【高橋清隆の文書館】2024年10月16日『レターパック裁判』制作1周年記念、監督と俳優・医師・学者が思いを吐露

高橋清隆

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対策を問題視した映画『レターパック裁判~勇者の証(あかし)~』(髙梨由美監督)制作1周年を記念する上映イベントが14日、東京都中央区内で開かれた。市民150人が参加し、女優の高樹沙耶(たかぎ・さや)ら出演者が出席しての記者会見のほか、斉藤寛史医師の基調講演と、大橋眞・徳島大学名誉教授らによるパネルディスカッションが行われた。

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上映後、記者会見であいさつする髙梨監督(右端)と出演者たち(2024.10.14、筆者撮影)

この映画はマスク着用や遺伝子組み換えワクチン接種を促進する行政の姿勢を追及する物語で、髙梨氏が監督・脚本・プロデューサーを務め制作。2月の公開以来、全国80カ所で自主上映してきた。これまで300の報道機関にプレスリリースを出したが、日本新聞協会加盟社で報じたのは、髙梨氏の地元でロケ地にもなった福島県内の2紙にとどまる。いずれも広告を出していた。

粗筋は、新型コロナへの感染症対策に疑問を持った市民たちが全国45都道府県をまたぐ「市民訴訟Japan」を結成し、裁判や調停に挑む。活動家の夫である町会議員も議場でこの問題を取り上げる。20万人を上回る超過死亡を出しながら、一向に解決に至らない。感染症や免疫学の世界的権威である医学博士の学術論文を盾にとっても、門前払いだ。有志たちの奮闘から、日本の政治と医療の腐敗が浮かび上がってくる。

イベントは、元FBS福岡放送アナウンサーの浜崎正樹氏の司会で進められた。

上映後の記者会見で主演の高樹氏は、「監督は先に起こることが分かっていたと思う。一緒に行動して1年が過ぎ、その様子を実感した。ますます多くの方がこの渦に入って来られている。(主題が)ワクチンだから避けられるのかと思ったが、逆に渦が大きくなっていると肌で感じ、ちょっと感動している」と吐露した。

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自己紹介する主演の高樹氏(右から2人目、2024.10.14筆者撮影)

特別出演した元クリスタルキングの歌手、田中昌之氏は「全国各地、行ける所は回り、この映画に出たことの重大さにビビっている」と苦笑した。

町議会議員役を務めた俳優の小林敬氏は、「クランクイン(撮影開始)する前、2、3役のキャスティング(配役)をお願いされ、仲間の役者に声を掛けた。しかし、ことごとく事務所からNGが出て、むしろ『小林君、これやるの? 大丈夫?』と心配された。仲間が全員降りたみたいな。1年くらいたち、どこかで潮目が変わったのを感じた。一番に、マスク・ワクチンに応じないと『非国民』と言っていたうちのかみさんの態度が変わった」と周りの変化を明かした。

髙梨監督は、「皆さんが俳優生命、歌手生命を懸けて出てくださった。1年前にその重荷を私は感じて、この方たちを守らなければと思い、上映会のほぼ全部に私が付いて回った。今、皆さんが『出てよかった』と言ってくださり、監督冥利(みょうり)に尽きる」と感慨深い表情を見せた。

筆者が、なぜドキュメンタリーでなくドラマ(架空)仕立てにしたのか尋ねた。髙梨氏は、「最初は映画にするつもりがなく、撮らなかった。途中から、私たちが重大なことをしていると再認識して、これを未来に残さなければと話し合い、ドラマ仕立てにしてある。98%真実を描いたフィクション。100%真実と言うと、私たちが消される可能性もあるから」と危険回避の意味合いも示唆した。

予防接種法令と発生届の矛盾問う映画・訴訟

この作品が問題とする核心は、コロナ騒動を引き起こした病原体の定義にある。
予防接種法や感染症法施行令は新型コロナウイルス感染症の病原体を「ベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)であるものに限る。」と規定している。
しかし、予防接種実施規則の付則で「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種」は「SARS-CoV-2」に対するものと規定され、両者の関係性は不明だ。医者から虚偽の発生届が国に上がり、有効性のない遺伝子注射が打たれていることにならないだろうか。

大橋氏はこの問題に真っ向から切り込む訴訟を5月に起こしている。筆者は大橋氏に、この映画のプロット作成に関わったか、また影響を受けた部分や重なる部分があるかを尋ねた。

大橋氏は、「関わっていない」としながらも、「法律を上手く使う形でこの感染症騒ぎが起こされているという認識は共通している」と問題意識に共感する姿勢を示した。

そこで筆者は、「なぜ国は感染症法令に“SARS-CoV-2”と書き入れなかったのか」と見解をただした。これに対し大橋氏は、「医師はHER-SYS(ハーシス)を通じて発生届を出すが、何も書かれず『新型コロナ感染者』とだけ入力し、そのまま国に報告される。
それを、法律の《病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)であるものに限る。》が発生しているとして知事が報告している。
どうして両者が同じと言えるのか? 誰も分からないのに、医者がそう判断したということで、誰も文句が付けられない。本来は、どうしてそのように判断できるのか、県が調べなければならない」と主張した。

同調圧力あっても問診票で拒否可能[斎藤医師]

斉藤氏は、「ワクチン接種回避大作戦~準委任契約が鍵を握る~」の題で50分ほど話した。循環器系医院を営む医師の立場から、コロナの5年間を振り返った。診察を繰り返す中から仮説を立て、検証していくことを旨とし、m-RNAワクチンが出たときもすぐ飛び付かず、文献を集め研究したという。

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基調講演する斎藤医師(2024.10.14、筆者撮影)

「これがお薦めできるかと疑問が湧いた。毎月1200~1300人患者が来ていたが、マスクもしない、ワクチンも打ってもらえない医者だからだろう、月に500~600人に減った」と打ち明ける。

科学的検証を聞いてもらえない無念さと、この映画で政治の問題であると気付いたことを吐露した。

斉藤氏によれば、医療行為は準委任契約にほぼ等しい。契約する医師と患者の間には、著しい知識の差があるからだ。準委任契約の場合、善管注意義務が求められる。
患者が問診票に書く内容に注意し、忠実に接種の可否を判断しなければならない。
つまり、特定の基礎疾患やアレルギーの恐れがある者、妊婦や授乳婦、小児などが負の事項にチェックを入れたら、接種施行者を訴えることが可能であると説く。

「職場で圧力があっても大丈夫。『接種を希望しません』にチェックを入れれば、合法的に拒否できます」

そもそも、風邪は発熱によって鼻汁やせき、たんなどが出る。それによって自然に治癒する。解熱剤を投与すると体温が上がらず、こじらすと指摘した。

筆者が斉藤氏に「有益な医療行為はあるか」とただした。斉藤氏は疑問におおむね同意しながら、「食事などのアドバイスはできる」との考えを示した。

レプリコンワクチンに騒ぎすぎ? 後遺症あれば市町村窓口へ

パネルディスカッションは浜崎氏の司会の下、大橋氏と斉藤氏、長嶋竜弘(たつひろ)・鎌倉市議で行われた。

初めに、Meiji Seikaファルマの内部告発をうたい出版された『私たちは売りたくない!』チームK(方丈社)や、レプリコン(自己増殖型)ワクチンに反対する2団体に同社が提訴声明を出したことへの評価を問うた。

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パネルディスカッションに臨む(左から・敬称略)大橋、長嶋、浜崎、斎藤(2024.10.14、筆者撮影)

大橋氏は告発本について、「不自然。反ワクチン団体がかえってまずい状況になりかねない。騒ぎを演じていると思う」と、何らかの悪意が潜んでいる可能性を疑った。その上で、m-RNAワクチンについて「誰も有効性が証明されていないことを問題にしない。何でこんなものを定期接種させるのか? それを止める仕組みがない」と根本的な問題を強調。接種者から未接種者に悪影響を及ぼすシェディングについても、懐疑的な見解を示した。

斉藤氏も「レプリコンワクチンについては、騒ぎすぎ」と同調。「レプリカーゼというm-RNAを複製する酵素と、スパイクタンパクを作るm-RNAがミックスされたワクチン。2つのコンポーネント(成分)を維持したまま他の人に伝搬するものを作ることは無理だと思う」と述べた。

長嶋氏は、「私も同じ意見。レプリコンワクチンは騒ぎすぎ。提訴表明は、よくある政治手法で、提訴マニアがいる」と両断。Meijiファルマ社の対応については「弁護士に相談していないのではないか」との見方をした。

次に、新型コロナワクチンの最終目的について尋ねた。大橋氏は「感染症予防でないことは明らか。ただの毒」としながら、目的については亡くなる人が多いことを念頭に「なるようになるんでしょう。皆さんが考えること」と明言を避けた。

斉藤氏は「分かりません」と答える一方、遺伝子治療薬を作るためのデータ集めの可能性を挙げた。その上で、親が子供に接種させないと「ネグレクト」として児童相談所に通報される問題を取り上げた。

最後に、すでに接種した人への助言を聞いた。長嶋氏は、選挙に関わる重要性とともに後遺症患者における健康被害救済制度の活用を説き、これへの申請をサポートする「新型コロナワクチン後遺症患者の会」の取り組みを紹介した。

斉藤氏は、「まず市町村の窓口に行くこと」と促した。

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※なお、この記事は「高橋清隆の文書館」2024年10月16日のブログ記事からの転載であることをお断りします。

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高橋清隆 高橋清隆

反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。元ローカル新聞記者。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&K プレス)、『山本太郎がほえる~野良犬の闘いが始まった』(Amazon O.D.)など。翻訳にデーヴィッド・アイク『答え』第1巻[コロナ詐欺編](ヒカルランド)。2022年3月、メディア廃棄運動を開始。 ブログ『高橋清隆の文書館』http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/

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