【連載】ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン
ノーモア沖縄戦

メールマガジン第224号:「うるま市のミサイル部隊配備・陸自訓練場、県内空港港湾の軍事化に反対する声明」

ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会

 

「うるま市のミサイル部隊配備・陸自訓練場、県内空港港湾の軍事化に反対する声明」

             ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会  2024年2月8日

 【声明の趣旨】
共同通信は2月5日、台湾有事に向けた「日米共同作戦計画」原案が昨年末に完成し、日米統合演習を踏まえ今年末に「正式版」策定と報じました。沖縄を戦場と想定する日米の戦争シナリオが完成形に近づきつつあります。3月までにうるま市の陸自勝連分屯地に地対艦ミサイル連隊本部が配備され、一体的に運用される同市・石川地区への陸自訓練場、沖縄市の自衛隊施設へのミサイル弾薬庫の建設計画など、戦争準備が加速しています。政府・防衛省は、那覇空港の誘導路増設、県管理の空港・港湾の軍事化を目論んでいます。台湾有事に向けて先島「全島避難」、沖縄島「屋内避難」計画、避難シェルター設置が加速しています。沖縄諸島の「軍事要塞化」、現実的に不可能な「住民避難計画」は、有事となれば沖縄戦以上に破滅的な犠牲を県民に負わせるもので断じて容認できません。県民は沖縄の「軍事要塞化」「戦争準備」を拒否します。県、玉城デニー知事、県議会、沖縄島、先島の関係自治体・首長、議会にあらゆる「戦争準備」に反対するよう要求します。朝鮮半島有事に向けた在沖・在日「朝鮮国連軍基地」の出撃基地使用に反対します。

◎「うるま市勝連分屯地へのミサイル部隊配備・石川地区への陸自訓練場建設に反対する声明」
うるま市の陸自勝連分屯地への南西諸島の地対艦ミサイル連隊本部配備に反対する。160メートルの至近に中学・高校、数百メートル以内に小学校、中学校、保育園、病院、コンビニ、住宅が密集し、ミサイル弾薬の爆発事故の懸念があり、有事下で分屯地が攻撃目標となり周辺住民も犠牲を免れない。配備予定の12式地対艦誘導ミサイルは中国にも届く射程1000キロ超改良型への更新が確実視されている。玉城知事は「専守防衛に反する敵基地攻撃可能な長射程ミサイル配備に反対する」と表明している。県、知事は長射程改良型への更新が確実視される勝連分屯地へのミサイル部隊配備に反対を表明すべきだ。併せて配備済みの宮古、石垣の地対艦ミサイル部隊の撤去、与那国の地対空ミサイル配備、各地のミサイル弾薬庫建設、米軍嘉手納弾薬庫の自衛隊共同使用に反対を表明すべきだ。
うるま市石川の陸自訓練場計画は、勝連分屯地のミサイル部隊配備と軌を一に、ミサイル発射機の「展開訓練」を計画する。基地負担強化であり、地元2自治会が反対を決議し、石川地区15自治会長会も反対を表明している。うるま市長は「防衛は国の専管事項」「防衛省と地権者の契約の問題」と傍観せず、市民の命と安全を守る市長の責任において、ミサイル部隊配備と訓練場建設に反対を表明すべきだ。
石川地区の陸自訓練場は勝連分屯地に配備予定のミサイル発射機の「展開」訓練を計画する。有事となれば勝連分屯地だけでなく、石川の訓練場はじめ、「展開運用」される島内各地が「攻撃拠点」となり「攻撃目標」となる。ミサイル発射機が移動「展開」する道路・周辺民間地も標的となりかねない。県、知事は宮古、石垣、うるま、与那国のミサイル配備に反対すると同時に、基地を出て島中を移動展開するミサイル部隊運用に反対を表明していただきたい。
国際政治学者・豊下楢彦氏は「今日のガザは明日の沖縄」と警鐘を鳴らしている。攻撃基地が攻撃目標となるのは軍事の常識である。海に囲まれ「逃げ場のない島」、住宅密集地近くに攻撃目標となる軍事施設を設けることは国際人道法、ジュネーブ条約追加議定書に反する。自衛隊、米軍は各種長射程ミサイルの沖縄配備を進めつつある。県、知事はあらためて日米政府に「反対」の意思を伝え、国連、国際社会に対しても国際人道法、ジュネーブ条約に反する沖縄の「軍事要塞化に反対」を訴えていただきたい。
防衛省はうるま市勝連分屯地へのミサイル部隊配備、沖縄市の弾薬庫建設の住民説明会を一度も開いていない。基地負担と有事下の懸念を市民に押し付けながら説明責任を放棄することは許されない。
琉球新報の報道で米公文書により普天間基地の辺野古移設は、「朝鮮国連軍基地」の機能維持が条件と明らかになった。米軍普天間、嘉手納基地、ホワイトビーチは朝鮮戦争が再燃した場合の米軍・国連軍の出撃基地となる。在沖米軍基地、連携する自衛隊基地が、有事下で北朝鮮の核ミサイル攻撃の目標となりかねない。県、知事は朝鮮有事に直結する在沖米軍、国連軍基地、自衛隊基地の運用に反対を表明すべきだ。

<要求事項>
①うるま市勝連分屯地への地対艦ミサイル部隊配備、地対艦ミサイル部隊連隊本部の開設、沖縄市の弾薬庫建設、嘉手納弾薬庫の自衛隊共同使用に対し県、知事、うるま市長、沖縄市長は反対を表明するよう要求する。
②うるま市石川地区への陸自訓練場新設計画に対し、うるま市長、県、知事は反対を表明するよう要求する。
③県、知事は台湾有事で沖縄を戦場と想定する「日米共同作戦計画」に反対を表明し、「日米共同作戦計画」の詳細の開示を政府・防衛省に請求するよう要求する。
④朝鮮戦争が再燃した場合に沖縄・本土の朝鮮国連軍基地が出撃拠点となることに対し、県、知事は反対を表明するよう要求する。

【宛て先】
上記の「声明」を沖縄県、うるま市長、沖縄市長、沖縄防衛局長に手交・送付する。

◎「県内空港・港湾の特定重要拠点・軍備強化に反対する声明」
政府・防衛省は沖縄を重点に全国の空港・港湾の「特定重要拠点」指定による軍備強化を進めている。自衛隊が「軍民共用」する那覇空港の誘導路増設、奄美徳之島、大分空港などでの自衛隊機の訓練、日米共同訓練の激化とともに、「日米施設の共同使用」も視野に、沖縄・日本列島の軍備強化・戦争準備が加速している。
国が管理する那覇空港で、防衛省は、自衛隊機の使用に利便を図る誘導路増設を計画している。航空機の離発着が過密化し自衛隊機のスクランブル発進が増加する那覇空港は、軍備強化により、「羽田空港の航空機爆発炎上事故が那覇空港でも起きかねない」と指摘されている。那覇空港では過去に自衛隊機と民間航空機の接触事故が起きている。那覇空港の軍事使用強化は県民、観光客の安全を脅かし、主要産業である観光業に深刻なダメージを与える。県、知事、那覇市長、関係団体は那覇空港の軍備強化に反対し、あらためて「民間専用化」を要求していただきたい。
県は県管理の空港・港湾の軍備強化につながる施設整備の国に対する2024年度予算要請を見送った。これにより「防衛省が24年度予算への計上を見送った」と報道されている。県、知事の英断を高く評価する。県の予算要請見送りに対し、政府・防衛省は諦めることなく予算要求を行うよう県に圧力をかけている、と報道されている。政府に呼応するように、与那国町長、石垣市長が政府・防衛省に空港滑走路の延長、「与那国新港」(軍港)の整備を要請し、石垣、与那国、久米島などの首長が県に予算要請を行うよう要請。これに対し与那国、宮古、石垣の住民は「有事となれば空港、港湾が攻撃目標になる」と市町長、県に反対を要請している。
空港・港湾は島嶼県である沖縄県にとって交通・運輸の基幹インフラであり、県経済の最重要拠点である。政府は「軍民両用」の「民生利用」を強調しているが、軍事優先使用が主眼であることは明白だ。軍事化された空港・港湾は有事となれば攻撃目標となる。与那国、石垣、宮古の「全島避難」計画で、空港・港湾を避難経路に使用する計画に矛盾する。与那国、宮古、石垣の「全島避難」、沖縄島130万人の那覇空港からの「島外避難」の退路を絶たれる。台湾有事が現実味を帯びる中で、「有事に沖縄から逃げ出すことができなくなる」ような空港・港湾の軍事化は、沖縄観光に致命的なダメージを及ぼす。米9・11テロ後の「風評被害」による観光入客の大幅減が再現されかねない。
県内空港・港湾の軍備強化は、台湾有事で米海兵隊が沖縄の島々に分散展開し攻撃拠点とする「日米共同作戦計画」に基づく空港・港湾の整備・使用が目的であることは明白だ。久米島への米軍オスプレイの飛来、石垣港への米軍艦船の寄港、石垣空港への陸自オスプレイの飛来は、既成事実化を図る「台湾有事の実戦訓練」と軍事専門家は指摘している。県内空港・港湾の軍事化は台湾有事の戦争準備にほかならない。
県、知事、県管理空港・港湾の所在自治体、首長は「民生利用」、「地域振興」の甘言に籠絡されず、軍事利用が県民、観光客の生命・安全を脅かし、観光・地域振興に深刻な影響を及ぼしかねないことに留意し、空港・港湾の軍備強化に反対していただきたい。

〈要求事項〉
①軍事使用を目的とする那覇空港の誘導路増設など軍備強化に反対し、那覇空港の「民間専用化」を要求する。県、県知事、県議会、那覇市長ほか自治体、首長、議会に同様の見解表明を求める。
②県、知事は政府の圧力、自治体首長の要請に応じることなく、県管理空港・港湾の特定重要拠点指定、軍事化整備に反対を堅持し、政府への予算要請を行わないよう求める。
②自衛隊、米軍の県内空港・港湾の軍事訓練使用に反対する。県、知事、自治体・首長は空港・港湾、公道、公共施設、民間地でのあらゆる軍事訓練に反対するよう求める。
③県、県知事は自衛隊・米軍が、県内空港・港湾をどのように使用する計画であるか、詳細な説明、情報開示を政府・防衛省に要求するよう求める。

【宛て先】
上記の「声明」を沖縄県、知事、県議会、関係自治体・首長・議会、関係団体に手交・送付する。

ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会
共同代表 石原昌家 ダグラス・ラミス 具志堅隆松 宮城晴美 山城博治

 

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