【連載】今週の寺島メソッド翻訳NEWS

☆寺島メソッド翻訳NEWS(2024年10月26日):ジェフリー・サックス「米国は世界平和への脅威だ」(アンドリュー・P・ナポリターノによるインタビュー) 映像と文字起こし

寺島隆吉

※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。

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ジェフリー・サックスは、米国こそが平和の最大の障害であると述べています。国連でのインタビューで、彼は次のように語りました。「今日、この場所には多くの苛立ちがあります。世界の指導者たちがここに集まっているのに、誰もが平和を訴えているのに、平和が訪れず、外交が成功しないからです。(バイデン)政権は戦争マシーンをどう抑制すればよいのか分かっていません。ゼレンスキーは米国を第三次世界大戦に引きずり込むために米国を訪れるのです」。

https://youtu.be/rMNx9v-ctcM

<映像と文字起こし>

アンドリュー・ナポリターノ(以下ナポリターノ):皆さんこんにちは、アンドリュー・ナポリターノです。今日は2024年9月24日火曜日です。私たちの親愛なる友人であるジェフリー・サックス教授にお越しいただいています。サックス教授、いつもありがとうございます。あなたは国連から参加しています。あなたのキャリアを通していつもそうなのですが、あなたは現在重大な出来事の岐路にいます。米国大統領は今朝国連総会に出席していました。ゼレンスキー大統領はニューヨーク市内にいます。ネタニヤフ首相が木曜日か金曜日に現れるか現れないかはわかりません。いろいろな情報が飛び交っています。国連は世界の平和のための効果的な手段なのか、それともアメリカの覇権と強硬姿勢、それへのイギリスの服従、そして安全保障理事会での拒否権によって国連は効果的な組織ではなくなっているのですか?

ジェフリー・サックス(以下サックス):そうですね、拒否権がここで重要なポイントとなります。ここは世界の集まる場所です。私は首脳たちの討論の初日、ここにいます。バイデン大統領が演説し、エルドアン大統領が演説し、ヨルダンの国王が演説し、ルーラ大統領が演説しました。世界のリーダーたちがここに集まり、会議を行なっているのです。ここ数日でいくつかの重要な決議がなされました。その一つは、国際司法裁判所の決定に従い、イスラエルのパレスチナ占領は違法であるという決議が下され、その後、総会はイスラエルがそれらの土地から撤退しなければならないという具体的な措置を採択しました。しかし、もちろんこれは、米国やその他の大国が反対すれば強制力はありません。ですから、今日この場には世界の指導者が集まっているにもかかわらず、誰もが平和を求めているのに平和が訪れず、外交が成功していないことに、多くの苛立ちがあります。これが現実です。残念ながら、米国は中東の平和にとって大きな障害となってきました。例えば、今日もバイデン大統領をはじめ誰もが、イスラエルとパレスチナ国家の二国家共存が必要だと述べていますが、パレスチナ国家が国連に194番目の加盟国として加盟しようとした際には、米国だけが拒否権を行使しました。米国が平和の障害となっているのです。それが今の厳しい現実であり、とても恐ろしい時代になっています。イスラエルによるベイルートを含むレバノンへの大規模な爆撃、これまで爆撃されたことのない沿岸地域への爆撃、レバノンの数千人の人々やイスラエルの爆弾から命からがら逃げてきた民間人を含む今日のさらなる爆撃により、中東での戦争は明らかにこの二日間で著しく拡大しました。差し迫った地上侵攻の可能性は存在するが、それは確実ではなく、またウクライナでの戦争はさらなるエスカレートの脅威につながり続けています。ゼレンスキーは米国を第三次世界大戦に引きずり込もうとしています。それ以外の何物でもないと思うし、それは彼がどんな悲劇的理由、不条理な理由をこじつけでもやろうとしていることです。それは通常の意味での理由にはなっていません。そこが私たちに突きつけられた真の問題です。指導者たちはここにいます。誰もが平和について語ります。それでいて平和は起こりません。

ナポリターノ:バイデン大統領は、欧米やNATOの対ロシア戦争を擁護したり、イスラエルとパレスチナの二国家解決の必要性を主張したりしましたが、どのように受け止められましたか?

サックス:彼が二国家解決策と言ったとき、議場全体から拍手が起こりました。基本的にその点については意見が一致していますが、実際にはイスラエルが拒否しています。これは国際法上、イスラエルに認められた権利ではなく、パレスチナ人の権利を拒否する権利はイスラエルにはありません。これはICJも言ったことです。ですから、これは基本的に満場一致で拍手が起こりましたが、実際には米国はイスラエルを単に武装させ、二国家解決策の実現を妨げています。これが最も基本的な点です。イスラエル政府は、極端で暴力的な政府であり、二国家解決策を望んでいません。米国は、「お望みなら何でも言ってみなさい、ただ請求書を送り続けてください、私たちはお金と爆弾を送り続けます」とイスラエルに言っています。それが真相です。バイデンが基本的に役に立たない言葉でウクライナの防衛について話したのは、戦争の継続やエスカレーションを言っているだけでした。それに対して議場の半分は拍手を送ったと思います。拍手はありました。しかし、それは全く違うものでした。それに関して世界は分断されており、何が起こっているのかについての視点はてんでんばらばらです。もちろん、私自身の見解では、バイデンが言わなかったこと、つまりNATOは拡大しない、米国はロシアの安全保障上の利益を尊重する、したがってロシアはウクライナの安全保障上の利益を尊重しなければならない、ということをもし彼が口にすれば、この戦争は今日にでも終わります。この戦争は、私や、ジョン・ミアシャイマー、そしてあなたの対談者やゲストの多くの見解では、大筋としては米国がロシアを転覆させるだけだと考えて非常に浅はかに選んだ戦争です。米国はロシア国境を含む世界中に軍事同盟を拡大し続けることを望んだが、ロシアがノーと言ったので、そうならない、ということです。

ナポリターノ:バイデン大統領が国防省から現実を突きつけられ、どうやら先入観からの決断を変更し、ウクライナに英米の長距離ミサイルを使用してロシアの奥深くを攻撃する許可を与えるという決定に言及したことに驚きましたか?プーチン大統領とラブロフ外相の明瞭かつ明確な声明が真剣に受け止められたようです。国防省は、ネオコンや国務省との対立が一定程度あり、「大統領閣下、我々はまだ準備ができていません」と述べたようです。そして、キア・スターマー英首相を困惑させたものの、バイデンはしぶしぶ考えを変えたようです。ジェフ、これについて何か驚くようなことはありましたか?

サックス: まあ、それは非常に大きな安心材料でした。なぜなら、ロシアの声明は非常に明確で、真剣に受け止められるべきものであり、それはつまり、核戦争への拡大を回避しなければならないということです。これは地球上で最も重要な事実であり、ロシアや中国、あるいはその他の国々が、それが私たちにとってのレッドラインであると述べた場合には、それを無視せず、耳を傾けなければなりません。なぜなら、それは私たちの安全保障を脅かすからです。そして、わが国のCIA長官のような人物たちが、恥ずべきことに、「ああ、心配いらない」と言います。CIA長官にはだれよりも情報が多く集まります。それは絶対にそうなのです。つまり、少なくとも現時点では、米国は、ウクライナがロシアの奥深くまでミサイル攻撃を行なうことを可能にする、本質的には米国の技術である追跡システムなどの使用には同意しないと表明しているようです。私たちは皆、安堵のため息をつき、バイデンやその周辺にいる人物、あるいは実際にこれらの決定を下す人物が、私たちがポーカーゲームでハッタリを言って遊んでいるのではなく、世界の存亡について語っていることを理解してくれるようただ祈るしかありません。そして、相手国(ロシア)が核超大国であり、完全に理解できる理由で、「わが国の領土の奥深くまで攻撃してはならない。なぜなら、それは劇的な拡大であり、米国とロシアの直接的な戦争になるし、その相手国は米国しかない」と主張している場合、私たちはそれをほんとうに真剣に考えてみるべきです。

ナポリターノ:同時に、サックス教授、米国はフィリピンと台湾に軍事装備を送り込んでいます。まずフィリピンについてお聞きします。一体なぜ、中国を挑発する以外の理由で、アメリカはフィリピンにミサイルを送っているのでしょうか?

サックス:米国が中国との戦争に向けてどれほど本気で軍備増強を行なっているのか、押さえておきましょう。2027年までに中国と戦争するという文書がありました。このような話は、まったく信じられないほど危険です。外交努力をすべきであり、南シナ海の問題を解決すべきです。中国は、自国の食料やエネルギーを運ぶ海上交通路に米国が封鎖線を敷くことを望んでいません。そして、私たちは、ここに「狭隘路」があること、米海軍が中国を締め出すことができること、そして2027年までに戦争に備えていることを話題にします。これは一種の狂気です。ええ、将軍や提督たちが戦争ゲームを行なうのは彼らの仕事ですから、それは理解できます。しかし、米国政府がこんな話を許してもらっては困るのです。なぜなら、私たちの仕事は、アメリカ国民と世界のために平和と安全を確保し、核戦争を回避することだからです。そして、私たちは、現時点で、やるべきことをやっていません。もちろん、この点において、私たちは常に及び腰の政権を持っています。戦争マシーンをどう抑制すればいいのかわからない政権です。大統領自身は政治キャリアの終わりにあり、政権の終わりにいます。大統領自身から話を聞くことはまれです。今日、演壇上のテレプロンプターから読み上げた彼のスピーチを聞きました。が、それを除くと戦争に関する話題ばかりです。まったく無謀で危険です。そして「心配するな、私たちは脅しには屈しない」などという言葉を耳にするたびに、それがいかに無責任な発言であるかを理解してください。ポーカーゲームでもリスクゲームでもないのです。私たちは、お互いの直接的な近隣地域に踏み込まないようにして、偶発的、意図的、先制的な核戦争を誘発しないようにしなければならないのです。

ナポリターノ:なぜアメリカは南シナ海に艦隊を置いているのでしょうか? もし中国がカリブ海やニュージャージー沖に艦隊を配置したらどうなるでしょうか?

サックス: ええ、そうですね。かつて、ロシア(正確に言えば、1962年のソビエト連邦ですが)がキューバにそのような基地を建設すると決定した際には、非常に鮮明な形でこの問題を経験しました。米国はこれを決して受け入れないと表明し、それを阻止するための世界大戦に備えたのですから、これは世界史上最も緊迫した日々でした。もしあなたが説明したように、私たちのやり方に沿って物事が進められた場合、私たちがどう反応するかを10秒間でも考えられないとは、今のアメリカの指導者たちの精神状態はどうなっているのか、私にはわかりません。中国やロシアが「リオ・グランデ川にメキシコと軍事基地を置くか、あるいはキューバに軍事基地を置くという考えを復活させる」と言ったらどうでしょうか。アメリカ人は「いいだろう、それで結構だ」と言うでしょうか? あるいは、私たちがそれを好ましくないと述べ、中国が「それは開かれた世界だ。あなたには関係ない」と言った場合、私たちは「いいか、それは根本的に私たちの問題になる」と言うでしょう。さて、ナポリターノさん、ロシアがウクライナとの2,100キロの国境にミサイルと軍事基地を置かないでほしいと言ったら、アメリカが何と言うかわかりますか?「あなたには関係のないことだ。ウクライナと私たちだけの問題だ」と真顔で言うのです。つまり、彼らは物事を、徹頭徹尾、斜に構えて考える人間たちであり、核戦争のリスクを覚悟しているか、あるいは、相手側の気持ちについて少し考えることすらできないのです。そして、彼らは私たちを守ることができていません。これは最も基本的な点であり、世界で最も重要な点は、核超大国間に少しの余裕があることです(それがあるべきです)。米国は台湾防衛や台湾への武器供与に熱狂しています。台湾向けに新たに数億ドル規模のパッケージが用意され、今まさに数十億ドルが投入されようとしています。そして、これはすべて正常なことだと受け止められています。私が言ったように、中国がメキシコに武器供与を始めたらどうなるか、想像もできないのです。カリブ海のある国の上級外交官は、中国がこの島に病院を建設するのを支援したいと言っていたのに、米国がそれを拒否したので、非常に動揺し、懸念していると私に言いました。そして、この国は私の意見を聞き、「病院を誘致するのは安全ですか、そんなことをするのは賢明なのでしょうか?」と私に言っただけです。今の私たちの話題は、中国の周縁部、中国のシーレーンの至る所にある軍事基地についてであり、それについてなぜ中国は憤慨するのか?と私たちは言うのです。話題は台湾に大規模な軍備を送ることについてです。それについてなぜ中国は憤慨するのか、と私たちは考えるのです。私たちの国と政府が何の理由もなく私たちを危険に陥れていることは信じられないほどです。

ナポリターノ:中国が望んでいるのは米国との商業パートナーになることだけであるのに、なぜバイデン政権は中国が米国史上最大の脅威であると考えるのでしょうか?

サックス:そうですね、なぜなら、米国には誰もが認めるナンバーワンでなければならないという一種の強迫観念があるからです。それがこの問題の要点です。

ナポリターノ:どこでも、中国の裏庭でさえ、覇権を握らなければならない、ということですね。

サックス: 国防省の用語を借りれば、世界のあらゆる地域で優位に立つこと、つまり完全な支配力を握らなければならないというのが、文字どおり米国の教義なのです。東アジア、南アジア、中央アジア、東ヨーロッパ、ラテンアメリカ、カリブ海地域など、あらゆる地域です。それが米国の教義であり、世界で文句のつけようのない強国でなければ安全を確保できないかのようなのです。そして、世界の他の国々は、他国を支配することなく生活しているのに、米国だけは「他国を支配しなければ安全を確保できない」というのです。しかし、明らかにこれは矛盾しています。もし私たちが「われわれはどこでも優勢だ」と言うのであれば、私たちがしていることは、世界中の国々を脅かすことになります。米国が「君たちは大きすぎる。君たちはわれわれの脅威であり、敵だ」と言うほどに大きくなった国を、私たちは脅かしているのです。そして、これが私たちの行動様式なのです。実際には平和を受け入れることはできず、他国の従属を受け入れることしかできません。まるで、ナンバーワンで、誰にも負けない存在であり、ナンバーワンとして認められることが目標であるかのように。ちなみに、これはまさにイスラエルの状況を縮図で表しています。イスラエルは近隣諸国と平和的に共存しようとしているのではなく、近隣諸国を叩き潰そうとしているのです。「われわれは地域大国であり、核兵器も持っている。われわれはあなた方を打ち負かすことも、爆撃することも、指導者を暗殺することもできる。われわれはやりたい放題だ。あなた方はわれわれを恐れるべきなのだ」。そして、イスラエルをこれほどまでにいらだたせるのは、相手がイスラエルを恐れていないことです。相手はイスラエルに戦いを挑んでいます。イスラエルが望んでいるのは平和ではなく、支配であり、恐れられることです。そして、米国は世界規模でそのように行動しています。私たちの軍事ネットワークを見てください。世界で、これほど多くの国々に海外軍事基地を持つ国が他にありますか? 何千億ドルもの資金を、他にやるべきことがないかのように費やしているのです。それに近いのは、私たちの師であり、指導者であり、世界覇権の野望の先駆者であった大英帝国だけです。それが彼らにもたらしたものを見てください。安全への最善の方法ではなかったのです。

ナポリターノ:国防省は、さらに4,000人の兵士を中東に移動させるよう命じました。サックス教授は、ヒズボラとイスラエルの間で、米国が関与することについて、どのような展開を予想されますか?

サックス:アメリカ大統領の主な仕事は、戦争マシーンを止めることです。どんな将軍に聞いても、「戦火の拡大です。大統領閣下、アメリカは勝てます、支配できます」という答えが返ってくるのです。それが彼らの仕事ですが、私たちにはまったく異なる仕事をする外交官がいるはずです。残念ながら、私たちは今、外交的側面が非常に弱く、ほとんど存在しません。戦争マシーンが支配しています。米国の大統領は、これを制御するのに十分な強さを持っていません。そのため、2つの地域で激しい戦争が起こっています。おそらく、可能性が高いとは言いませんが、第3の地域では、私たちは張り切っています。そう、私たちはより多くの軍隊を送り、戦争は拡大しています。イスラエルは私たちを手玉に取り、特に選挙前にはネタニヤフにノーと言えないようです。誰もが恐れているか、お金を求めているか、イスラエルがいま犯している略奪が何であれ、(百パーセントどころか)千パーセントそれに賛成している、と見られないことを恐れています。これがこの政権の弱点なんですね。

ナポリターノ: ここにバイデンが国連総会で演説をしている動画があります。そこでバイデン大統領は、だれもが同意するようなことを言っています。ウクライナとロシアの情勢について、そんなことはとんでもない意見だと言っているのですよね。この動画を見る前に、あなたは、国連へ何回も往復していますが、ネタニヤフが戦争犯罪で正式に起訴されるかどうかについて、何かヒントや噂、信頼できる情報を得ましたか?

サックス:言葉としてはなにもありません。しかし、パレスチナ国家が本当に平和への道となるための動きを私は多く見聞きしています。なぜなら、米国を差し置いて、多くの外交的動きがあるからです。今こそ平和への道が必要とされているのです。誰もが、全世界が解決策を明確に理解し、米国が最終的に戦争を推進することを止め、実際に平和の側に立つことを期待し、そうなるだろうと推測しています。

ナポリターノ:モサド(イスラエル政府情報機関)が、レバノンの人々のトランシーバーやポケベルに爆発物を使用し、3,000人の負傷者と数百人の死者を出した戦争犯罪を犯したのでしょうか?

サックス:それに疑う余地はありません。このようなケースを想定した国連の不発弾禁止条約があります。これはテロ攻撃です。どうやら、主にこのポケベルを使用しているヒズボラの民間人職員に対する攻撃だったようで、これまで言われてきたような軍部に対する攻撃ではなかったようです。それが事実かどうかはわかりませんが、私が聞いたところではそういうことです。ところで、その負傷がどのように起こったのか、人々は理解しておくべきでしょう。ポケットベルが鳴り、人々はポケットベルを覗き込み、そして目玉が吹き飛ばされたのです。これが主な負傷原因のひとつです。人々がポケットベルを覗き込んだために、ポケットベルが爆発し、視力を失いました。被害者は女性、子供、市場の人々、医療従事者、仕事をしている人々などです。これはテロ攻撃であり、その方法から考えて、CIAが直接関与していたか、あるいは、すべてを知っていたことはほぼ確実です。これは国際法違反であるだけでなく、仕掛け爆弾に関する明確な国際法に違反しており、紛れもないテロ攻撃でした。また、これは、私たちのサプライチェーンが西側の諜報機関によって完全に買収されていることを示すものです。イスラエルがやっていること、アメリカがやっていること、私たちは中国を非難していますが、このような不正行為を行なっているのは私たちであり、イスラエルは責任を問われるべきです。

ナポリターノ:私たちはイスラエル国防軍に資金援助していることを知っているのでしょうか? モサドにも資金援助しているのでしょうか? そして、アメリカのCIAや、これらの資金を調達する者が、罪のない民間人の目を潰すというこのジェノサイド的行為に関与しているという主張はあるのでしょうか?

サックス:いいですか、イスラエルが何をするにしても、私たちは関与しています。直接的か、すべての段階に関与しているか、は別として、私たちはすべての活動の資金調達に関与していますし、毎日すべての活動の遂行に関与しています。私たちが提供した武器が使われ、資金は私たちが提供し、情報は共有され、CIAとモサドの関係はとても緊密です。そして過去においては、両国の関係は密だったので、有能なアメリカ大統領が、時に「ダメだ、やめろ、そんなことはできない」と言った時代もありました。1956年にイスラエル、イギリス、フランスがスエズ運河を軍事的に占領することを決定した際には、アイゼンハワーが彼らに「絶対にダメだ、やめろ」と言いました。また、他にも強い大統領がイスラエルに「やめろ」と言った例があります。実際、そうすることがアメリカ大統領の仕事なのです。なぜなら、戦争マシーンに1兆ドルも投資していると、信じてください、それは常に動いており、将軍たち、そしてアメリカの同盟国は常にすばらしいアイデアを持っています。理由としては「そんなことは私のためにならないし、私たちの安全に役立ない」です。しかしウクライナやイスラエルなどはその1兆ドルの戦争マシーンを利用したいと思っています。そして私たちには、「第三次世界大戦なんか心配しなくていい」と言います。それは本当に信じられないことです。」

ナポリターノ:ロシア・ウクライナとイスラエル対近隣諸国のどちらが先に爆発すると思いますか?「先に爆発する」というのは、どちらが先にアメリカを引きずり込むか、ということです。

サックス:もちろん、どちらも完全に壊滅的な結果をもたらすでしょう。イスラエルは、私たちがイランと戦争することを望んでいます。イランは、もちろん、ロシアと非常に緊密な安全保障協定を結んでいます。それは第三次世界大戦への道です。ゼレンスキーはそれを隠そうともしません。彼はNATOが直接戦争に関与することを望んでいます。それは第三次世界大戦です。お好きな方を選んでください。そして、イスラエルもウクライナも無責任です。なぜなら、両国とも米国の戦争マシーンを手中に収めていると考えているからです。繰り返しになりますが、米国大統領には、「申し訳ないが、そうはさせない、私たちには安全保障上の利害があり、第三次世界大戦に巻き込まれたくない」と言うべき立場にあります。ところで、バイデン大統領が弱々しくもそう言おうとしていることが感じられます。そうなんです。「われわれのミサイルシステムと技術を使ってロシアの深部を攻撃するな! 原子力発電所を攻撃するな!」と彼は言っているのでしょう。また、最近の報道で言われているように、イスラエルに対しては、「ヒズボラとの戦争に巻き込まれるな!」と言っているのかもしれません。しかし、それはうまくいっているのでしょうか? うまくいっていません。アメリカの大統領職の有効性が問題なのです。対ロビー活動、あるいは軍事産業複合体やイスラエルロビー、さらにはどこまでも愚かで無知なアメリカ議会の議員との関係です。議員たちは軍産複合体やイスラエルから賄賂をもらっています。どこだっていいのです。戦争マシーンを自分たちの目先の利益のために使おうとするロビーでもかまいません。信じてください、今こそ大人たちが行動する時です。神が助けてくれることを願います。そしてどこかにそういう大人がいることを切に願っています。

ナポリターノ:ここに動画があります。あなたもお聴きになっていると思います。国連総会でバイデン大統領が述べた内容の一部です。(ここで動画が映される)「バイデン:私の指示により、アメリカは大量の安全保障と経済・人道支援に一歩足を踏み出しました。また、NATOの同盟国やパートナー、50カ国以上も支援に立ち上がりましたが、何よりも重要なのは、ウクライナ国民が立ち上がったことです。私はこの議場の皆さんに、彼らのために立ち上がるようお願いします。よいニュースは、プーチンの戦争が失敗し、彼の主な目的も達成されなかったということです。彼はウクライナを破壊しようとしましたが、ウクライナは依然として自由です。」 プーチンが失敗したという主張を今も続けているのは、少しおかしいと思いませんか?

サックス:まあ、それはただの嘘、虚偽の陳述、歴史の誤った表現の束です。バイデン大統領は、副大統領だった2014年にウクライナ政府の転覆に関与し、それが戦争の始まりでした。もちろん、彼らはその話をしたがらない。プーチンの戦争が失敗したという考えや、プーチンがウクライナを乗っ取ろうとしたという考えは、米国政府のプロパガンダ以上のものに耳を傾ける人にとっては絶対にばかげたものです。プーチンが望んだのは、NATOが拡大してウクライナを認めないことと、ウクライナが、民族的にロシアの地域の自治のためにウクライナとウクライナ東部の地域との間で交渉されたミンスク2合意を尊重することです。これらはプーチンの二つの要求であり、2022年3月に合意され、その後米国は合意をとりやめました。バイデン大統領が言ったことは真実ではありません。それは、私たちを核戦争に近づけている戦争を可能にした誤った表現です。私たちは真実を知り、歴史を理解し、安全のためにはこの戦争をどのように終わらせる必要があるのかを理解する必要があります。

ナポリターノ:ゼレンスキー大統領の発言は聞かれますか?

サックス:私は議場にいて、代表団と会っています。ですから、もし彼が発言する機会があれば、彼の意見を聞くことになるでしょう。

ナポリターノ:サックス教授、たいへんありがとうございます。教授のスケジュールは非常に多忙であることは存じておりますが、今週は特に忙しい週です。唯一の救いは、教授が夜には家に帰れることです。ほんとうにありがとうございました。

サックス:そうですね、毎週皆さんとお会いできるのは素晴らしいことですし、こういったことを話し合うのに、今日のような時宜を得た日にお会いできるのはとてもありがたいことです。

※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS(2024年10月20日)「2024年10月1日、ジュリアン・アサンジによる欧州評議会総会でのスピーチ、ポール・クレイグ・ロバーツによるコメント付き」http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-2745.html
空の転載であることをお断りします。
また英文原稿はこちらです⇒Julian Assange’s Address to the Parliamentary Assembly of the Council of Europe on October 1, 2024, with Comment by Paul Craig Roberts
出典:PCRブログ 2024年10月1日
https://www.paulcraigroberts.org/2024/10/06/julian-assanges-address-to-the-parliamentary-assembly-of-the-council-of-europe-on-october-1-2024-with-comment-by-paul-craig-roberts/

寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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