングを受ける宿命にある。しかし、私は死ぬまでロシアと友人であり続ける。いろんな問題を解決するには、ロシアと未来志向でいい関係にするしかないのでは。米国一辺倒では生きていけない。大事なのは、バランス外交と隣国外交だと思っている」


西田議員の音頭で乾杯(2024.5.10筆者撮影)

西田昌司参院議員が故西部邁(にしべ・すすむ)教授の紹介で木村代表と知り合ったいきさつなどを披歴した後、西田氏の音頭で乾杯。

世話人・賛同人代表から続々と祝辞が述べられた。平沢勝栄・福島伸享(のぶゆき)・長島昭久の3人の衆院議員をはじめ、総合格闘技団体「リングス」CEOの前田日明(まえだ・あきら)氏や元イラン大使の孫崎享(まごさき・うける)氏、小林節慶応大学名誉教授、『月刊日本』主幹の南丘喜八郎氏らそうそうたるメンバーが一水会の取り組みをたたえ、未来のために共に闘うことを誓った。


SAYAさんによる『青年日本の歌』独唱(2024.5.10筆者撮影)


き乃はちさんによる『宙(そら)へ』の尺八演奏(2024.5.10筆者撮影)

SAYAさんによる歌唱とき乃はちさんによる尺八演奏の後、一水会青年局による決意表明が行われた。矢崎航平局長(32)は、「国際社会には自分たちの価値観を棚に上げて、多の民族、価値観の合わない民族を差別する国がある。そういった社会に対して、我々が糾弾する活動を今後ともやっていきたい」と抱負を述べた。


青年局の(左から)矢崎航平・海野学の両氏(2024.5.10筆者撮影)

海野学次長(30)は、「運動は言いっ放しではなく、実現しなければ駄目だと思う」と省察。活躍した先人たちの年齢を自身がすでに超えていることに触れ、「自分も責任感を持って闘ってまいります」と意欲を見せた。

一水会副代表の番家誠氏が、閉会の辞を述べた。「若手が頑張って鈴木・木村代表の後を継いでいけることをさらに確信した。今後ともご指導・ご鞭撻(べんたつ)のほど、よろしくお願い申し上げます」と一礼すると、万雷の拍手が送られた。

※なお、この記事は「高橋清隆の文書館」2024年6月2日のブログ記事がらの転載であることをお断りします。

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高橋清隆 高橋清隆

反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。元ローカル新聞記者。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&K プレス)、『山本太郎がほえる~野良犬の闘いが始まった』(Amazon O.D.)など。翻訳にデーヴィッド・アイク『答え』第1巻[コロナ詐欺編](ヒカルランド)。2022年3月、メディア廃棄運動を開始。 ブログ『高橋清隆の文書館』http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/

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