【連載】紙の爆弾

感染症対策を口実にした「新型インフル対策行動計画」という新たな言論統制 取材・文◉高橋清隆(紙の爆弾2024年7月号掲載)

高橋清隆

#新型インフルエンザ等対策政府行動計画 #2週間でパブコメ19万件 #コロナ #ワクチン #WHO #パンデミック条約 #国際保健規則 (IHR)

 感染症対策を口実に、我々の言論が監視・弾圧されるおそれがある。
岸田文雄内閣が6月に閣議決定を目指す「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」(以下「行動計画」)改定案には、国が「科学的知見に基づく」一元的な情報発信を行なうだけでなく、偽・誤情報のモニタリングやSNS事業者に対策を要請できる内容が盛り込まれている。
新型コロナワクチン接種推進のため、内閣府が人気ユーチューバーに3200万円を支出していたことが発覚したばかり。同行動計画の偽情報対策の中身と背景を探る。

コロナを受けた改定案パブコメに19万件

 ゴールデンウィークのさなか、内閣官房の実施する意見募集(パブリックコメント)への応募を呼び掛ける投稿がX(旧ツイッター)上に盛んに飛び交った。
「行動計画」改定案に言論統制を思わせる記述があるからだ。
近現代史研究家の林千勝氏らがこれを問題視し、応募を提唱。5月3日には中部日本放送(CBC)が日本新聞協会加盟社で唯一報道し、にわかに知られるところとなった。

募集期間は行政手続法で30日以上と定められているが、なぜか2週間。
しかも、予定の立て込んでいる人が多いゴールデンウィーク中にぶつけてきた。
投稿フォームの不具合や計画書の疑問点について電話で聞こうとしても、休日のため「本日の業務は終了しました」のアナウンスが流れるだけ。それでも締め切りの5月7日18時までに、約19万件の応募があった。

「行動計画」は新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づくもので、2013年に策定された。
感染症危機が発生した場合にはこれを参考に基本的対処方針が策定される。
新型コロナ騒動を受けて、岸田文雄内閣が7年ぶりの抜本的改定を目指す。
今回の「行動計画」改定案は、223ページに倍増。対策項目も6から13になり、船長や機長に乗船・搭乗の拒否権限を与えることや、「プレパンデミックワクチン」の開発・生産要請、火葬体制の整備まで盛り込まれている。
概要として「平時の準備の充実」「対策項目の拡充と横断的視点の設定」「幅広い感染症と柔軟かつ機動的対策」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「実効性確保のための取組」の5点を挙げ、具体的な取り組みを「準備期」「初動期」「対応期」の3つの期間に分けて記述している。

政府の「偽・誤情報対策」その1――また税金で広報?

 13項目のうち「④情報提供・共有、リスクコミュニケーション」には、準備期の対応として「偽・誤情報に関する啓発」がある。
〈国は、感染症危機下において、偽・誤情報の流布、さらにSNS等によって増幅されるインフォデミックの問題が生じ得ることから、AI(人工知能)技術の進展・普及状況等も踏まえつつ、国民等のメディアや情報に関するリテラシーの向上が図られるように、各種媒体を活用した偽・誤情報に関する啓発を行う。(総務省、文部科学省、厚生労働省、関係省庁)〉

この章には「各種媒体を利用し」「利用可能なあらゆる情報媒体を整備・活用し」など、さまざまなメディアを駆使する旨がうたわれている。
ここで連想するのが、有名人を活用したテレビやインターネットなどでのなりふり構わないワクチン広報だ。サッカー日本代表の森保一監督や歌手のさだまさしらの誠実そうなせりふが繰り返しお茶の間に流れた。
内閣府から3200万円がユーチューバーに流れていたことは冒頭に触れた。
人気ユーチューバーのはじめしゃちょーは河野太郎ワクチン担当相(当時)をインタビューし、「アメリカで2億回打ってるんですけど、ワクチンで死んでる人は1人もい

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高橋清隆 高橋清隆

反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。元ローカル新聞記者。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&K プレス)、『山本太郎がほえる~野良犬の闘いが始まった』(Amazon O.D.)など。翻訳にデーヴィッド・アイク『答え』第1巻[コロナ詐欺編](ヒカルランド)。2022年3月、メディア廃棄運動を開始。 ブログ『高橋清隆の文書館』http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/

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