「論壇・R・少女の勇気と大人としての問題の根本を問う覚悟」
琉球・沖縄通信沖縄に主権取り戻そう、米国に支配されるいびつさ
日本は日本国憲法で国民主権が付与されている。だが、実際には、真の統治者は米軍である。沖縄から見える自民党政治は、沖縄県民の声を無視して、米軍優先政治が戦後も「復帰後」も続いてきている。
新総裁が誕生した。地位協定見直しも行うという方針という。本気なのか、どの程度の改定なのか注視していかねばならない。国民よりも米軍という不条理はもう許されない。現在は日米安保体制下にある。恒常的に日米合同委員会が月2回定例で開催されて、米軍から日本官僚への「言い渡し」が行われている。事実上、日本をコントロールしている。この実態を国会議員は薄々知っていても「ふたをして」いる。日米合同委員会の議事録公表も求めない。石破さんは日米地位協定改定の審議は日米合同委員会改変・撤廃、議事録公開も求めるだろうか、私は行うべきだと思う。
米国と自民党の絆の強さは日米安保体制、日米地位協定、日米合同委員会によって安定をもたらしてきた。逆に言えば、安定的構造は沖縄を軍事化することであった。多くの本土の人を「平和ボケ」させて日本の米支配のいびつさを沖縄内に閉じ込めてきた。
主権を私たち沖縄に取り戻すために日本政府と議論を始めたい。日本の米従属を終わりにさせよう。日米合同委員会について国会議論を始めてもらいたい。その覚悟があるか否か、国会議員にも問いたい。「国民主権」の地位は幻想で、民主主義の基盤がそもそも失われている実態を直視しているかを問いたい。
現在、命の水さえ米軍基地から流れ出る水によって恐ろしい化学物質PFASに汚染されている。協定上県による立入り調査はかなわず、米軍基地は守られて県民の命の水は危機的状況を迎えている。
昨年12月に16歳未満の少女が米軍人に性被害を受けていた。しかし日本政府はそれをひた隠ししていた。隠している間に類似事件が発生していた。沖縄では戦後ずっと人権が侵害されてきた。この事例からも明らかなように、少女の尊厳を守れない大人であることを卒業しよう。慣れ親しんでいる安保条約体制を受け入れている日常自体を見直すべきである。
日米同盟の破棄を言うと非現実的という。だが、「現実」の中で起きていることが弱者への抑圧であり人権侵害なのである。日米同盟の抑止力というが人の命の抑圧によって成り立つ抑止力とはどういうことか。国家という名目の自民党政治を守ることを言い換えていないか。抑止力のために日米同盟が必要だというロジックは余りにも思考停止であり「平和ボケ」の象徴でしかない。今こそ沖縄から変えていこう。
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独立言論フォーラム・理事。那覇市出身、(財)雇用開発推進機構勤務時は『沖縄産業雇用白書』の執筆・監修に携わり、後、琉球大学准教授(雇用環境論・平和論等)に就く。退職後、那覇市議会議員を務め、現在、沖縄市民連絡会共同世話人で、市民運動には金武湾反CTS闘争以来継続参加。著書は『若者の未來をひらく』(なんよう文庫2005年)、『沖縄のエコツーリズムの可能性』(なんよう文庫2006年)等がある。