【連載】知られざる真実/2024年6月16日 (日) 学歴詐称疑惑と金権政治にNO
政治7月7日の都知事選は重要な選挙になる。
日本の現状を刷新しようとする者、日本の現状を死守しようとする者。
立場の違いがある。
既得権勢力から小池百合子氏が三選を目指して出馬する。
反対勢力から名乗りを上げたのが蓮舫参議院議員。
選挙は重要な「戦い」であるから、獲得目標をどこに置き、そのために何をすべきかを考えなければならない。
重要なことは正しい優先順位の設定。
自民党は実質的に小池百合子氏を全力で支援する。
自民党東京都連会長に居座った萩生田光一衆院議員が
「都知事選挙に対する東京都連の対応について」
と題する文書を6月14日付で発布した。
「小池都知事が出馬する場合は(※2)、自民党は小池都知事への全面支援を行うこと」
(※2)先般6/12に出馬を表明
を都連が6月10日の都連大会に代わる臨時総務会において了承した、
と明記されている。
都連会長に居座った萩生田光一氏は2728万円の裏金議員。
この裏金犯罪行為がありながら、自民党都連会長職を辞していない。
萩生田氏は衆議院議員落選中に統一協会施設に足繁く通い、統一協会施設での演説で次のように述べた。
「私もご父母様の願いを果たせるように頑張るから、皆さんも一緒に日本を神様の国にしましょう」
萩生田氏の述べた「ご父母様」とは文鮮明氏と韓鶴子氏のこと。
統一協会と深く癒着してきたのが萩生田光一氏である。
昨年から今年にかけて自民党の巨大組織犯罪が明るみに出た。
組織ぐるみで政治資金収支を収支報告書に記載せず、巨額の裏金を創出してきたことが発覚した。
その裏金犯罪事件の代表的な当事者の一人が萩生田氏。
この問題への対応として政治資金規正法の抜本改正が通常国会で審議されている。
ところが、自公維のムジナ三兄弟がまったく有効性のないザル法ザル改正案を提示。
これを通常国会で押し通す方向で動いている。
岸田内閣の不誠実な姿勢に国民の怒りは沸騰している。
内閣支持率は2割を大幅に割り込み、4月28日の衆院3補選で自民党は3戦全敗。
さらに、前橋市長選、静岡県知事選、小田原市長選、鹿沼市長選などの地方自治体首長選挙で自民党は連戦連敗を続けている。
この延長線上で本年央までの政治決戦の最大ヤマ場になるのが7月7日の都知事選だ。
自民党の実質支援を受けて3選出馬する小池百合子氏には重大疑惑がある。
「学歴詐称疑惑」だ。
カイロ大学が小池氏の卒業を認めているとされるが、最大の焦点は小池氏が事実としてカイロ大学を卒業したのかどうかである。
カイロ大学は政治経済的な見返りを受けて虚偽を公表しているかも知れない。
利益供与で虚偽事実を公表している可能性もある。
これが事実なら小池氏の最終学歴は「カイロ大卒業」でなく「ワイロ大学卒業」がふさわしいと思われる。
当時の事実関係を直接知る複数の証人が「小池氏はカイロ大学を卒業していない」と証言している。
刑事事件の証拠調べでは重要証拠として扱われる「直接証言」である。
いま何よりも求められることは小池百合氏を落選させること。
政治刷新を目指す人々は、小池氏を落選させるために何をすべきかに叡智を結集するべきだ。
小池氏を落選させるには政治刷新勢力の側の候補者のなかで、勝利の可能性がある候補者に投票を集中させることが必要。
蓮舫氏についてもベストな候補ではないとの声もあるかも知れない。
しかし、ここは適切に優先順位を定めることが肝要。
小池氏を落選させることを最優先するなら、勝利可能性の最も高い改革勢力候補に投票を集中させることが最重要になる。
この考え方の整理をすべての改革派主権者が共有することが大事だ。
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植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050