【連載】知られざる真実/2024年8月29日 (木) 最優先経済政策の消費税減税
社会・経済政治本当は日本政治を刷新しなければならない局面だが、政治刷新の道が開けない。
オルタナティブ(代替)がない。
2009年は違った。
麻生太郎内閣の支持率がゼロに近づくなかで鳩山民主党に対する期待が沸騰した。
8月30日の総選挙で日本の主権者は鳩山内閣を誕生させた。
日本政治史上の金字塔だ。
主権者が主権者の意思と選択によって政権交代を実現した。
しかし、その金字塔の鳩山内閣はわずか8ヵ月で破壊された。
破壊した首謀者は民主党内部に潜んでいた。
この「戦犯」が現在の立憲民主党中枢に居座っている。
これが、日本政治刷新に希望を持てない主因だ。
主権者にとって大事なのは「政策」であって「政局」でない。
どのような政策が遂行されるのかが重要である。
日本の政策を刷新する必要がある。
もちろん「政治とカネ」の問題は重要だ。
「政治とカネ」は政策を考える以前の問題。
「政治とカネ」をクリーンにすることが政治を考える前提条件だが、この問題すら解決できていない。
自民党は選挙用に党首を変えるが「政治とカネ」問題を根本的に解決する姿勢はまったく示されていない。
選挙のために党首の顔を変える。
単なる「目くらまし」。
自民党の党首選に多数が立候補する構えを示し、権力に迎合するメディアが大規模報道を続けるが、この報道は自民党を支援するためのもの。
党首選びの祭りを演出して新たに発足する内閣の支持率引き上げに協力する。
支持率が上昇した局面で衆院解散・総選挙が挙行されるだろう。
自公政治を退場させて代替の勢力が政権を担うべき局面だが代替=オルタナティブが存在しない。
絶望的な状況だ。
「ガーベラの風」は9月4日に国会イベントを開催する。
「災害・食料・消費税
総選挙 で 日本 を アップデート
〝ガーベラの風″国会イベント」
日 時:2024年9月4日(水)午後3時~6時
会 場:衆議院第二議員会館多目的会議室
主 催:ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)
https://x.gd/qighG
プログラム案(敬称略)
日本政治の根本問題 元内閣総理大臣 鳩山 友紀夫
原発・温暖化問題の真相 新ちょぼゼミ主宰 田中 一郎
食料自給と食の安全 VISION21代表 安田 節子
独立・命・成長 衆議院議員 原口 一博
消費税減税・廃止 衆議院議員 川内 博史
消費税問題 衆議院議員 たがや 亮
消費税減税・廃止 政治経済学者 植草 一秀
日航123便墜落の真相解明 JAL訴訟原告 吉備 素子
総選挙に向けての連帯 参議院議員 小池 晃
総選挙に向けての連帯 衆議院議員 末松 義規
総選挙に向けての連帯 参議院議員 福島みずほ
主権者国民による主体的行動と独立宣言 作家 真田 信秋
総選挙に向けての〝ガーベラの風″イニシアティブ採択
申込者が定員に達したため、すでに受付は締め切らせていただいている。
主権者にとって大事な政策として
災害・食料・消費税を取り上げる。
災害の核心は地震。
地震で警戒されるのが原発。
地震で原発が損傷すればフクシマ事故が再現される。
耐震性能が足りない原発を稼働させるのは愚の骨頂。
最重要の政策課題だ。
経済で最重要の問題が消費税。
すべての国民に十分な最低保障が行われている国で財源を消費税や付加価値税で徴収することには合理性がある。
しかし、すべての国民に対する最低保障の水準が極めて低い日本で10%の消費税率を設定するのは棄民政策でしかない。
過去のデータを検証すると消費税率5%までは、日本経済がそれなりに持ちこたえた。
しかし、消費税率を5%超水準に引き上げた瞬間から日本経済の凋落が進行した。
消費税率を5%から10%に引き上げる法律制定を強行したのが野田佳彦氏。
この影響で民主党は2012年12月総選挙で壊滅的敗北を喫した。
この責任問題も処理しないなかで消費税増税の首謀者である野田佳彦氏が民主党党首選に名乗りを上げた。
これを「絶望」と呼ばずしてどのように表現できるだろうか。
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植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050