【櫻井ジャーナル】2024.11.21/櫻井春彦 :露政府の警告を無視してウクライナに長距離ミサイルを発射させ、報復に怯える米
国際政治ウクライナは11月19日、ロシアのブリャンスクに向かって6機の長距離ミサイルATACMを発射したという。ATACMSでロシア深奥部を攻撃することをジョー・バイデン政権が許可したとニューヨーク・タイムズ紙が伝えた2日後のことだ。長距離ミサイルの使用許可を国防総省へは伝えていなかった可能性が指摘されている。これらのミサイルをすべて撃墜したとロシア側は主張している。バイデン大統領はウクライナに対して対人地雷を供与するともいう。
長距離ミサイルで攻撃するためには、この兵器を扱えるオペレーターが必要であるだけでなく、兵器を誘導するための情報を提供する衛星、さらに目標の選定や目標に関する情報などもなければならない。つまりアメリカやイギリスをはじめとするNATO諸国の支援なしにウクライナは長距離ミサイルを使うことはできないのだ。
ロシアのウラジミル・プーチン大統領は11月19日、最新版の「核抑止力の分野におけるロシア連邦の国家政策の基礎」に署名した。そこには核保有国の支援を受けた非核保有国によるロシアまたはその同盟国への侵略は共同攻撃とみなすと書かれている。ブリャンスクに対するウクライナのミサイル発射はアメリカとの共同攻撃ということだ。空中および宇宙ベースの攻撃システムの発射確認、ロシア国境への侵攻、ロシアやその軍隊に対する大量破壊兵器の使用なども核兵器使用の条件になっている。
ロシア軍は2022年2月にウクライナを攻撃し始めた後、破壊したウクライナの軍事施設や生物化学兵器の研究開発施設で機密文書を回収、それを分析した結果をロシア議会は報告書として2023年4月に発表した。その中で、アメリカがウクライナで「万能生物兵器」を開発していたと指摘されている。その生物兵器の特性は日本ですでに接種し始めた「レプリコン・ワクチン(自己増幅型COVIDワクチン)」と似ている。
ロシア議会が発表した報告書の180ページから181ページにかけて次のような記述がある。
「アメリカは人間だけでなく動物や農作物も標的にできる普遍的な遺伝子操作生物兵器の開発を目指している。その使用はとりわけ敵に大規模で回復不可能な経済的損害を与えることを前提としている。」
「避けられない直接的な軍事衝突の可能性を見越して、秘密裏に標的を定めて使用することで、たとえ他の大量破壊兵器を保有している相手であっても、アメリカ軍が優位に立てる可能性がある。アメリカ軍の戦略家によれば、ある特定の時期に、ある特定の地域で、異常な伝染病を引き起こす可能性のある生物学的製剤を、秘密裏に、かつ標的を定めて使用した場合の結果は核の冬に匹敵する可能性がある。」
製薬業界で25年以上にわたってデータ分析、臨床試験、技術に携わってきたサーシャ・ラティポワによると、COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動はアメリカ国防総省がバラク・オバマ政権の時代に始めた作戦だ。彼女は情報公開法によって入手した文書を分析、この結論に至ったという。日本の「ワクチン」政策は国防総省の命令に基づく可能性がある。
しかし、アメリカ国防総省がウクライナに建設した生物化学兵器の研究開発施設はロシア軍に破壊され、拠点は移動している。そのひとつが日本である可能性は否定できない。この推測が正しいなら、日本はロシアや中国にとって攻撃目標になる。ウクライナを見れば明白だが、攻撃されれば短期間に日本は壊滅する。
2022年2月以降、ウクライナ軍は一貫して劣勢。当初、兵士の数はロシア軍より多かったのだが、戦闘はロシア軍が優勢だった。ロシア側で重要な役割を果たしたのはワグナー・グループ。この会社のオーナー、エフゲニー・プリゴジンは料理人だが、周辺には有力な軍人が存在している。
ワグナー・グループはロシアの情報機関によって創設され、ロシア軍参謀本部の第1副本部長を務めているウラジーミル・ステパノビッチ・アレクセーエフ中将がその背後にいたと言われ、後にミハイル・ミジンチェフ上級大将が副司令官を務めていた。このミジンチェフが本当の司令官だと考える人もいた。
プリゴジンはセルゲイ・スロビキン上級大将やミハイル・ミジンチェフ上級大将とも友好的な関係にあった。スロビキンは2022年10月からドンバス、ヘルソン、ザポリージャの戦闘を指揮していた軍人であり、ミジンチェフはマリウポリを解放した作戦の指揮官だ。スロビキンが指揮するようになった頃からロシア軍は戦闘を本格化させていく。
国防相だったセルゲイ・ショイグやワレリー・ゲラシモフ参謀総長をプリゴジンは批判していたが、そのショイグは今年5月に安全保障会議書記へ移動、副首相を務めていた経済を専門とするアンドレイ・ベローゾフが後任に選ばれた。その後、ロシア政府はウクライナ問題を西側と話し合いで解決することを断念したと見られている。
昨年秋までにウクライナ軍は壊滅状態で、イギリスのベン・ウォレス前国防大臣は昨年10月1日、テレグラフ紙に寄稿した記事の中でウクライナ兵の平均年齢は40歳を超えていると指摘、もっと多くの若者を前線へ送り出せと要求している。それだけ兵士が死傷しているということにほかならない。この段階でウクライナ側の戦死者数は50万人から100万人、ロシア側はその1割程度だと見られていた。実際、ウクライナの街頭で徴兵担当者に拉致される男性の映像がインターネットで流されている。
すでにウクライナは降伏するか「総玉砕」するかという状況になっているのだが、ネオコンやEUのエリートはロシアを勝たせるわけにはいかないと主張、つまりウクライナを「総玉砕」させようとしている。
それでもダメならバイデンはドナルド・トランプの大統領就任式までに核ボタンを押すのではないかと懸念されている。大統領選挙でトランプの勝利が決定した後に民主党や有力メディアがおとなしいのは、そうした類のことを目論んでいるからではないかという人もいる。西側の好戦派に残された最後の切り札は核戦争による人類の死滅だ。
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【Sakurai’s Substack】
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