【連載】植草一秀の「知られざる真実」

【連載】知られざる真実/2024年11月15日 (金)自公利権政治ビジネスモデル

植草一秀

日本の政治刷新を国民民主に託すことは間違い。

国民民主は衆院総選挙で議席を増やしたが28議席に過ぎない。

自民191
立民148

に遠く及ばない。

維新38

よりも少ない。

32議席から24議席に減らした公明と肩を並べただけ。

自民は自民系無所属と裏金無所属の6名が自民会派に所属したため、会派規模は197である。

自公は215だが会派入りした無所属議員を含めて221になった。

だが、衆議院過半数233に届かない。

野党は238で野党系無所属6を加えれば244。

野党が結束すれば政権交代を実現できた。

しかし、国民民主が政権交代を阻止した。

国民民主が自公にすり寄り、政権交代が実現しなかった。

衆議院の内閣総理大臣指名選挙の決選投票は石破茂氏と野田佳彦氏との間で行われた。

結果は石破茂氏221票、野田佳彦氏160票、無効票84だった。

 

野田氏に投票したのは立民148、共産8、社民1、野党系無所属の松原仁氏と中村勇太氏に加え、一回目投票で吉良州司氏に投票した「有志の会」福島伸享氏であると見られる。

無効票が84票もあった。

このことについて国民民主の玉木雄一郎氏が

「84票の無効票が出たことは野党第1党が野党をまとめきれなかったことの証左」

と発言したと報じられた。

立憲民主党を非難した。

これに対して立憲民主党議員が強く反発。

立憲民主党の杉尾秀哉参院議員は

「自分から与党にすり寄っておいて、その言い草はないでしょう。玉木さん」

とXで発信。

立憲民主党の小西洋之参院議員は

「国民民主党のために日本の最大の国益が失われようとしている」

とXに投稿した。

杉尾氏と小西氏の指摘は正鵠を射ている。

野党結集による政権交代を壊した中心は国民民主である。

政治刷新でなく自党の利益だけを優先した。

 

重要なのは結果。

最重要目標は

「消費税減税」と「企業団体献金の全面禁止」。

これを妨害しているのが国民民主である。

日本の既得権勢力の最重要利権が「企業団体献金」。

予算を利権関係企業・業界・団体にバラまき、献金でキックバックを受ける。

これが「自公利権政治ビジネスモデル」の根幹。

自民はこれを死守しようとしている。

これに全面協力するのが国民民主党。

財務省の最重要目標が「消費税の維持拡大」。

国民民主はこれにも全面協力だ。

選挙中の「消費税率5%」はウソ。

玉木雄一郎氏は平気でウソをつく。

番組出演を約束しているのに、不倫相手とのデートが入れば番組出演をドタキャンする人物。

立民も消費税減税に背を向けている点で野党失格。

財務省に媚を売っている。

本当の信頼できる野党が不在。

自公が過半数割れなのに政治刷新が実現しないところに、日本弱体化の根幹がある。

 

 

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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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