【連載】植草一秀の「知られざる真実」

【連載】知られざる真実/2024年8月14日 (水)日本植民地化1952年体制の確立者

植草一秀

1945年9月、日本は敗戦した。

無条件降伏を定めたポツダム宣言を受諾。

日本は荒れ野と化した。

敗戦を半年早く決めていれば犠牲ははるかに少なく済んだ。

東京を中心とする大空襲、沖縄での地上戦、広島、長崎への原爆投下を回避できた。

戦争に突き進んだことも大きな誤りだが、戦争を早期に終結させなかったことも大きな誤り。

敗戦から40年後の1985年8月12日に日本航空123便が墜落した。

墜落した場所は群馬県上野村の高天原山の尾根。

123便が墜落したのは御巣鷹山ではなく高天原山である。

この誤りが正されないまま現在に至る。

123便墜落の原因は機体内部の圧力隔壁損傷だとされてきたが、2013年9月に運輸省が公表した資料により、圧力隔壁損傷説に対する強い疑いが鮮明になった。

2013年9月に運輸省航空事故調査員会が2013年9月に

「62-2-JA8119(航空事故調査報告書付録)
(JA8119に関する試験研究資料)」
https://bit.ly/3KAt8Kr

を公表。

この資料が明らかにしたのが「異常外力の着力」。

 

資料116頁に「異常外力の着力点」が図示されている。
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また。資料101頁に

「18時24分35.64秒ごろに前向きに、また、36.16秒ないし36.28秒ごろに下向きに、それぞれ異なる異常な外力が作用したことが確からしく考えられる。」

と明記されている。

ここに記された18時24分35秒と36秒が123便墜落における最重要時刻であり、公表されているボイスレコーダー書き起こし記録において、

18時24分35、36秒に「ドーンというような音」

と表記されている。

「ドーンというような音」の1秒後に機長が

「まずい」

「なんか爆発したぞ」

と声を発し、

18時24分42秒に機長が「スコーク77」を宣言し、副操縦士が18時24分47秒に「スコーク77」を復唱した。

「スコーク77」は最重大救難信号である。

さらに、18時24分48秒と18時24分52秒に2度

「オレンジエア」

という言葉が機関士から発せられた。

この後、123便は操縦不能に陥り、18時56分に群馬県高天原山に墜落した。

 

123便墜落から39年の時間が経過した。

2025年の8月に敗戦から123便墜落までの時間と123便墜落から現在までの時間が等しくなる。

敗戦から79年が経過するが、占領軍の軍隊はいまなお日本駐留を続けている。

日本に駐留する米軍は治外法権を有する。

日本は実質的に、いまなお独立を回復できていない。

表向きは1952年4月28日に発効したサンフランシスコ講和条約で日本は独立を回復したことになっているが、講和条約第3条に明記された占領軍の日本からの撤退がいまなお実現してない。

サンフランシスコ講和条約と同時に発効したのが日米安保条約と日米行政協定であり、この体系下で米軍駐留と米軍に対する異常な特権付与が定められた。

その異常な体系が敗戦から79年経過するいまも是正されていない。

最大の被害を蒙り続けてきたのが沖縄だ。

沖縄はいまなお基地の島であり、米軍特権が温存されるなかで米軍関係者による卑劣な犯罪が頻発しているにもかかわらず、独立国としての当然の裁判権さえ確保されていない。

実質的に日本は米国の半植民地状態に置かれている。

事態を是正するには、このような半植民地状態がいかなるプロセスによって生成されたのかを正確に知る必要がある。

これが「戦後史の正体」の核心部分になる。

 

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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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