【第380回】♫ナーズム・オラトリオ♫ ~ノーベル平和賞2024・被団協に想う 2024/10/31
国際イスラエル・パレスチナ(ガザ)紛争、はたまたロシア・ウクライナ紛争。
いずれも「核兵器の脅威」に直結して不安が増す現下の世界情勢にあって、ノーベル平和賞2024が被団協に、は実に意義深いBIG ISSUEだ。【第378回】2024/10/11 ノーベル平和賞2024は日本被団協に授与 | ISF独立言論フォーラム
と、同時に、これを機に「次」ということで祈念されるのは「TPNW核兵器廃絶条約」の批准であり、まずはオブザーバ参加だ。混迷の日本政治情勢ではあるが、唯一の被爆国日本として、「批准」に消極的ではあってはならない。
さて、ここで想起する重要項は「ナーズムのオラトリオ」だ。
ナーズム・オラトリオ(白樺教育館blogより)
ナーズム・ヒクメット(Nâzım Hikmet, 1901~1963)。トルコ出身の詩人、劇作家、共産主義者、革命運動家。本名 メフメト・ナーズム・ラン Mehmet Nâzım Ran。
その詩に基づきオラトリオを作曲したのがトルコの鬼才、ピアニスト・作曲家Fazil Sayファジル・サイだ。
Fazil Say – ファジル・サイ – KAJIMOTO
首記、拙稿に目を向けてくれた完全護憲の会(福田玲三代表)のHPに記されている。
Fazıl Say ~ Nâzım Oratoryosu Live「ナーズムオラトリオ」ライブ動画のご紹介 | 完全護憲の会公式ホームページ
100分ほどの迫力ある動画にたちまち魅入られる。
ノーベル平和賞授賞式(ノーベルの命日、12月10日、オスロ)での田中煕巳被団協代表のスピーチへの期待。
と、同時にこのオラトリオに日本語(英語)字幕をつけ、世界に広められないかーー。
そこで少女が歌うナーズム・ヒクメットの詩「死んだ女の子」は強く胸に響く(原文トルコ語、中本信幸訳)。
白樺教育館 教育館だより247より
開けてちょうだい たたくのはわたし
あっちの戸 こっちの戸 わたしはたたくの
こわがらないで 見えないわたしを
だれにも見えない死んだ女の子を
わたしは死んだの あのヒロシマで
あのヒロシマで 10年前に
あのとき七つ
いまでも七つ 死んだ子はけっした大きくならないの
炎がのんだの わたしの髪の毛を
わたしの両手を わたしのひとみを
わたしのからだはひとつかみの灰
冷たい風にさらわれてった灰
あなたにお願い だけどわたしは
パンもお米もなにもいらないの
あまいあめ玉もしゃぶれないの
紙きれみたいに燃えたわたしは
戸をたたくのはわたし。みなさん、署名をどうぞしてちょうだい
炎が子どもを焼かないように
あまいあめ玉をしゃぶれるように
(1955年)
関連:
この「ナーズム・オラトリオ」は2022年に日本語版世界初演されている。
ヒクメット生誕120周年記念 ファジル・サイ「ナーズム・オラトリオ」 – ぶらあぼONLINEコンサート検索 | クラシック音楽情報ポータル
本記事は、浜地道雄「異目異耳」2024/10/31【第380回】♫ナーズム・オラトリオ♫ ~ノーベル平和賞2024・被団協に想う の記事の転載になります。
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国際ビジネスコンサルタント。1965年、慶応義塾大学経済学部卒業。同年、ニチメン(現・双日)入社。石油部員としてテヘラン、リヤド駐在。1988年、帝国データバンクに転職。同社米国社長としてNYCに赴任、2002年ビジネスコンサルタントとして独立。現在、(一財)グローバル人材開発顧問。「月刊グルーバル経営」誌にGlobal Business English Fileを長期連載中。