【櫻井ジャーナル】2024.09.19 櫻井春彦 :ヒズボラが連絡に使っていたポケベルのリチウムが爆発、多くの死傷者
国際政治レバノンとシリアでヒズボラとその関係者が使用していた数千台の暗号化ポケベル(ページャー)が9月17日に爆発、10名以上が死亡、数千名が負傷したと伝えられている。爆発したのはリチウムで、爆発を作動させるメッセージが引き金になる。死者の中には8歳の少女も含まれているという。この爆発装置は空港などの検査装置でチェックすることができない。
爆発したと見られるポケベルのブランド名は親イスラエル国の台湾を拠点とするアポロ・ゴールド。同社によるとレバノンやシリアで爆発した製品はハンガリーを拠点とするBACがライセンス生産したものだという。ただ、それを裏付ける証拠は示されていない。
問題のポケベルはレバノンに到着する前に手が加えられとする話も伝えられているが、どのような経緯かはともかく、爆発物を仕掛ける作戦の黒幕はイスラエルの情報機関だと推測されている。アメリカ政府が事前に知らなかったとは考えにくい。
ポケベルに仕込んだ爆発物はイスラエルがヒズボラと全面戦争を始める際に使う予定だったが、ヒズボラ側が作戦に気づくおそれが出てきたことから現時点で使ったとする話も伝えられている。
イスラエルにはアメリカのNSAやイギリスのGCHQと協力関係にある電子情報機関8200部隊が存在する。この機関は多くの「企業舎弟」を抱え、情報活動に使っている。イスラエルは電子機器だけでなく、中東の重要なインフラにも爆発物を仕掛けていると話す元イスラエル工作員もいる。そうした企業舎弟以外の会社にもエージェントが潜り込んでいる可能性は高い。
この8200部隊の入っているグリロット基地はヒズボラの攻撃で破壊されたと見られている。イスラエルが誇ってきた防空システムのアイアン・ドームの無力さが明らかにされるているのだが、この防空システムがイスラエルの好戦的な政策を支えてきた。このまま殺戮と破壊を続けた場合、早晩、イスラエルは破綻してしまう。
【追加】
レバノンでは18日に2度目のテロ攻撃があった。ベイルート、南レバノン、ベカーでトランシーバーが爆破されたとされている。2度目のテロ攻撃で14人が死亡、450人以上が負傷したという。このテロ攻撃に合わせてイスラエル軍はレバノン南部を爆撃しているようだ。
アル・アラビーヤによると、日本の無線メーカー、アイコム社製のトランシーバー「IC-V82」が爆発した可能性があるとする話が広がっている。
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「ヒズボラが連絡に使っていたポケベルのリチウムが爆発、多くの死傷者」
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