☆寺島メソッド翻訳NEWS(2024年11月3日):「米国だけではなく、なぜイランもロシアも中国も、イスラエルの蛮行に対して何もしないのか!」
国際※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。
イスラエルはこれまで二度、自慢の軍隊をレバノン南部に派遣したが、戦車も空軍も防空軍もないアラブ民兵組織ヒズボラに追い出されただけだった。今回、また同じことが起きたようだ。イスラエルは地上では完全に阻止され、イスラエル国防相は地上作戦の終了を発表した。イスラエル軍はガザでの戦闘のように、空から女性や子どもを殺すことのみ得意なのだ。
イスラエルのヒズボラに対する戦争は、ベイルートの民間居住地域に対するイスラエルの空爆に取って代わられ、イスラエル軍の唯一の任務は空から女性や子どもを殺害することであるというさらなる証拠を提供している。明らかな結論は、イスラエル軍は戦っているのではなく、民間人に対して戦争犯罪を犯している、ということだ。
ヒズボラの領土ではなくレバノンの首都ベイルートの民間居住地区が空から破壊されている理由は、イランとロシアがレバノンに防空システムを提供しないことでそれを容認しているからだ。
イランとロシアは、イスラエルがレバノンの女性や子どもを虐殺し、学校や病院を空から破壊するのを許可することで「平和を維持している」。
米国政府だけでなく、プーチンやイランが、イスラエルによるガザの民間人やレバノンの民間人の空中虐殺に等しく無関心であることは矛盾している。3カ国のうちのどれか1カ国でも民間人の殺害を止めることはできるのに、どの国も何もしようとしていない。
プーチンはBRICSに賭けているが、この組織は成功するかしないか分からない経済組織だ。ロシアと中国の経済学者が米国の新自由主義者に洗脳されており、そのため自国にとって無価値なだけでなく、むしろ有害であるという事実が、その成功を阻んでいる。
もし米国政府がイスラエルによるパレスチナとレバノンの民間人殺害を止めたいのであれば、米国政府はイスラエルへの武器提供を止めるだろう。そうしないのは、明らかにイスラエルは米国政府の望みどおりに行動しているからだ。しかし、ロシアとイランは、どちらの国もイスラエルを止められるのに、なぜパレスチナとレバノンの民間人の虐殺を望んでいるのか? こうなると、悪魔に取り憑かれているのは米国政府とイスラエルだけではなく、ロシアとイランもであるかのように見え始めてくる。
プーチンがロシアの唯一の脅威である米国から注意を逸らすたびに、彼は厄介な事態に陥っている。プーチンが中国でのオリンピックに集中している間、米国はジョージア(旧称グルジア)軍を南オセチアに派遣した。プーチンがソチオリンピックに集中している間、米国はウクライナ政府を打倒し、ロシアに戦争をもたらした。現在、プーチンはBRICSに集中しており、米国はロシアに対抗するもう一つの拠点として、かつてロシア領だったジョージアを奪還するためにジョージアでのカラー革命を扇動している。野党とジョージアの大統領は、ロシアに有利な選挙結果を受け入れていない。. こちらを参照。https://www.paulcraigroberts.org/2024/10/28/washington-brewing-more-trouble-for-russia/
プーチン大統領は持っている力を行使することを拒否することで、信頼を失っている、と私は思う。プーチン大統領は民主党の思想的特徴と、民主党を牛耳っているウォーク思想に傾倒したリベラル左派を理解していないようだ。民主党が政権の支配権を維持できた場合、プーチン大統領はその結果の対応への備えは出来ていないだろう。
TS エリオットの名言に、人間というものは「あまりに厳しい現実には耐えられない」というものがある。このことばは、米国民だけでなくロシア人にも当てはまる。現実が希望や願望、計画と相容れないくらい厳しいのであれば、無視される、すべての現実がないものとされる。プーチンが決断したウクライナ紛争の拡大や米国政府の支援を受けたジョージアで勃発しつつあるカラー革命、イランの悪魔化と孤立化、これら3件はすべて、現実を無視したことによって起こった自業自得の惨事である。
ロシアや中国、イランなどの大国が大量虐殺から目を背けると、自国の評判が台無しになる。世界は人類や正義、真実のために立ち上がる力のある人を切望しているのに、それに応える者はいない。
ガザでは、子どもたちが麻酔なしで手足の切断手術を受けている。利用できるわずかな水は汚染されている。誰もが病気だ。米国政府は、正真正銘の民間人に対して空から使用される兵器をイスラエルに送り続けている。ガザの人々が病気と飢餓に苦しむことで、米国とイスラエルによるこの戦争に終止符が打たれることになるだろう。そしてこの大量虐殺を可能にしたのは米国だ。
そして何も知ろうとしないお気楽な米国民は、自分たちこそ善良な庶民だ、と思いこんでいる。
※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS(2024年11月1日)「米国だけではなく、なぜイランもロシアも中国も、イスラエルの蛮行に対して何もしないのか!」
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の転載であることをお断りします。
また英文原稿はこちらです⇒When Evil Is Allowed In, Evil Stays
筆者:ポール・クレイグ・ロバーツ(Paul Craig Roberts)
出典:自身のブログ 2024年10月29日
https://www.paulcraigroberts.org/2024/10/29/when-evil-is-allowed-in-evil-stays/
国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授