ちきゅう座2024年6月6日<松元保昭(まつもとやすあき):パレスチナ連帯・札幌> 5 ・ 18 岡真理講演会 in 札幌を企画して (録画 URL 付)/パレスチナ問題

松元保昭

5・ 18 岡真理講演会 in 札幌を企画して (録画 URL 付)*一番下にURLを添付しております(編集部)*写真は動画の冒頭

2024 年 5 月 28 日
パレスチナ連帯・札幌  松元保昭
月末に『現代思想』 2 月 特集「パレスチナから問う」を 手にして 、 2 月はじめに岡真理さんにメール を した。
昨年 12 月 半ば 過ぎ に彼女が M さんから渡された アラビア語の翻訳「小説 その十月の朝に」を読んだからだった。
いついかなる時でも、絶えず自分と民族のアイデンティティを確認してやまないパレスチナ人の 潜在的 特性 、 ソムードが 描かれている。

私がはじめてパレスチナを訪れた 2002 年のジェニン など 西岸各地での体験 、あるいはヨルダンやレバノンの難民キャンプを訪れたときの少年たちの野合することのない「主体的な振る舞い」が重なった。
どうじに、 内実は抑圧 的な日本国で「集団の権利や参政権や地域自治権など」多くの 差別で 「主体が 制限されたまま 」の アイヌや在日や琉球の人々 が重なった。

さて、岡真理さんの快諾を得て始めたのが、「岡真理さんの話を聴く会」に賛同する多くの団体 ・個人 による 共同開催 であった。
さっそく 団体・個人に 賛同を 呼びかけると、彼女の知名度もあって、 札幌にも 釧路にも 潜在的な岡真理ファンがいるようで出足は好調だった。
その直後 、岡真理さんから「奉仕団の影響を受けた教え子もいるので」一緒にやることはできないだろうか、という共催 への示唆が あった。 そこで考えたのが、この札幌の地でパレスチナ問題に関わってきた「三団体の共催」であった。
とくに、北海道AALA 連帯委員会は今年が設立 60 周年を 迎える老舗市民団体である。

現在のグローバル・サウスに繋がる、 60 年代の民族独立運動支援 を中心に南アの反アパルトヘイト運動 ベトナム反戦運動に力を注いできたが、 80 年代からは PLO 東京事務所 の駐日パレスチナ大使を札幌に招いたりしてきた。
パレスチナ連帯・札幌は 、 2003年イラク開戦の直前に PFLP のライラ・ハリッド が 「アイヌに会いたい」と札幌に訪れた とき設立された。
主に 先住民族アイヌとパレスチナ問題との響きあいを探る 啓発 活動を展開してきた。
2010 年に設立された北海道パレスチナ医療奉仕団は、 UNRWA との連携でガザへの医療奉仕団を毎年送り続けて 14 年にもなり、 新聞にもよく取り上げられている。
札幌・北海道から発信し続けてきたこの市民運動三者が共同で岡真理講演会を準備したことの意義は大きい。 開会 (猫塚義夫 と閉会 (伊藤悳夫 の挨拶がそれを現わしていた。 札幌市の後援も得て 、 多くの賛同 団体・個人 によって 8000 枚のチラシで宣伝ができ た。

5・ 18 の当日は、準備もまだ慌ただしい開場の午後 6 時 前から列 ができて、 会場がほぼ満杯にみえる 280 名の参加を得た。
80 分の講演と 50 分の質疑応答で、パレスチナ問題の淵源、ガザの 7 割がナクバで逃れた難民、米拒否権の乱用で果たされない帰還、オスロ合意のまやかし、16 年もの封鎖を生きるガザの実情、 とくに女性と子どもたちの占領・ 封鎖下の 苦境、さらに無責任なメディア報道への告発など 、 一人ひとりの関心に触れ合うように 終始普段着で 情熱のこもった パレスチナ問題の 問いかけが聴衆のあいだに溶け込んで 、 会場は 大きな感銘を与えられた。

みすず書房から『アラブ、祈りとしての文学』 『ガザに地下鉄が走る日』各 10 冊、大和書房から『ガザとは何か』 50 冊、すべて完売し、午後 10 時近くまで 岡真理さんの サイン会が続いた。
サインは一冊 ずつ思 いを込めて アラビア語で「 川 から海まで」…。

以下、感想文をランダムに:○歴史を理解することの大切さを、分かりやすく迫力のあることばで語られ、感激しました。
そして日本の歴史も、岡先生のように理解をすることが大切だと思いました。ありがとうございました。

○岡先生の熱のこもった話に感動すると同時に、誰もが当事者意識を持つことが大事。
パレスチナ問題に限らず、世界にあるあらゆる差別や人権侵害に気付かない、眼を背けている事象が多いと感じました。
日本人、北海道民として、今の生活がアイヌの人々から土地を奪った上で成り立っていることを考えると、土地の歴史を学び、自分たちの立ち位置を常に意識したいと思いました。

○本日は、最も大切な人間としての事態の受け止め方・理解に必要な、歴史的政治的事実を、理路整然とお話下さり、誠に有難うございました。多くの参加者は、現在の問題を大変わかりやすく理解出来たと思います。
暴力化する世界で、人間が人間として生き直す勇気のあり方を教えていただきました。
物事の道理を示す誠に有難いご講演でした。有難うございました。

○私は2023年10月中旬にパレスチナについて知りました。言葉にしがたい暴力、不正義、それが素人から見ても明らかである。
しかし、“人権先進国”と思ってきた世界の国々が止める力をもたないことに、驚き、怒り、深い悲しみを覚え、「私が生きてきたかった世界は、こんな世界じゃない!」と何度唱えたかわかりません。
岡さんの本・講義があるから、悲しみ・怒りをもって、自分を(逃れられない)当事者のひとりと位置づけながら、パレスチナについて知り、行動を起こすことができています。足りませんし、もっともっとですが…。
貴重な場を、ありがとうございました。

○本日はご講演ありがとうございました。大変貴重なお話を聴くことができ幸いです。
お話を聴き、パレスチナの人々が何を感じ、どう生きて亡くなっていったのかを、とてもリアルに知ることができたと思います。
そして、日本のメディアによるパレスチナの報道が、大変問題のあるものだと分かりました。
イスラエルの不公正による建国だと分かりましたが、イスラエルに生まれ育った人はどう生きているのか、生まれながらに罪を背負った国民として生きて行かねばならないのか、と複雑な気持ちにもなりました。
パレスチナに平和を、なんとしてももたらさねばならないと、強く思いました。

○岡真理先生、はじめまして。私は、先生の放送大学の「世界文学への招待」で、アラブ文学、パレスチナのこと、カナファーニーのことを知り、以来、パレスチナのことを考えずにいられなくなりました。
歴史的文脈を踏まえた理解や情報・メディアに対して訴えかけて行けるようにしたいと思っています。
岡先生の情熱が、私には深く心に響き、この重大な人権や自由・政治・「言葉」の問題を考えて行動したいと思っています。

○『ガザとは何か』をじっくり読ませていただきました。日本国民の一人として、“無力”を感じざるを得ません。パレスチナの地において、パレスチナの方々イスラエルの方々が、はるか昔のように仲良く暮らせることを祈るばかりです。
イギリス、フランスの植民地政策が今もパレスチナの人々を苦しめています。
何もできない日本、「国際社会において名誉ある地位を占めたいと思う」という日本国憲法の前文が泣いていますね!他略

おかげさまで、別紙「決算報告」のように、黒字になりましたことをご報告いたします。
奉仕団からの講師謝礼があったものの、当日の入場料だけではすこし赤字になったかもしれませんが、広範な34団体、53名の個人からいただいた賛同金のおかげで、次につながる黒字になりましたことをあらためて深く感謝申し上げます。

岡真理さんとも相談しましたが、これを「岡真理さんからの置き土産」として、じき94歳になる板垣雄三さんの札幌講演に使わせていただくことにいたします。
また、賛同をいただいた多くの方々からは、前日の印刷・チラシ折り込みから、当日の会場設営・椅子出し・受付・書籍販売、そして片付けまで手伝っていただき、ありがとうございました。
加えて、岡真理さんの助力もあって事前上映が実現した『太陽の男たち』5・1上映権料も捻出できましたことも、御礼をもってご報告させていただきます。
岡真理さん、札幌にお越しくださり本当にありがとうございます!

「ちきゅう座」からの転載となります。

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