【連載】社会学作家・秋嶋亮の「リアリティ・オブ・ジャパン」

秋嶋亮(社会学作家)連載ブログ/15:なぜ選挙の八百長に気づかないのか

秋嶋亮

衆院選挙の告示を前に、日本記者クラブの主催で党首討論が行われたのだが、案の定、核心的な問題はゴッソリと排除されていたのだ。

討論は経済・財政、政治とカネ、外交・安全保障などに及んだが、改憲(緊急事態条項による独裁化)、薬害、原発事故(汚染水の放出や除染土の拡散)、政教分離(統一教会が依然として野放し状態であること)などの重大議案には一切触れておらず、与野党の間で談合が図られていたことは明らかである。

(そもそも記者クラブには年間100億円の国費が投入されており、そんな主催者の下で政府に不都合な問題が議論されることはあり得ないわけだ。)

かくして各党の代表は、慣れ親しんだ常套句と言い回しに終始し(与党の致命傷に触れないというお約束であり)、やってる感をアピールするだけだったのだが、結局このような「集合的再帰性(集団行為の帰結)」として、日本は自己絶滅に突き進んでいるのだ。

別の言い方をすれば、与野党の相即的(渾然一体となる様式)な関係によって重大問題が不可視化されることにより、我々の体系は「再帰的社会(行為の結果として滅亡する社会)」化するのだ。

なにせ各国が続々とコロナワクチンの集団接種を取りやめる中で、唯一日本だけが接種の強化を打ち出し、世界中の研究者が(下手をすれば日本人が絶滅しかねないと)警鐘を鳴らすレ〇〇〇ン型の接種に踏み切ったのだ。

もちろん党首討論はこの問題を全く扱っておらず、日本の政界が「コンスピラシー・オブ・サイレンス(重大な事実から目を背け不正の横行や危険の拡大を見逃す行為)」の島であることを証したのだ。つまり野党の政治家も「私的利害により倫理的な提言をしない」のである。

だから野党の支持者は野党の欺瞞を徹底的に批判しなくてはならない。

ところが野党を支持することがアイデンティティの一部となっていることから、自分の支持政党が自分を裏切るという事実を直視できず、「戦略的無知(認知に支障をきたさないようあえて無知でいること)」にとどまるわけだ。

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秋嶋亮 秋嶋亮

☆秋嶋亮(あきしまりょう:響堂雪乃より改名) 全国紙系媒体の編集長を退任し社会学作家に転向。ブログ・マガジン「独りファシズム Ver.0.3」http://alisonn.blog106.fc2.com/ を主宰し、グローバリゼーションをテーマに精力的な情報発信を続けている。主著として『独りファシズム―つまり生命は資本に翻弄され続けるのか?―』(ヒカルランド)、『略奪者のロジック―支配を構造化する210の言葉たち―』(三五館)、『終末社会学用語辞典』(共著、白馬社)、『植民地化する日本、帝国化する世界』(共著、ヒカルランド)、『ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ―15歳から始める生き残るための社会学』(白馬社)、『放射能が降る都市で叛逆もせず眠り続けるのか』(共著、白馬社)、『北朝鮮のミサイルはなぜ日本に落ちないのか―国民は両建構造(ヤラセ)に騙されている―』(白馬社)『続・ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ―16歳から始める思考者になるための社会学』(白馬社)、『略奪者のロジック 超集編―ディストピア化する日本を究明する201の言葉たち―』(白馬社)、『ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへOUTBREAK―17歳から始める反抗者になるための社会学』(白馬社)、『無思考国家―だからニホンは滅び行く国になった―』(白馬社)、などがある。

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