【連載】真田信秋の多事争論

連載:主権者命令書 主権破壊を許すな 売国傀儡日本政府を解体せよ(13)

真田信秋

連載前号は こちら から


 

「2 考慮すべき事項
(1)昨年12月に国会で成立した令和4年度第二次補正予算の中に、JPF向けの下記予算計1,051,502,000円が含まれている」

このように前章で紹介したように外務省の予算は、ここ2年ほど、7500億円ほどの当初予算に2500億円規模の補正がのっかる形になっているが、この補正予算を組む際に、外務省の天下り団体であるジャパンプラットフォームへの拠出を前提にした予算編成を行い、ジャパンプラットフォームへの資金の流れをスムーズに行えるようにしていることが分かる。この補正予算からのジャパンプラットフォームへの10億円の確保ののちに、さらにジャパンプラットフォームへ、追加で10億円規模の予算を拠出しており、実質、ジャパンプラットフォームへは、いくらでも資金を流せる仕組みが構築されているように見える。

私がリスト化した資料の右に団体数とする項目を作っているが、これは、それぞれの資料に掲載されているジャパンプラットフォームの傘下の団体の名前の数である。これが、このトンネル団体のジャパンプラットフォームは予算の執行を自ら行うのではなく、傘下団体に予算の執行を行わせる管理団体である証拠である。ジャパンプラットフォームは、その名のとおり「プラットフォーム」であるから、本来は、傘下団体が、直接に外務省に予算申請するべきところをジャパンプラットフォームが取り纏めて予算申請し、予算を獲得し、傘下団体に資金を流す、よく言えば「中間団体」、悪く言えば「中抜き団体」になっている。

例えば、一つ目の資料、二つ目の資料、三つ目の資料には44団体の名前があり、四つ目の資料には11団体、5つ目の資料には45団体の名前がある。一部には赤十字もあるし、ジャパンプラットフォーム自体の名前もある。ジャパンプラットフォーム自体の名前があるものは、彼らも執行機関になっている予算が一部あることを示しているのだろうと私は読み取った。そして、今回、あわせて情報開示請求しているグッドネイバーズジャパンについては、この5つの全ての資料の中に名前が登場している。グッドネイバーズジャパンは、私の関心の強い団体であるため、当該リストでもGNJPとして項目を用意して組織名が登場する資料にチェックを行った。前述したようにグッドネイバーズジャパン自体、直接に外務省から数億円規模の資金を得ている団体であり、わざわざジャパンプラットフォ―ムを経由した資金を得る必要はないと思われるが、外務省は、外務省出身者が代表をしているジャパンプラットフォームを経由させるルートを確保しておきたいものと考えられる。

これらの資料を見れば、いかに海外への資金の流れが湯水のように潤沢に用意される構造にあるかということが分かるのではないだろうか。考えてみて欲しい。外務省も、ジャパンプラットフォームも、その傘下の45団体も、そこから資金を得ている資金の受入国や、現地のNGOも、管理費、事務費、旅費など資金はいくらでもつぎ込むことが可能である。特定のニーズに基づいて、いくら必要だから、いくら拠出するというような類のものではない。資金の受入側としては、貰えるものなら、いくらでも貰うということになるのは当然であり、この構造が完全に利権化するのである。

申請書にある、いくつかのプロジェクトごとの計画された費用明細も共有させて頂くが、この費用明細書さえあれば、このフォーマットに数字を適当に入れて、いくらでも予算枠マックスの拠出申請をジャパンプラットフォームは外務省に行うことができる。たとえば、先ほどの補正予算を例にとれば、外務省が2500億円規模の補正予算を組むことが決まった場合に、外務省からジャパンプラットフォームに10億円程度の申請書を提出するように指示を出す。もしくは、外務省の若手が元上司であるかもしれないジャパンプラットフォームに天下っている人物にお伺いをたてる。そうするとジャパンプラットフォームは10億円規模になるように、当該申請書に現在関わっている複数のプロジェクト分の数字を打ちこみ、それぞれ傘下団体の名前を載せる。

これらの申請書は当初予算で作ったものをベースにすれば、私でも簡単に作れるだろう。そして、ジャパンプラットフォームから外務省に、10億円分の申請書ができたと渡す。これを内訳として、外務省は補正予算を確保し、補正予算が確保できたら、内部で稟議を起こして契約を締結する。この内部稟議は三つ目の資料のように、「もともと補正予算策定時に盛り込んでいた10億円分です」と書くだけで通せるので簡単である。このようにすれば、いかようにでも海外送金する金額を増やしていける。ジャパンプラットフォームの公開している予算について、前年度繰越金があったことを記載したが、余ったお金はいくらでも繰り越しすれば良いわけで、補助金はいくらでも吸収することができる。同じことはジャパンプラットフォームの傘下団体でも、それらが資金を現地で投下する受入国の国や現地のNGOも同じである。受け取った資金を当該年度で使い切る必要はまったくなく、貰える金はいくらでも貰うということになるだろう。もちろん、目的外使用や不正を防ぐ文言は契約書には入っているため、この文言も共有するが、これを複数の団体を経た先まで管理することは実質的には不可能であろう。問題なく責任をもって国民の血税を現地に届けて、支援を執行するには、前述のように外務省の人員が自らこれらの予算を執行するべきである。

だからこそ、開示された資料にあったように、ジャパンプラットフォームへの外務省からの拠出は、平成13年度(2001年度)は5.8億円から、2022年は81億円まで激増しているのである。同様に、補助金だけではないがグッドネイバーズジャパンの予算規模も激増しているのである。しかし、日本経済は、この30年間成長しておらず、国民所得(世帯)の中間値は、1994年の550万円から2019年372万円に激減している。日本国民が苦汁をなめている中で、なぜ海外に送金し続けられるのか、私には、まったく理解ができない。これも、日本が独立国ではなく、属国であるために支配税として海外に搾取され続けているのである。国民のための政府を作り直した暁には、必要な海外援助と、不要な海外援助を徹底的に分ける必要がある。そもそも天下りを禁止することで、このような構造自体をなくすことができる。

グローバリストが、民間にまかせておけば全ては上手くいくと言うのなら国際的NGOこそ国税をかすめ取ることを止め、海外支援も募金などを民間企業と個人にまかせるべきではないのか。なぜ国民の税金に手をつっこんで、その運営だけを怪しいNGOにまかせて実行させるのか、まったく倒錯している状態になっている。各案件のコスト費目には、必ず渡航費、人件費、管理費、その他の費用が掲載されているが、外務省の人材が各地にいるのだから、NGOに渡航費や人件費を支払う必要はない。外務省の人間が、現地で業務を行えば渡航費などは不要である。外部調査費も4団体分、5団体分と掲載されているが、これも執行団体を分散しているがゆえに、団体ごとに調査費が発生しているのではないか。そもそも毎回調査費という項目が必要なのであれば、当該執行団体は専門団体ではないのではないかとも言いたくなる。

また、規定では一般管理費は1割とされていることから、それぞれのコスト費目には1割の一般管理費がのせられているが、もともとスタッフが存在している機関に対して、個別のプログラムが追加されるごとに、この一般管理費が、常に1割のってきている。これも重複支出であり、この申請フォーマットは実態を反映せず、過剰な支払いを助長することや、単なる補助金申請のための型になっているということが容易に推測できる。たとえば、トルコ南東部地震被災者支援(シリア)という資料は、5団体分の明細書を出したものと、6団体分の明細書を出した資料が1ページずつあるが、本来、団体ごとに必要な書類を適当に1枚にまとめて出しているだけで、実態を反映していないものと思われる。

政府も認めた「賃金上がらず結婚できず」の厳しい現実 2022年4月30日毎日新聞
https://mainichi.jp/premier/business/articles/20220426/biz/00m/020/010000c

 

次回に続く

<連載:主権者命令書 主権破壊を許すな 売国傀儡日本政府を解体せよ(真田信秋)は、毎週土曜日に公開します。>

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真田信秋 真田信秋

真田信秋 ニコニコ動画、ニコニコチャンネルを中心に、多事総論チャンネルを展開中。 1977年生まれ、和歌山県田辺市出身。2004年より東京在住。 地方行政機関、民間企業10社以上の幅広い参画歴を持つ。 アマゾンキンドルにて電子書籍も公開している。 コロナ茶番前より医学不要論に習い、2017年10月より薬を一切飲んでいない。 ますます悪化する属国状態を憂え、国民、一人一人が独立宣言を行うことの結果として、国民総意の独立宣言を行う「日本国独立宣言」を唱えている。 独立言論フォーラム一般会員、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)、日本列島100万人プロジェクトの趣旨に賛同するものである。

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