【櫻井ジャーナル】2024.10.10 櫻井春彦 : レバノンへの攻撃でイスラエル軍は劣化ウランを使った地中貫通爆弾投下の疑い
国際政治レバノン社会医学協会のライフ・レダ会長はイスラエルがバンカー・バスター爆弾BLU-109の弾頭に劣化ウラン弾を使っている疑いがあると語ったという。アメリカ政府は100発のバンカー・バスター爆弾BLU-109をイスラエルへ供与したと昨年12月にウォール・ストリート・ジャーナル紙は伝えている。
断面積を変えずにバンカー・バスター爆弾を重くして貫通力を高めるため、劣化ウランを使うことはある。戦車から発射される砲弾に使われるのも同じ目的のためだが、劣化ウランの弾頭は貫通力が強いだけでなく、破壊のあと有毒ガスを放出する。劣化ウランを使ったバンカー・バスター爆弾をガザで使えば、その地域は放射性物質で汚染されることになる。
劣化ウラン弾は2003年3月にアメリカのジョージ・W・ブッシュ政権がイラクを先制攻撃した際に使用し、問題になった。ファルージャでアメリカ主導軍はイラク人を大量殺戮、劣化ウラン弾も使われたのだ。
その後、ファルージャやバスラでは新生児に奇形や脳の障害などが多発しているという報告がある。環境汚染毒物学紀要という専門誌に掲載された論文によると、ファルージャで2007年から10年にかけて生まれた新生児の場合、半数以上に先天性欠損があったという。1990年代以前には2%以下、2004年に占領軍から攻撃される前は約10%だとされている。
バスラの産院における先天性欠損の割合は、1994年から95年にかけて1000人のうち1.37人だったが、2003年には23人、そして2009年には48人に増えている。また、ファルージャやバスラの子どもたちの頭髪から鉛が通常の5倍、水銀が通常の6倍と異常に高いともいう。そうした原因は劣化ウラン弾だと一般的には言われている。劣化ウラン弾が環境を汚染し、放射能障害を引き起こすことは間違いない。
MERIP(中東研究情報プロジェクト)によると、2004年4月と11月にアメリカ軍が爆撃したファルージャの子供たちに先天異常が急増した原因の1つが劣化ウランである可能性があるとしている。。
2006年にイスラエルはレバノン南部を攻撃しているが、その時にイスラエル軍はアメリカが供給したバンカー・バスター爆弾を使用したのだが、それ以外の強力な兵器が使われた疑いもある。
ヒズボラとイスラエル軍が激しい戦闘を繰り広げたキアムとアトティリで着弾地点で濃縮ウランをクリス・バスビー博士が発見した。新タイプの核分裂装置/兵器、あるいは濃縮ウランを使用したバンカー・バスター爆弾をイスラエルは使ったのではないかと言われた。
バスビーはイギリスの科学者で、イギリス政府後援のCERRIE(体内放射体からの放射線リスク検討委員会)やイギリス国防省のDUOB(劣化ウラン監視委員会)のメンバーだったこともある。
1962年に北太平洋のジョンストン島で実施された核実験、ドミニク作戦の一環として実施された大気圏内核実験、フーサトニックと謎の核兵器を結びつける人もいる。フーサトニックでLRL(ローレンス放射線研究所)はリップル・コンセプトと呼ばれる新しい設計をテスト、その実験は99.9%クリーンだったとされている。それ以前およびそれ以降に設計されたすべての核兵器を凌駕する性能特性が実証されという。
イスラエルが2006年にレバノンへ軍事侵攻してヒズボラに敗れて退却しているが、その直後にバスビー教授はレバノンへ入って調査、残されたクレーターの中でも濃縮ウラニウムを見つけたという。同教授はファルージャでも同じものを発見している。
過去にイスラエルがこうした兵器を使用したとするならば、今回も使う可能性は高い。
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「 レバノンへの攻撃でイスラエル軍は劣化ウランを使った地中貫通爆弾投下の疑い」
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